
新緑の嵐山に浮かぶ”水中の森” 嵐山 祐斎亭
京都・嵐山公園の奥にある「嵐山 祐斎亭」。この建物は、約150年前の明治時代に建てられ、当初は料理旅館「千鳥」として文人墨客たちに親しまれてきました。なかでも、ノーベル賞作家・川端康成が名作『山の音』を執筆した地としても知られ、文学ファンの間でも聖地的な存在です。
現在は、染色家・奥田祐斎氏の手によって、アートと自然が融合する唯一無二のギャラリーへと生まれ変わりました。建物は、かつての趣を残しつつ、訪れる人々を新たな感動へと誘います。
アートと自然が織りなす静寂の美
祐斎亭の最大の魅力は、なんといっても奥田氏による染色「夢こうろ染」。独自の技法で染め上げられた布は、時間と光によって色が変化し、まるで生きているかのような美しさをたたえています。館内にはその作品が静かに展示されており、目を凝らすたびに新しい発見があります。
また、祐斎亭では染色体験も可能です。自分だけの一枚をこの歴史ある空間で染め上げるという体験は、まさに旅の特別な思い出になるでしょう。
新緑の嵐山に浮かぶ"水中の森"
この新緑の季節は、祐斎亭はさらに幻想的な表情を見せてくれます。館内庭に設けられた水鏡には外の青もみじが美しく映り込み、まるで水中に森があるかのような風景が広がります。
祐斎亭の庭園を歩く
祐斎亭の魅力は館内だけになく、苔むした石段、小径を覆う青もみじ、控えめに咲く山野草など、どれもが訪れる人の五感を静かに刺激します。木々の間からこぼれる木漏れ日と、鳥のさえずり。
まるで時間が止まったようなこの空間で過ごすひとときは、“癒やしの嵐山”という言葉がぴったりの場所です。
祐斎亭は、JR嵯峨嵐山駅から歩いて約20分。渡月橋を渡り、桂川沿いを歩くルートは、道中からすでに嵐山の自然を堪能できます。紅葉のシーズンは特に混み合うため、なるべく早めの予約が安心です。
まとめ
嵐山といえば、渡月橋や竹林の小径が真っ先に思い浮かびますが、祐斎亭はその“先”にある静かな宝石のような場所です。歴史に触れ、アートに浸り、自然と呼吸を合わせる。そんな体験ができる場所は、京都でもそう多くはありません。
新緑の美しい季節に、祐斎亭で“静けさの贅沢”を味わってみてはいかがでしょうか。
店名 | 嵐山 祐斎亭 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
住所 |
京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6 |
アクセス |
京福 嵐山駅 徒歩13分 |
定休日 | 木曜日 |
電話番号 |
075-881-2331 |
公式サイト |
https://yusai.kyoto/ |