相国寺承天閣美術館 「屏風 黄金の調度」黄金に輝く屏風の世界へ

相国寺承天閣美術館 「屏風 黄金の調度」黄金に輝く屏風の世界へ

屏風 黄金の調度

相国寺承天閣美術館で開催される企画展「屏風 黄金の調度」は、部屋を彩る調度品としての屏風に宿る美と文化を紹介する展覧会です。金地に描かれた華やかな世界から、静謐な水墨の表現まで、相国寺に伝わる名品をはじめ、多彩な屏風が二期に分けて公開されます。


柳図屏風 狩野宗秀筆 六曲一隻 紙本金地著色 桃山時代 相国寺蔵(Ⅱ期)


耳川合戦図屏風 探意筆 曲一隻 紙本金地著色 江戸時代 相国寺蔵(Ⅱ期)

金屏風に映る華やぎと人々の暮らし

金箔を背景に描かれた屏風は、展示の大きな魅力のひとつです。狩野常信筆《源氏物語図屏風》や《郭子儀兒孫遊歓嬉図屏風》などに見られるように、黄金の輝きとともに物語性豊かな題材を楽しむことができます。

また、屏風には農作業や遊楽、祝宴の様子など、風俗や暮らしを描いた作品も少なくありません。そうした屏風からは、日々の営みが生き生きと伝わり、当時の社会や人々の価値観を知ることができます。


源氏物語図屏風 狩野常信筆(右隻) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)


源氏物語図屏風 狩野常信筆(左隻) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)


郭子儀兒孫遊歓嬉図屏風(右隻) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)


郭子儀兒孫遊歓嬉図屏風(左隻) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)

相国寺を彩る荘厳な屏風の世界

相国寺は室町時代に足利義満が創建した格式高い寺院であり、寺院空間を荘厳するために屏風が活用されてきました。円山応挙筆《山中清遊図屏風》や呉春筆《竹図屏風》など、自然を主題とした作品は、寺院の空間に静けさや奥行きを与えています。屏風は単なる装飾品ではなく、宗教空間において精神性を高める役割を果たしてきたことが伝わってきます。


山中清遊図屏風 円山応挙筆(右隻) 六曲一双 紙本墨画淡彩 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)


山中清遊図屏風 円山応挙筆(左隻) 六曲一双 紙本墨画淡彩 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)


竹図屏風 呉春筆(右隻) 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵(Ⅱ期)


竹図屏風 呉春筆(左隻) 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵(Ⅱ期)

四季を映す自然の屏風

春の花々、夏の青々とした草木、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季の花鳥や山水が描かれた屏風は、四季の美しさと季節の変化を描き出しています。

特に伊藤若冲筆《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》(II期展示)は、鮮やかな色彩とユーモアを感じさせる構図で、若冲の独自の世界観を堪能できる貴重な機会です。


群鶏蔬菜図押絵貼屏風 伊藤若冲筆(右隻) 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵(Ⅱ期)


群鶏蔬菜図押絵貼屏風 伊藤若冲筆(左隻) 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵(Ⅱ期)

相国寺ゆかりの小襖を特別公開

今回の展覧会では、相国寺の関連寺院に伝わる小襖も初公開されます。慈照院の小襖(東山天皇からの拝領)や、住吉如慶による鹿苑寺の小襖など、ふだんは目にすることのできない作品が特別に展示されるのは注目のポイントです。


会期中には、学芸員によるギャラリートークや関連講座も開催されます。作品の背景や画家の意図を知ることで、屏風の魅力をより深く理解することができます。展示を鑑賞するだけでなく、専門家の解説に耳を傾けながら学びを深める体験は、この展覧会ならではの楽しみです。この機会に屏風の美と歴史にじっくり触れてみてはいかがでしょうか。


渓亭春興・秋山行楽図屏風 池大雅筆(右隻) 六曲一双 紙本淡彩 江戸時代 慈照寺蔵(Ⅰ期)


渓亭春興・秋山行楽図屏風 池大雅筆(左隻) 六曲一双 紙本淡彩 江戸時代 慈照寺蔵(Ⅰ期)

展覧会名

屏風 黄金の調度

会期

Ⅰ期:2025年10月19日(日)~12月21日(日)、Ⅱ期:2026年1月11日(日)~3月8日(日)

館名

相国寺承天閣美術館

開館時間

10:00〜17:00(入館は16:30まで)

住所

京都市上京区今出川通烏丸東入

アクセス

地下鉄「今出川駅」下車徒歩8分、市バス「同志社前」下車徒歩6分

休館日

2025年12月22日(月)〜2026年1月10日(土)

電話番号

075-241-0423

入場料

一般1,000円/大学・高校生800円/中学生500円/小学生無料(要保護者同伴)

公式サイト

https://www.shokoku-ji.jp/museum/
search

ページ最上部へ戻る