
紫陽花まつりで出会う、蹴鞠という藤森神社の雅な儀式
梅雨の京都が最も似合う祭りが、伏見の藤森神社で開かれる「紫陽花まつり」。
毎年6月に境内のおよそ3,500株もの紫陽花苑には色とりどりの紫陽花が咲き誇ります。また、藤森神社の紫陽花まつりは平安の風雅を残す伝統芸「蹴鞠(けまり)」の舞台でもあります。
雅と祈りが交差する一日
2025年の紫陽花まつりの本祭は6月15日。花の見頃に合わせて、藤森神社では一連の奉納行事が行われました。
献花・献茶の神事から始まり、神楽の舞、藤森太鼓の奉納、そして「蹴鞠」が披露されました。
蹴鞠とは、平安時代の貴族たちがたしなんだ遊びでありながら、現代では“神への捧げもの”として神事の一部として継承されています。藤森神社の蹴鞠は、毎年この紫陽花まつりの一環として開催されています。
静けさの中で響く、「アリ!」という蹴鞠のかけ声
8人の蹴鞠人が円になり、全員が平安装束に身を包みます。蹴るのは右足のみ。使うのは鹿革で作られた手作りの鞠。それを落とさぬよう、蹴り続けます。
鞠が空を舞うたびに、参加者が発する「アリ!」「オウ!」という掛け声が響きます。観ているとただの伝統芸能を超える空気がありました。
花と神事、文化と感性をつなぐ
紫陽花まつりでは、蹴鞠のほかにも、雅楽の演奏や太鼓の奉納が行われました。
また、紫陽花苑内はバリアフリーに整備されており、高齢の方や車椅子利用者でも安心して散策できます。雨の日でも、紫陽花が映えるこの神社のしっとりとした空気が、非日常への入り口に思えてきます。
紫陽花まつり開催期間: 2025年5月31日〜約1か月間(開花状況により変更することあり)
神社名 | 藤森神社 |
参拝時間 | 9:00〜17:00 |
住所 |
京都市伏見区深草鳥居崎町609 |
アクセス |
JR 藤森駅 徒歩5分、京阪 墨染駅 徒歩7分 |
電話番号 |
075-641-1045 |
公式サイト |
https://fujinomorijinjya.or.jp/ |