【岡崎】細見美術館で特別展「良寛さん-その人と禅-」開催|46年ぶりの《天上大風》も
京都・岡崎の細見美術館で、2026年9月12日(土)~11月8日(日)、特別展「良寛さん-その人と禅-」が開催されます。
本展では、越後(現在の新潟県)で清貧を貫いた禅僧・良寛の書や詩歌など約100点を展示。なかでも、長らく公開されていなかった《凧文字 天上大風》や《長歌 月の兎》は、ぜひ注目したい作品です。
今回は、本展の監修を務める全国良寛会会長の小島正芳さんに、良寛の人物像や作品の見どころについてお話を伺いました。
一方で、托鉢の帰りに子どもたちと手まりや隠れんぼ、草相撲をして遊ぶなど、親しみやすい一面も。
「子どもたちと一緒に歌いながら手まりをして遊んでいたようです。手まりを買えない子どものために、自分の袖の中に手まりを忍ばせていたというエピソードもあります。」と小島さん。
本展では、そんな良寛の姿を描いた《自画賛 袖裏繡毬直千金》も展示されます。
「優しいお坊さん」というイメージの背景には、子どもや人々に寄り添い、幸せを願う良寛の慈悲の心がありました。

《自画賛 袖裏繡毬直千金》 個人蔵
《天上大風》は子どもに頼まれて書いたとされる良寛の代表作で、46年ぶりの公開となります。長らく公開されなかった背景には、所蔵者がこの作品を大切に守ってきたことがあるといいます。
今回の取材で小島さんは、当時の展示の様子をこう振り返りました。
「46年前に東京で展示されたときは、すでに会場には多くの作品が並んでいたのですが、最後にこの作品が届いたんです。」
そして、会場に掛けられた瞬間の印象について、次のように語ります。
「壁に掛けられた瞬間、《天上大風》の作品のあまりの気迫に、白洲正子さんも述べているようにほかの作品が吹き飛んでしまったように感じるほどでした。」
無心に書かれた文字からは、強い精神力と純粋な心が伝わってきます。実はこの《天上大風》はスタジオジブリ作品『風立ちぬ』にも登場しており、作品を知っている方もぜひ実物の迫力を感じてみていただきたいと思っています。

《凧文字 天上大風》 個人蔵
一方、《長歌 月の兎》も63年ぶりの公開となる貴重な作品です。題材は、飢えた老人を救うために自ら火の中に飛び込んだウサギの伝説「ジャータカ物語」で、良寛はこの物語に深く感動し涙を流したと伝えられています。
小島さんは、この作品に込められた思いについてこう話します。
「自らを犠牲にして人を救おうとするウサギの姿には、良寛の『慈悲』の精神がよく表れています。」
子どもたちと無邪気に遊ぶ姿だけでなく、人を思いやり救おうとする良寛の内面にも触れられる作品です。

《長歌 月の兎 折帖 いまのおつゝも》(部分) 個人蔵
「まずは“読もう”としなくていいんです。最初は絵を見るように感じてみてください。それだけで良寛の“自由な心”が伝わってきます。そして、書かれている内容と合わせて鑑賞してみるのが良いと思います。」
――書だけじゃなくて、生き方も特徴的ですね。
「山の草庵で、自然の中の小さな暮らしを大切にしていました。」
――すごくシンプルな生活ですね。
「今の時代にこそ響く生き方だと思います。」
また、細見美術館がコレクションする伊藤若冲と良寛はほぼ同時代を生きた人物。二人とも仏教や禅の精神を背景に、「生きとし生けるものの命の輝き」を大切にしたという共通点があります。
若冲が絵で、良寛が書や歌で表現した世界。
そんなつながりも感じながら、細見美術館で良寛の作品をじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。
「良寛さん-その人と禅-」では、作品を通して、そんな良寛の「人柄」まで感じることができます。
書を読むことに難しさを感じる方も、まずは一枚をじっくり眺めて、そこから伝わる線や空気を感じてみてください。
本展では、越後(現在の新潟県)で清貧を貫いた禅僧・良寛の書や詩歌など約100点を展示。なかでも、長らく公開されていなかった《凧文字 天上大風》や《長歌 月の兎》は、ぜひ注目したい作品です。
今回は、本展の監修を務める全国良寛会会長の小島正芳さんに、良寛の人物像や作品の見どころについてお話を伺いました。
子どもと遊び、人々に寄り添った「良寛さん」
良寛は、越後・出雲崎の名主の長男として生まれながら出家し、寺の住職になる道を選ばず、山中の草庵「五合庵」で質素な暮らしを送りました。一方で、托鉢の帰りに子どもたちと手まりや隠れんぼ、草相撲をして遊ぶなど、親しみやすい一面も。
「子どもたちと一緒に歌いながら手まりをして遊んでいたようです。手まりを買えない子どものために、自分の袖の中に手まりを忍ばせていたというエピソードもあります。」と小島さん。
本展では、そんな良寛の姿を描いた《自画賛 袖裏繡毬直千金》も展示されます。
「優しいお坊さん」というイメージの背景には、子どもや人々に寄り添い、幸せを願う良寛の慈悲の心がありました。

《自画賛 袖裏繡毬直千金》 個人蔵
46年ぶりの公開!良寛の代表作《天上大風》と63年ぶりに公開される《月の兎》
本展で大きな注目を集めるのが、《凧文字 天上大風》と《長歌 月の兎》です。《天上大風》は子どもに頼まれて書いたとされる良寛の代表作で、46年ぶりの公開となります。長らく公開されなかった背景には、所蔵者がこの作品を大切に守ってきたことがあるといいます。
今回の取材で小島さんは、当時の展示の様子をこう振り返りました。
「46年前に東京で展示されたときは、すでに会場には多くの作品が並んでいたのですが、最後にこの作品が届いたんです。」
そして、会場に掛けられた瞬間の印象について、次のように語ります。
「壁に掛けられた瞬間、《天上大風》の作品のあまりの気迫に、白洲正子さんも述べているようにほかの作品が吹き飛んでしまったように感じるほどでした。」
無心に書かれた文字からは、強い精神力と純粋な心が伝わってきます。実はこの《天上大風》はスタジオジブリ作品『風立ちぬ』にも登場しており、作品を知っている方もぜひ実物の迫力を感じてみていただきたいと思っています。

《凧文字 天上大風》 個人蔵
一方、《長歌 月の兎》も63年ぶりの公開となる貴重な作品です。題材は、飢えた老人を救うために自ら火の中に飛び込んだウサギの伝説「ジャータカ物語」で、良寛はこの物語に深く感動し涙を流したと伝えられています。
小島さんは、この作品に込められた思いについてこう話します。
「自らを犠牲にして人を救おうとするウサギの姿には、良寛の『慈悲』の精神がよく表れています。」
子どもたちと無邪気に遊ぶ姿だけでなく、人を思いやり救おうとする良寛の内面にも触れられる作品です。

《長歌 月の兎 折帖 いまのおつゝも》(部分) 個人蔵
良寛の書はまず「読む」のではなく、感じてみる
――良寛の書って、難しく感じる人も多いですよね。「まずは“読もう”としなくていいんです。最初は絵を見るように感じてみてください。それだけで良寛の“自由な心”が伝わってきます。そして、書かれている内容と合わせて鑑賞してみるのが良いと思います。」
――書だけじゃなくて、生き方も特徴的ですね。
「山の草庵で、自然の中の小さな暮らしを大切にしていました。」
――すごくシンプルな生活ですね。
「今の時代にこそ響く生き方だと思います。」
なぜ京都で良寛展?細見美術館と良寛のつながり
越後ゆかりの良寛ですが、実は京都には良寛を敬愛する文化人や哲学者が多く、これまでも良寛に関する展覧会が開催されてきました。また、細見美術館がコレクションする伊藤若冲と良寛はほぼ同時代を生きた人物。二人とも仏教や禅の精神を背景に、「生きとし生けるものの命の輝き」を大切にしたという共通点があります。
若冲が絵で、良寛が書や歌で表現した世界。
そんなつながりも感じながら、細見美術館で良寛の作品をじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。
良寛の「その人」に触れる秋
子どもたちと遊ぶ優しさ、人々の幸せを願う慈悲の心、そして何ものにもとらわれず自由に生きた精神。「良寛さん-その人と禅-」では、作品を通して、そんな良寛の「人柄」まで感じることができます。
書を読むことに難しさを感じる方も、まずは一枚をじっくり眺めて、そこから伝わる線や空気を感じてみてください。
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展覧会名 |
特別展「良寛さんーその人と禅ー」 |
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会期 |
2026年9月12日(土)〜11月8日(日) |
館名 |
細見美術館 |
開館時間 |
10:00-17:00 |
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住所 |
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 |
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アクセス |
地下鉄東西線「東山駅」下車徒歩10分、市バス「東山二条・岡崎公園口」下車徒歩3分 |
休館日 |
月曜日、9月24日(木)、10月13日(火) |
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電話番号 |
075-752-5555 |
入場料 |
一般 2,000円/学生 1,500円 |
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公式サイト |
https://www.emuseum.or.jp/ |






