京丹後市で出会う二つの雛祭り〜豪商稲葉本家 雛祭りと小町公園 ひな人形飾り〜
小町公園

京丹後市で出会う二つの雛祭り〜豪商稲葉本家 雛祭りと小町公園 ひな人形飾り〜

京丹後市では、毎年春を前に二つの雛祭りが行われています。一つは、江戸時代の豪商が守り伝えてきた雛人形を展示する「豪商 稲葉本家 雛祭り」。もう一つは、役目を終えた雛人形を預かり、供養を経て次へつなぐ「小町公園 ひな人形飾り」です。

同じ雛人形をテーマにしながら、背景や成り立ちは大きく異なります。歴史と格式を今に伝える会場と、人形の記憶を受け継ぐ会場。二つの雛祭りを巡ることで、京丹後市ならではの、ゆったりとした時間の流れを感じることができます。


 

 

地域に親しまれる、二会場それぞれの雛人形

昨年の来場者数は、豪商 稲葉本家が約6,000人、小町公園ひな人形飾りが約700人。規模には差がありますが、いずれも地域に根差した行事として親しまれています。

今年は、稲葉本家に伝わる江戸中期制作の「御殿雛」と、小町公園に残る約130年前の雛人形が、それぞれの会場で紹介されています。

歴史が受け継がれる、豪商 稲葉本家の雛祭り

豪商 稲葉本家は、江戸時代に代官所掛屋として公金を預かり、丹後地方でも有数の商家として知られていました。館内で展示される御殿雛は、江戸中期に京都で制作されたものです。幅約1.7メートル、奥行約55センチの御殿を中心に、築地塀や門まで再現されており、人形や道具類も揃っています。展示期間中は、館内全体が華やいだ雰囲気になります。

 

22年続く「竹雛」の取り組み

もう一つの見どころが、久美浜一区の女性たちによる手作りの竹雛で、現在は約100体が展示・販売されています。今年は、表面に焼きを入れた黒竹雛や、下段に竹明かりを施した竹明かり雛が登場しています。昨年の大雪の中で試みられた竹明かりの演出が好評だったことを受け、今年は本格的な展示につながっています。


 
また、竹雛の取り組みとあわせて、「竹明かり体験」も期間限定で行われています。ドリルを使って竹に穴を開け、光の表情をつくる体験で、3月31日(火)まで開催されています。予約制で、一度に参加できるのは2名までとなっており、世界に一つだけの竹明かり作りができるおすすめの体験です。
 

竹明かり体験

  • 開催期間 2026年3月31日(火)まで
  • 時間 9:00-15:00
  • 会場 豪商稲葉本家特設会場
  • 予約 予約制(2名以上3名まで・前日までに電話にて予約)
  • 費用 2,000円/1基
 
展示品だけでなく、江戸時代に迎賓館として建てられた歴史建築そのものも見学できます。離れ「吟松舎」内の喫茶・お食事処「吟松亭」では、庭園を眺めながら、職人が手作りする名物のぼた餅を楽しめます。

こうした雛祭りの取り組みは、地域の人々がふるさとを大切に思う気持ちを育み、「住んでよかった」「行ってよかった」と感じられる地域づくりにつながっています。
久美浜雛祭りは、観光イベントであると同時に、日々の暮らしや受け継がれてきた文化を見つめ直す機会としても親しまれています。

豪商稲葉本家 雛祭り
開催期間 2026年1月4日(日)〜4月3日(金)
時間 9:00-16:00
会場 豪商稲葉本家
休館日 水曜日※2月11日開館、2月12日休館
住所 京丹後市久美浜町3102
アクセス 京都丹後鉄道「久美浜駅」から徒歩10分
電話番号 0772-82-2356
公式サイト https://www.inabahonke.com/

供養から始まる、小町公園 ひな人形飾り

小町公園のひな人形飾りは、各家庭で役目を終えた雛人形を預かり、約1か月展示した後に供養を行う取り組みです。今年は明治時代の雛人形3セットを含む、約130年前の人形を見ることができます。

雛人形が「第二の家庭へ嫁いでいく」という考え方は、この行事ならではの特徴です。入場無料で予約も不要なため、気軽に立ち寄れる点も魅力です。



小町公園 ひな人形飾り
開催期間 2026年2月1日(日)〜3月1日(日)
時間 9:30-15:30
会場 小町公園「小町の舎」
休館日 水曜日
住所 京丹後市大宮町五十河302
アクセス 京都丹後鉄道「京丹後大宮駅」下車
丹海バス 五十河方面行き「五十河」から徒歩5分
電話番号 0772-64-5533
公式サイト https://www.kyotango.gr.jp/events/event/51401/

雛祭りとともに巡りたい、周辺スポット

稲葉本家の周辺には、関西花の寺二十五ヶ所霊場第七番札所の宝珠山 如意寺があります。一年を通して花木や山野草が見られる寺院です。

時間に余裕があれば、安藤忠雄氏設計の「森の中の家 安野光雅館」や、ツリーハウスで知られる「風蘭の館」にも足を延ばせます。

小町公園の会場「小町の舎」は、かつて映画関係者のメイクや着付けに使われた歴史を持っています。

二つの雛祭りから見える、京丹後の時間

京丹後市の二つの雛祭りは、同じ雛人形を通して異なる物語を伝えています。豪商の歴史を今に残す展示と、供養を通じて次へつなぐ展示。どちらも、地域の時間を丁寧に受け継いできた行事です。

両会場とも、写真や動画の撮影が可能。豪商 稲葉本家ではSNS投稿も歓迎されており、小町公園でも特に制限はありません。訪れた思い出や地域の魅力を幅広く届けることができます。

観光で訪れる人にも、地元の人にも、ぜひ足を運んでほしい春の催しです。
search

ページ最上部へ戻る