南禅寺の邸宅レストラン「大力邸」

南禅寺の邸宅レストラン「大力邸」

南禅寺のそばにある「大力邸」は、もとは近代和風邸宅として建てられた重厚な木造建築の趣を残しつつ、リノベーションされたレストランです。

注目すべきは、邸宅に併設された「双龍庭園」。京都の名庭師・植治こと小川治兵衛の系譜を受け継ぐ十一代目が手がけたこの庭は、四季折々の風景を映し出す鏡のような存在。春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の霜景色——そのすべてを、ガラス越しに楽しみながら食事をすることができるのです。

店内は、どの席からも庭を望めるように設計されており、まるで一幅の絵画の中で料理を味わっているような感覚に。もちろん、料理だけではなく、空間そのものが「一皿」として機能するような、そんな設えになっています。

南禅寺 ランチ 大力邸1

南禅寺 ランチ 大力邸2

大力邸3

素材と技が織りなす、極上の一杯

大力邸 阿波どり天と舞たけ天うどん

阿波どり天と舞たけ天うどん1,600円

数あるメニューのなかで、今回紹介するのは「阿波どり天と舞たけ天うどん」。
見た目からしてインパクト抜群のこの一品は、丁寧に引いた出汁、自家製の手打ちうどん、そして豪快に揚げられた天ぷらが三位一体となった逸品です。

まず、主役とも言える阿波どりの天ぷら。徳島県産の銘柄鶏を使用し、外はサクッと、中はしっとりジューシー。しっかりと下味が付けられているため、出汁の風味とぶつかることなく、互いに引き立てあうような仕上がりです。

続く舞茸の天ぷらは、厚みのある大ぶりカット。ひと口噛めば、豊かな香りがふわっと広がり、食感はサクサクというよりも、ふんわりと優しい歯ざわり。揚げ油の軽さも相まって、重たさを感じさせません。

そのすべてをまとめあげるのが、国産小麦を使った自家製のうどん。もちっとした食感の中に、しっかりとしたコシがあり、噛むほどに甘みが滲んできます。スープは京都らしいまろやかで甘めの出汁。昆布と鰹を軸にした深い旨みが、全体を包み込むように広がります。

このメニューは温・冷どちらでも提供されており、暑い季節には冷やしうどんでキリッといただくのもおすすめです。

食と景色が織りなす、忘れがたい京都時間

大力邸の魅力は、食事をしながら眺める双龍庭園、ゆったりと流れる時間、そして丁寧な接客。それらすべてが交差することで、京都という街の奥行きを体感させてくれます。

南禅寺から徒歩すぐというアクセスの良さもあり、観光途中のランチにもぴったり。特に平日の午後は比較的落ち着いており、混雑を避けて訪れるには絶好のタイミングです。

阿波どり天と舞たけ天うどんは、一見シンプルなうどんメニューでありながら、随所に職人のこだわりと技が感じられる、贅沢な一杯。食後の満足感とともに、もう一度訪れたくなる余韻が残ることでしょう。

店名

大力邸

営業時間

11:30 - 20:00

住所

京都市左京区南禅寺草川町81

アクセス

地下鉄 蹴上駅 徒歩9分

定休日

なし

電話番号

075-752-4334

公式サイト

https://tairikitei.com/