京都の伝統と季節を映す和菓子の名店「老松」

京都の伝統と季節を映す和菓子の名店「老松」

明治41年創業の「老松」は、京都・上七軒で誕生した老舗和菓子店です。正式名称は「有職菓子御調進所 老松」。その名が示す通り、宮中の調進(ちょうしん=納め物)を担っていた家系に連なる歴史を持ち、茶道や年中行事、婚礼の儀式など、日本の伝統行事に深く根差した和菓子を代々受け継いできました。

現在、北野の本店のほか、嵐山、百貨店にも店舗を構えています。その中でも、嵐山の地に根を下ろす「老松 嵐山店」は、観光と四季の風情を味わえる絶好のロケーションにあります。

店舗があるのは、嵯峨天龍寺門前。かつて空海が唐から煎餅の製法を持ち帰ったとされる、いわば「日本煎餅のルーツ」ともいえる由緒あるエリアです。京福電鉄「嵐山駅」から徒歩約3分、渡月橋や天龍寺からも徒歩圏内ということもあり、散策の途中で立ち寄る人が後を絶ちません。

老松嵐山店には、和菓子の購入だけでなく、茶房「玄以庵(げんいあん)」が併設されており、その場で作りたての本格和菓子を味わえることでも人気を集めています。

老松 嵐山店1

老松 嵐山店2

老松 嵐山店3

五感で楽しむ本わらび餅

老松 嵐山店 本わらび餅

本わらび餅 1,430円

老松嵐山店を訪れたら、絶対に見逃せない逸品が「本わらび餅」。
目の前で丁寧に練り上げられたわらび餅の味と食感は、ほかのわらび餅とは一線を画します。

宮崎県産の本わらび粉を100%使い、添加物を一切加えず、職人の手仕事によって生み出されるわらび餅は、ぷるぷる、もちもち、とろけるような質感。ひと口含むと、わらび粉のもつ繊細な風味と、なめらかなのどごしが広がり、思わず無言になるほど。

さらに、特製の香ばしいきな粉と、自家製の黒蜜が添えられます。この黒蜜がまた甘すぎず、後味もすっきり。味の余韻まで計算された、完成度の高い逸品です。

玄以庵の店内限定で、注文が入ってから練り上げられます。わらび餅は氷水に浮かべて提供されるため、暑い季節でもさっぱりといただけるのも魅力。賞味期限は事実上「約5分」と言われるほど、出来立てが命。時間との勝負ですが、その分、感動はひとしおです。

観光の合間に、一服の贅沢を

茶房「玄以庵」は9時半から16時半まで営業しており、6~8月は10時オープン。観光シーズンは行列ができることもあるので、訪れるなら開店直後が狙い目です。わらび餅は混雑時の提供時間が長くなるため、時間に余裕を持って訪れるのがベター。

老松嵐山店の本わらび餅は、「わらび餅ってこんなにおいしいの?」と多くの人が驚く逸品です。嵐山観光の締めくくりに、または歩き疲れた午後の一服に。京都の粋と職人技を一皿で感じられるこの和菓子は、まさに“人生で一度は味わいたい一品”といえるでしょう。

店名

老松 嵐山店

営業時間

09:00 - 17:00 茶房:9:30~17:00

住所

京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町20

アクセス

京福 嵐電嵐山駅 徒歩3分

定休日

不定休

電話番号

075-881-9033