哲学の道の見どころ 京都の紅葉でおすすめの名所をご紹介
目次
偉大な哲学者が思索した「哲学の道」
哲学の道は、永観堂付近の若王子橋から銀閣寺までの約1.5kmにわたる遊歩道です。琵琶湖疏水の分流に沿って桜並木が続き、四季折々の美しい風景が楽しめます。この道は、もともと琵琶湖疏水の管理用道路「疏水端(そすいばた)」として親しまれていましたが、地元に住む文学者や哲学者たちが散策するようになり、次第に「哲学の道」と呼ばれるようになりました。
特に有名なのが、大正時代の日本を代表する哲学者、西田幾多郎がこの道を思索しながら散歩していたことです。彼の思想や探求が、この美しい自然の中で育まれたとされています。現在法然院の近くには西田幾多郎の歌「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」と刻まれた石碑が建てられています。
哲学の道の見どころ
哲学の道は遊歩道のため、周辺の神社仏閣やグルメを巡りながら、景色を楽しむことができます。先述の通り日本を代表する哲学者たちが散策した道を、彼らがどのように考え、この道を歩いたか思い巡らすのも良いかもしれません。
熊野若王子神社(くまのじゃくおうじじんじゃ)は、かつて歴代の足利将軍に篤く信仰され、この地に花見の宴を開いていたと伝えられている神社です。神社の奥には千手の滝(せんじゅのたき)と呼ばれる美しい滝があります。熊野三山の「那智の滝」を模したものと言われており、修験者はこの地で身を清めたと言われています。すべての苦難を薙ぎ払うと言われる「梛(なぎ)御守」も買うことができます。
ほかにも、秋の美しい紅葉と7月のかぼちゃ供養が有名な安楽寺もあります。安楽寺ではかつて法然の2人の弟子(住蓮上人と安楽上人)が開いた念仏道場で、浄土宗の念仏の教えを知った後鳥羽上皇の女御鈴虫姫と松虫姫が、上皇が留守の間にこの地にて無断で出家してしまったため、念仏が禁止となったとともに、住蓮上人と安楽上人は斬首されてしまったという悲劇がありました。現在でも両僧の菩提を弔うための供養会が毎年6月8日に行われています。
両サイドには紅葉が立ち並ぶ石段があり、秋には散った紅葉が真っ赤な絨毯となって訪れる人を出迎えます。まだ有名な紅葉スポットでもない寺院のため、混雑しない場所で紅葉を楽しみたい人には是非行って欲しいお寺です。
哲学の道近辺の氏神である大豊神社は、狛ねずみをはじめ、狛巳、狛猿、狛鳶、狛狐などが鎮座している珍しい神社です。椿の名所として知られ、樹齢250年のしだれ紅梅としだれ桜があり、春には美しい姿を見せてくれます。
大豊神社参道に位置するちりめん山椒樂珍が販売するのは、実山椒の香りが口いっぱいに広がる、あっさりとして食べやすいちりめん山椒。京都の人は御飯のおともとしてちりめん山椒を好んで食します。お土産として購入するのも良いかもしれません。
紅葉の名所としての哲学の道
哲学の道では、秋になるとカエデやサクラが真っ赤に色づき、頭上を鮮やかに彩る紅葉が楽しめます。紅葉の見頃は例年11月中旬から下旬にかけてですが、2024年は12月初旬まで美しい散り紅葉を楽しめる絶好の年になると予想されています。琵琶湖疏水沿いに植えられた木々が水面に映る様子も風情があり、静かで落ち着いた雰囲気が漂います。哲学者・西田幾多郎が思索にふけったこの道を、紅葉を眺めながらゆっくり散策するのは、京都の秋を堪能する贅沢なひとときでしょう。
哲学の道
名称 |
哲学の道 |
住所 |
京都府京都市左京区鹿ケ谷法然院西町 |
アクセス |
市バス 銀閣寺道 下車、徒歩約5分 |
HP |
https://tetsugakunomichi.jp/ |