京都御苑の見どころ 皇居跡と歴史的名所を巡る名所ガイド
目次
実は穴場の「京都御苑」
「京都御苑」は京都市中心部に位置しながら、その広大な敷地と豊かな緑に包まれ、訪れる人々に都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさに「穴場」と言える観光スポットです。かつては皇居として重要な政治や儀式が行われていた場所であり現在でもその歴史的な重みを感じることができますが、意外にも観光客が少ないため、ゆっくりと散策できる魅力があります。
歴史が息づく京都御苑の始まり
京都御苑の歴史は、平安京遷都当初までさかのぼります。最初の皇居である大内裏は現在の千本丸太町付近に存在しましたが、度重なる火災で消失し、再建されることはありませんでした。その後、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて仮の皇居が現在の京都御苑周辺に設置され、これが現在の京都御所の前身となったとされています。
京都御苑は明治時代の東京遷都まで、天皇が住まう皇居として機能していました。御所周辺には公家の屋敷が立ち並び、公家町を形成していた時代もありましたが、現在はその名残はほとんど残っていません。しかし、園内を歩けば、当時の雰囲気を感じさせる景色が広がっています。現在京都御所は宮内庁が管理し、苑地は環境省が所管しています。
歴史と自然が交差する憩いの場
京都御苑は、地元の人々にとっても大切な憩いの場です。苑内には多くの木々が生い茂り、広場や小道が整備されているため、親子連れやランナー、読書を楽しむ人々が見られます。京都市の中心部にいながら、自然に包まれた静寂を感じられるため、観光客にとってもリフレッシュの場としておすすめです。
さらに御苑内には四季折々の美しい風景が広がっています。春には梅や桃、枝垂れ桜が咲き誇り、秋には紅葉が苑内を鮮やかに彩ります。桜の名所として知られる京都ですが、京都御苑の桜は観光客で混雑する有名スポットとは一味違った静けさの中で楽しむことができる、まさに「隠れた名所」です。
京都御苑の見どころ
京都御苑には数え切れないほどの魅力的なスポットがあります。ここでは、特におすすめの場所をいくつかご紹介します。
①御所水道
京都御苑を囲む堀で、明治時代の末期に防火用水路として整備されました。昔は琵琶湖疏水の水が流れていましたが、現在は地下水が利用されています。周辺は映画やドラマの撮影場所としても知られています。
②閑院宮低跡(かんいんのみやていあと)収納展示館
四親王家の一つ、閑院宮家の屋敷跡に建てられた展示館です。歴史的な建物や美しい庭園が見どころです。また、総合案内所も併設されており、御苑の歴史を深く学ぶことができます。
③拾翠(しゅうすいてい)
九条家に由来する建物で、約200年前に建てられました。九条池や高倉橋を一望でき、自然と歴史が調和した風景を楽しむことができます。
④厳島神社
九条家の鎮守社で、九條池の中島に鎮座しています。池の弁財天とも呼ばれ、唐破風の笠木を持つ石鳥居が特徴です。
⑤高倉橋
九条池の中央にかかる橋で、庭園の風景をゆっくり楽しむことができます。本来は天皇の行幸を想定して建設されましたが、実際に使用されることはありませんでした。
⑥桜町
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」で有名な土佐日記の著者紀貫之の邸宅があったと言われています。土佐日記は日本最古の日記文学のひとつで、土佐国から京に帰るまでの出来事を綴ったというもの。男性である紀貫之が女性になりきって書いた日記としても有名です。紀貫之は最初の勅撰和歌集「古今和歌集」の撰者の一人としても知られています。
⑦大宮小径
大正天皇の即位礼に合わせて造営された小径です。緩やかなカーブを描き、木々に囲まれた歩きやすい道で、造園家の椎原兵市が整備しました。
⑧蛤御門
正式名称は「新在家御門」ですが、火災時に開かれることから「蛤御門」と呼ばれています。1864年の禁門の変の激戦地となり、今でも門には銃弾の跡が残っています。
⑨中立売休憩所
中立売休憩所では無料で休憩できるスペースのほか、食事やお土産の購入が可能です。御所の外にある中立売御門から少し北に戻ると、御所参観入口の清所門があります。9時から15時(4月から8月は16時)までの時間帯であれば、事前申込不要で参観することができます。
京都御苑 情報
名称 | 京都御苑 |
住所 | 京都府京都市上京区京都御苑3 |
拝観時間 | 24時間開苑 |
拝観料金 | 無料 *茶室「拾翠亭」は有料(高校生以上300円) |
アクセス | 市営地下鉄烏丸線 丸太町駅より徒歩5分 市営地下鉄烏丸線 今出川駅より徒歩5分 京阪神宮丸太町駅より徒歩15分 |
HP | https://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/ |