京都・桂の老舗和菓子店「中村軒」で味わう逸品

中村軒で味わう麦代餅

桂離宮の南、桂橋のそばにある「中村軒」。のれんをくぐると、そこは明治の空気をそのまま残したかのような空間。創業は1883年。かつて麦の刈入れ時に農家が買い求めた「麦代餅(むぎてもち)」が名物であり、今も店頭に並ぶ看板商品です。

ただ、中村軒の魅力は和菓子だけにとどまりません。店内の茶店では、四季折々の甘味のほか、地元民にも人気の軽食メニューがいくつか用意されています。和菓子屋ならではの発想と技術で丁寧に仕上げられた品々です。

中村軒 店頭

中村軒 店内

中村軒 通路

中村軒の麦代餅

中村軒の麦代餅

麦代餅 360円

中村軒を代表する和菓子といえば「麦代餅(むぎてもち)」です。
その名は、かつて農家が麦の収穫作業の合間に食べるため、この餅と引き換えに麦を渡していたという逸話に由来します。今ではその由来を知る人も少なくなりましたが、食べた瞬間に「あぁ、これはずっと昔から食べ継がれてきた味だ」とどこかなつかしさを感じるものがあります。

麦代餅は、つきたてのもち米に、小豆の粒あんを包み、たっぷりのきな粉をまとわせた、素朴でいて滋味深い一品。餅はやわらかさの中にほんのりコシがあり、あんこは上品な甘さ。口の中で自然にほろっと崩れ、最後に香ばしいきな粉の香りが抜けていきます。

この餅、噛むほどに印象が深まっていく。味のバランスが良いのはもちろんですが、素材の選び方、製法の丁寧さがその背景にあります。もち米は厳選された国産を使い、あんこは薪のかまどで炊いた昔ながらの製法。手間を惜しまないその姿勢が、一口に宿る余韻をつくっているのです。

ちょっとしたお土産や、甘味は控えめに…という方にも人気です。

中村軒の麦代餅2

店名

御菓子司 中村軒

営業時間

10:00 - 17:00 店頭販売 8:30~17:30

住所

京都市西京区桂浅原町61

アクセス

阪急 桂駅 徒歩11分

定休日

水曜日

電話番号

075-381-2650

公式サイト

https://www.nakamuraken.co.jp/