茶寮 八翠という特別な空間

茶寮 八翠という特別な空間

京都・嵐山。観光名所として名高いこのエリアに、ひときわ静けさと品格を備えたカフェ「茶寮 八翠」があります。翠嵐ラグジュアリーコレクションホテルの敷地内にあり、築100年以上の茅葺屋根の建物「八賞軒」を改装してつくられたこの空間は、明治期の文人たちが嵐山の美しさを詠んだ「八賞軒詩」にもその名を残しています。

店内に一歩足を踏み入れると、保津川のせせらぎと、嵐山の緑が広がる贅沢なテラス席が広がり、喧騒から完全に切り離された静寂に包まれます。観光の合間に一息つく場所としてだけでなく、特別な食体験を求めて訪れる価値があるのが、この茶寮の魅力です。

出汁の国・京都が生んだ“和”のストロガノフ

一番出汁のビーフストロガノフ 3,500円

メニューには、夏限定の抹茶かき氷や、季節ごとの和スイーツ、そして見逃せないのが、和の技法を巧みに取り入れた軽食メニューの数々。その中でも、今回ご紹介する「一番出汁のビーフストロガノフ」は、他のどのカフェにもない唯一無二の存在感を放っています。

一般的なビーフストロガノフと違い、茶寮 八翠のビーフストロガノフで主役となるのは、丁寧に引かれた「一番出汁」。鰹と昆布の旨味が凝縮されたこの出汁が、銘柄和牛と出会うことで、驚くほどまろやかで奥深い味わいに仕上がっています。

添えられた3種の味変アイテムは、サワークリームを加えるとまろやかさが増し、削り節をひとつまみのせれば香りが立ち、ラー油を垂らすと、ほんのりとした辛みが全体を引き締めてくれます。一皿の中に、三段階の味の展開が仕込まれているのです。

食べるごとに印象が変わるこの一皿は、食事というよりも“体験”に近い。視覚、嗅覚、味覚、すべてを刺激しながら、ゆっくりと一口ずつ堪能したくなる逸品です。

嵐山で、特別な昼食を

晴れた日の昼下がり、保津川を眺めながら、和の出汁が香るビーフストロガノフをゆっくり味わう。茶寮 八翠での食事は、観光の「ついで」ではなく、ここを目的地にしても良いくらいの体験です。どこか懐かしく、けれど新しい和洋折衷の味わいを、ぜひ一度体験してみてください。