
長楽館で味わう かき氷「チェリーピスタチオ」
京都・東山の円山公園のすぐとなりにある長楽館は、明治42年に建てられた歴史的建造物。創建者は「煙草王」とも称された村井吉兵衛。国内外の賓客を迎えるため、総理大臣・伊藤博文の命名のもと迎賓館として誕生しました。
重厚なルネサンス様式の外観、そして内部にはロココやアールヌーヴォーが折り重なり、まるで西洋の宮殿を歩いているかのような優美な空間が広がります。
現在では、ホテル・レストラン・カフェとして再生され、その文化的・建築的価値が認められ、1986年に京都市有形文化財に、2024年には国の重要文化財に指定されました。宿泊施設はわずか6室。特別な時間を求める大人たちの隠れ家として、静かに人気を集めています。
敷地内には、フレンチレストラン「LE CHENE」や、図書室を兼ねた「ライブラリーバー」、クラシック調度品が並ぶブティックも併設されており、滞在者はもちろん、日帰りの訪問者にも非日常のひとときを提供しています。
中でも、観光客に高い人気を誇るのが、長楽館内にあるデザートカフェ。歴史的空間の中で本格的なアフタヌーンティーやスイーツを楽しむこのカフェは、12歳未満の利用ができないという方針により、静謐な空気の中で過ごすことができます。観光地の喧騒から離れ、しばしの「時間旅行」を体験できるのです。
夏限定 冷たい芸術「チェリーピスタチオ」
かき氷 チェリーピスタチオ ミニドリンク付き 2,280円
そんなデザートカフェで、夏季限定スイーツとして登場するのが「長楽館氷菓」シリーズ。今年の第1弾として登場したのが「チェリーピスタチオ」。2025年6月1日から7月11日まで提供されるこのかき氷は、見た目も味も、一線を画す完成度です。
主役は、ナッツ好きにはたまらないピスタチオ。まろやかな練乳仕立てのソースとして氷全体にかけられ、その中に酸味がきいたグリオットチェリーソースが鮮やかなコントラストを描きます。トップにはピスタチオのエスプーマクリームとアメリカンチェリーが添えられ、視覚と味覚の両面で「おいしい驚き」が詰め込まれています。
一見すると、凝ったかき氷という印象ですが、実は中には大人の甘味好きにこそ刺さる工夫が。氷の中層に忍ばされているのは、オレンジリキュールがしっとり染み込んだサバラン。口に運ぶたび、氷菓から洋菓子へと変化していく構成は、まるでパフェのような立体感を感じさせてくれます。
その味わいは「和洋折衷」を超えた、独自の“長楽館流デザート”。サクッと食べきるかき氷とは異なり、ひと匙ずつ時間をかけて味わいたくなる、構成美が光る一皿です。
各日数量限定。時間帯や曜日によっては早めの完売もあるため、確実に楽しみたいなら午前中から訪れるのがおすすめです。大人のためのご褒美タイムとして堪能するのが正解。
歴史と芸術に包まれながら、ひんやりとした甘さが舌の上でとろけていく——そんな夏のご褒美を、今年は長楽館で味わってみませんか。
店名 | デザートカフェ長楽館 |
営業時間 | 11:00 - 18:30 |
住所 |
京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604 |
アクセス |
京阪 祇園四条駅 徒歩10分 |
定休日 | 不定休 |
電話番号 |
075-561-0001 |
公式サイト |
http://www.chourakukan.co.jp |