七條甘春堂の幻想的な天の川

七條甘春堂の幻想的な天の川

京都駅からバスで10分。三十三間堂や京都国立博物館といった名所に囲まれた東山エリアに、「七條甘春堂 本店」はあります。創業は慶応元年、幕末の激動の時代。以降、150年以上にわたり、京の四季や文化を映し出す和菓子を作り続けてきました。

町家造りの店舗には、時を経た木のぬくもりと、凛とした和の空気が漂います。歴史ある外観に反して、店内には新しい感性が宿っており、伝統菓子に加え、現代の感覚を取り入れた創作和菓子も並びます。この柔軟さと遊び心、そして素材への徹底したこだわりこそが、七條甘春堂の魅力。水は京菓子に最適とされる伏流水、小豆や米は近江産などを厳選し、職人が一つひとつ手仕事で仕上げています。

京文化を五感で味わう、和菓子づくり体験

本店の隣には、和菓子づくりを体験できる施設もあります。事前予約制で、和菓子職人が直接指導。季節のモチーフを模した生菓子の成形から、餡の包み方まで、和菓子の世界を深く味わえる内容になっています。体験後には自作の和菓子と抹茶の時間もあり、旅の思い出にもぴったり。

また、店内の喫茶スペースでは「クリームあんみつ」や「季節の羊羹」と抹茶のセットを楽しめるのも嬉しいポイント。三十三間堂を訪れたあと、ひと息つきたいときに立ち寄りたい場所です。

七條甘春堂

夏の夜空を映した「天の川」

七條甘春堂

天の川 1,400円

そんな七條甘春堂が手がける夏季限定の和菓子「天の川」は、まさに“食べるアート”。初めて見る人は、その色彩の美しさに息をのむかもしれません。
羊羹の層は斜めに重ねられ、茶色の小倉羹が大地を、白色の味甚羹・青色の琥珀羹が夜空の星々の瞬きを表現しています。さらに金箔が星屑のように散りばめられ、手のひらサイズの宇宙がそこにあります。

このお菓子が生まれたのは約30年前。七夕文化が根づく京都らしい夏の和菓子を作りたいという先代堂主の想いから誕生しました。当時としては珍しかった青い色の和菓子は受け入れられにくく、しばらくは静かな存在だったそうです。しかし、時代は巡り、写真映えやビジュアルに重きを置くSNSの影響で再評価され、今では「夏の甘春堂といえばこれ」と言われるほどの人気商品になりました。

見た目だけではなく、味わいも上品。冷やすことで甘さがすっきりと際立ち、蒸し暑い京都の夏にも心地よくいただける設計になっています。冷たい煎茶と合わせても美味。

お土産にも、贈り物にも

「天の川」は本店をはじめ、京都伊勢丹や一部百貨店、また公式オンラインショップでも購入可能。夏の風情を持ち帰るお土産としても人気です。パッケージにも美しい夜空の意匠が施されており、大切な人への贈り物にもぴったり。

手のひらの中に、宇宙を閉じ込めたようなこの一棹。京都の夏の情景を味覚と視覚で堪能できる、唯一無二の逸品です。

店名

七條甘春堂本店

営業時間

9:00〜17:30

住所

京都市東山区七条通本町東入ル西ノ門町551

アクセス

京阪 七条駅 徒歩4分

定休日

1月1日(臨時休業の場合あり)

電話番号

075-541-3771

公式サイト

http://www.7jyo-kansyundo.co.jp