醍醐寺の見どころ 豊臣秀吉が愛した名所で楽しむ紅葉と名庭園
醍醐寺(だいごじ)は京都市伏見区に位置する由緒あるお寺で、奈良時代に創建されました。真言宗醍醐派の総本山で、山岳修行の本拠地としても知られており、僧たちは山に籠もって修行を行っていました。874年に開山した聖宝(しょうぼう)が、醍醐山に庵を結び、観音様を安置したことが寺の始まりとされています。
醍醐山には「醍醐の霊水」という名水が流れており、聖宝がこの水を「醍醐味」と称賛したことが地名「醍醐」の由来と言われています。
907年に醍醐天皇の勅願寺となり薬師如来像が安置され、山麓に壮大な伽藍が造営されました。五重塔は平安時代から現存する唯一の建物で、その他多くの重要文化財を収蔵しています。戦乱によって多くの建物が失われましたが、後に豊臣秀吉とその息子秀頼の援助によって復興されました。
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醍醐寺の見どころ
金堂内部に安置されている金堂本尊薬師三尊像は、鎌倉初期の作品。平安初期の意匠を模した復古調の名作とされています。また毎日午後1時に護摩焚きが行われる報恩院には、商売繁盛・厄除けのご利益がある不動明王が安置されています。
さらに歴史的な資料を見たい方には霊宝館がおすすめです。ここには約10万点以上の史料が収蔵されており、春と秋には特別展も開催されています。三宝院表書院では、美しい障壁画が飾られており、国の重要文化財に指定されています。また、三宝院の庭園は回遊式のデザインで、建物の中からも美しい庭園を眺めることができます。
庭の中心に位置するのは、天下の名石「藤戸石」。かつての源平合戦で武士佐々木盛綱が戦で重要な情報を教えてくれた漁夫を口封じのためこの石の上で殺したと言われています。その後は室町時代後期に実権を握った細川邸に運ばれ、信長が奪取。引き継いだ秀吉によって聚楽第から醍醐寺に運ばれました。庭園内では阿弥陀三尊として安置されています。ほかにも、快慶作の弥勒菩薩像が安置される本堂や太閤桐と十二弁の菊を付ける唐門なども有名です。弁天堂は、数多くの紅葉やイチョウが植栽され、美しい紅葉の庭園として知られます。青もみじの季節である5月も美しい姿を現します。
紅葉の名所としての醍醐寺
醍醐寺の秋は、紅葉が境内全体を鮮やかに彩る特別な季節です。参道を進むと、モミジのトンネルが広がり、豊臣秀吉が設計した三宝院庭園では紅葉と美しく調和した風景が広がります。秀吉は「醍醐の花見」に続いてこの紅葉の景色を楽しみにしていましたが、その年の夏に62歳の生涯を終え、醍醐寺の紅葉の景色を見ることは叶いませんでした。秀吉が後世の人々に残した形見でもある紅葉狩りは今も訪れる人々を魅了しており、観音堂周辺の「林泉」も紅葉の絶景スポットとして知られています。
醍醐寺
名称 |
醍醐寺 |
住所 |
京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 |
拝観時間 |
夏期(3月1日〜12月第1日曜日):9:00〜17:00 冬期(12月第1日曜日の翌日〜2月末日):9:00〜16:30 *閉門時間30分前で受付終了 *春期は拝観時間変更あり |
拝観料金 |
▼共通券 ▼拝観券(三宝院・伽藍のどちらか一カ所) ▼三宝院御殿特別拝観 ▼霊宝館本館・平成館特別展示【通常期】 |
アクセス |
京都市営地下鉄東西線 醍醐駅より徒歩10分 バス停「醍醐寺前」下車、徒歩1分 |
HP |
https://www.daigoji.or.jp |