【福田美術館】「あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」昭和日本画100点でたどる企画展
【福田美術館】「あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」昭和日本画100点でたどる企画展

【福田美術館】「あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」昭和日本画100点でたどる企画展

京都・嵯峨嵐山にある福田美術館は、日本画を中心とした企画展を通して、時代と美術の関係を丁寧に紹介してきた美術館です。

今回開催される企画展「あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」は、昭和100年を記念し、昭和という時代に描かれた日本画の名作100点をまとめて紹介する内容です。

昭和元年から昭和64年まで、約60年以上にわたる社会の変化は、美術の世界にも大きな影響を与えました。本展では、戦前、戦中、戦後という時代の移り変わりとともに、日本画の表現がどのように変化していったのかを、作品を通して確認できます。

福田美術館とは

福田美術館は2019年10月に開館した私設美術館で、嵯峨嵐山の自然と調和する設計が特徴です。日本画を中心に、江戸時代から近現代まで幅広い作品を収蔵しており、年間を通して複数回の企画展が行われています。

展示室は庭園と連続性を持たせた構成となっており、自然光を取り入れながら作品を鑑賞できる点も特徴の一つです。常設展示に加え、時代や作家、テーマを明確にした企画展が組まれ、日本画に詳しくない方でも内容を理解しやすい展示構成が意識されています。

空間と展示構成から伝わる美術館の魅力

福田美術館の展示室は、作品一点一点に目を向けやすい構成になっています。展示ケースや照明は日本画の色彩や筆致を確認しやすく設計されており、細部まで鑑賞したい方にも向いています。

また、企画展ごとに学芸員による解説が加えられ、制作された背景や時代との関わりが整理されています。今回の企画展でも、昭和という時代を軸に、日本画がどのような役割を果たしてきたのかが分かる構成となっています。

昭和日本画を代表する作家と作品に注目

本展では、竹内栖鳳、東山魁夷、加山又造をはじめ、昭和を代表する日本画家たちの作品が展示されます。展示作品は約100点で、そのうち初公開となる作品も含まれています。

前半では、戦前から戦中にかけて制作された作品を通し、当時の社会状況が絵画表現にどのように反映されていたのかを紹介します。続く戦後の展示では、日本画の在り方そのものが問われる中で、新たな表現を模索した画家たちの作品が並びます。

さらに、嵐山とゆかりのある画家にも焦点が当てられ、地域と美術の関係についても考えられる構成です。時代ごとに作品を見比べることで、色使いや構図、題材の変化を自然に理解できます。

竹内栖鳳《富嶽》(部分)昭和2年 福田美術館蔵 前期展示
 
冨田渓仙《嵐峡晴朗図》(部分)昭和時代 福田美術館蔵 後期展示
 
小杉放菴《山童嬉遊図》(部分)昭和4年 福田美術館蔵 前期展示
 
橋本関雪《俊翼》(部分)昭和16年 福田美術館蔵 前期展示

鑑賞後に立ち寄りたい館内施設

館内にはミュージアムショップがあり、展覧会図録やオリジナルグッズを取り扱っています。展示内容を振り返りながら選べる点も魅力です。

また、併設のカフェでは、庭園を望む席で飲み物や軽食を楽しめます。展示を見終えたあとに、作品について話しながら過ごす場所として利用しやすい施設です。

昭和日本画を知るきっかけとして

本展は、昭和という時代を日本画の視点から整理し直す機会となる展覧会です。教科書や写真では分かりにくい時代の空気を、画家たちの表現から感じ取ることができます。

福田美術館ならではの展示構成の中で、日本画の変化と広がりを確認できる内容となっているため、日本美術に興味を持ち始めた方にも向いています。嵯峨嵐山を訪れる際に、立ち寄り先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

展覧会名

あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~

会期

2026年1月31日(土)〜4月12日(日)

館名

福田美術館

開館時間

10:00-17:00(入館は16:30まで)

住所

京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16

アクセス

嵐電(京福電鉄)「嵐山駅」下車徒歩4分、JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」下車徒歩12分

休館日

2月17日(火)、3月3日(火)、3月17日(火)

電話番号

075-863-0606

入場料

一般・大学生1,500円/高校生900円/小中学生500円/障がい者と介添人1名まで各900円

公式サイト

https://fukuda-art-museum.jp/exhibition/202507304304
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