伏見稲荷大社の見どころガイド!周辺スポットも合わせてご紹介
朱色の鳥居が印象的な伏見稲荷大社は、京都のなかでもとくに人気の高い観光スポットです。全国屈指の初詣者数を誇る神社としても知られており、地元の人はもちろん、他県や海外からも多くの人が訪れています。創建は1300年以上前と歴史もあり、興味深い伝説や魅力に溢れた文化財を持つ神社です。
本記事では、伏見稲荷大社でとくにおすすめの見どころを解説します。周辺で合わせて楽しめるスポットもご紹介しますので、京都観光の際にはぜひ参考にしてください。
目次
伏見稲荷大社とは?
伏見稲荷大社は全国に3万社以上あるといわれる稲荷神社、いわゆる「お稲荷さん」の総本宮です。起源は奈良時代にさかのぼり、京都で勢力のあった秦氏が創建に関わったという伝説が残っています。
本殿に祀られているのは稲荷大神を神名化した5柱の神様で、代表的なご利益は五穀豊穣と商売繁盛です。昔から多くの人が参拝に訪れる神社でしたが、とくに江戸時代以降は商人を中心として信仰が広まりました。現在も迫力のある社殿建築や、境内のあちこちにいる狛狐が独特の雰囲気を醸し出す観光地として、また諸願成就のパワースポットとしてたくさんの参拝者に親しまれる神社です。
豊臣秀吉が寄進した楼門
伏見稲荷大社に訪れてまず目にするのが、重要文化財にも指定されている楼門です。楼門とは1階部分に屋根のない二階建ての門のことで、神社仏閣の建築に見られます。
伏見稲荷大社の楼門は朱色が鮮やかで、規模も最大級という大きさ。この立派な門を寄進したのは、天下統一を果たした戦国武将の豊臣秀吉でした。当時は応仁の乱により境内のほとんどを焼失した状態でしたが、秀吉が実母である大政所の病気平癒を祈願したところ快復し、そのお礼として楼門が建てられたのだそうです。
また、楼門の前に鎮座する二匹の狛狐も風格があります。それぞれ稲荷大神のご神徳を表す宝珠と、ご神徳を得るための願望を象徴する鍵をくわえていますので注目してみてください。
豪華な稲荷造の本殿
本殿も楼門と同様、国の重要文化財に指定されています。応仁の乱後の明応8(1499)年に再建された大型の社殿建築で、稲荷造と呼ばれる長い屋根と、軒下の豪華な彫刻が特徴的です。
本殿に元々祀られていたのは、主祭神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)をはじめ、佐田彦大神(さたひこのおおかみ)の大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)の三神でした。そこに摂社の田中大神(たなかのおおかみ)と四大神(しのおおかみ)が加えられ、現在は1社に5柱の神様が奉祀されています。こうした社殿を一宇相殿(いちうそうでん)といい、とても珍しいそうです。
本殿にはぴたりと寄り添うように内拝殿が建ち、またその手前には外拝殿が建っています。参拝はいずれかの拝殿からとなります。
神秘的な千本鳥居
伏見稲荷大社といえば千本鳥居を思い浮かべる方も多いでしょう。朱色の鳥居がトンネルのように並ぶ姿は、とても神秘的な光景です。
千本鳥居の始まりは、商人の間で信仰が広まった江戸時代のこと。願いが「通じる」ことと鳥居を「通る」ことをかけて、祈願や感謝のしるしとして鳥居を奉納するようになったそうです。千本鳥居を見ると、実際にいくつあるのか数えてみたくなるかもしれません。本殿の奥から稲荷山へと続く鳥居をすべて合わせると、約1万基もあるそうです。また鳥居の朱色は稲荷大神の豊穣の力を表しているとのことなので、ぜひ大きなパワーを感じながら鳥居の下を歩いてみましょう。
願いが叶う?おもかる石
おもかる石は、稲荷山の神様をお参りする「奥社奉拝所」の右奥にあります。千本鳥居に次ぐ人気スポットで、観光シーズンには行列ができることも。奥社奉拝所を参拝した後に、願いを込めて石灯篭の上にある石を持ち上げてみてください。石が重いと感じるか軽いと感じるかで、願いの叶いやすさがわかるそうです。
本殿からおもかる石までは所要時間30分ほどです。その先には稲荷山を歩くルートもありますが、時間のない方は楼門→本殿→千本鳥居→奥社奉拝所→おもかる石までが、伏見稲荷大社を周る最短のモデルコースとしておすすめですよ。
絶景も楽しめるお山めぐり
時間のある方は、稲荷山を参拝するお山めぐりにチャレンジしてみましょう。稲荷山は3つの峰が連なる霊峰で、元々はそれぞれの峰を神様として祀ったのが伏見稲荷大社の起こりでした。お山めぐりは昔からとても神聖なこととされ、かの清少納言も稲荷山を詣でたことを書き残しています。
お山めぐりの入り口は、奥社奉拝所の左手にあります。パワースポットとして人気の高い様々なお社に参拝できるほか、「四ツ辻」と呼ばれる地点で見渡せる景色も絶景です。一周すると約4キロのコースで所要時間は2時間ほどのため、動きやすい服装や水分補給の準備をして周ってくださいね。
おすすめの絵馬
伏見稲荷大社には、個性的で人気の絵馬が2種類あります。それぞれ紹介しますので、叶えたいお願いごとのある方はぜひ絵馬に願掛けをしてください。
①願掛け鳥居
一つ目は、伏見稲荷大社を象徴する鳥居の形をした「願掛け鳥居」と呼ばれる絵馬です。本物の鳥居を奉納するのはハードルが高いですが、絵馬なら気軽ではないでしょうか。願いごと・名前・住所を鳥居に書いて玉垣にかけるほか、記念に持ち帰ることもできるそうです。
②白狐絵馬
もう一つのユニークな絵馬、「白狐絵馬」は奥社奉拝所にあります。狐は稲荷神のお使いですが、いわゆる動物のキツネではなく目に見えない神聖な存在とされています。そのため透明を表す「白」が付いて白狐なのだそう。白狐絵馬には自由に絵を付け足せる楽しみもあり、境内には参拝者が思い思いに描いた白狐の顔が並んでいますよ。
近隣のスポット
伏見稲荷大社の近隣にある観光スポットと、カフェタイムやランチにおすすめのお店をご紹介します。参拝後に訪れる場所の参考にしてください。
東福寺
東福寺は、京都五山の第四位とされている禅寺です。通天橋から見下ろす紅葉が有名で、秋にはたくさんの人が訪れます。また国宝に指定されている壮大な三門や、重森三玲が手掛けた市松模様の庭園も人気です。最寄りは東福寺駅ですが、伏見稲荷大社から徒歩でも16分ほどなので、周辺を散策がてら歩くのもおすすめですよ。
稲荷茶寮
稲荷茶寮は、伏見稲荷大社の境内にある休憩所・啼鳥菴(ていちょうあん)の中にあるカフェです。老舗の椿堂茶舗がプロデュースしているため、本格的な日本茶や抹茶スイーツを楽しめます。抹茶アイスに鳥居をかたどったお菓子が乗っている可愛い「稲荷パフェ」が人気メニュー。数寄屋造の洗練された店内にはテラス席もあり、稲荷山周辺の自然豊かな風景を眺められます。
伏見稲荷参道商店街
伏見稲荷参道商店街は、京阪電車伏見稲荷駅から伏見稲荷大社へ向かう参道にあります。20以上の店舗が軒を連ね、行き帰りの参拝客で賑わうスポットです。京都らしいお土産が売られているほか、珍しいすずめの焼き鳥や名物のいなり寿司なども並んでいます。
祢ざめ家
伏見稲荷大社の門前にある祢ざめ家 (ねざめや)は、創業1500年以上の食事処です。店名の「祢ざめ家」は豊臣秀吉が付けたという歴史ある店で、昭和初期に建てられた店の外観も風情たっぷり。代々受け継がれている秘伝のタレで焼かれたうなぎや焼き鳥が名物で、店頭からは香ばしい香りが漂い、思わず立ち寄りたくなる店です。
伏見稲荷参道茶屋
伏見稲荷参道商店街の中ほどにある「伏見稲荷参道茶屋」は、京都の和スイーツを楽しめる甘味処です。人気メニューは米麹から作られる甘酒に、焼き餅を浮かべた「稲荷あまざけ」。餅が白い鳥となって稲荷山の峰に降り立ち、稲が生えたという伏見稲荷大社の神話にちなんで作られたのだそう。オープンテラスもある開放的な雰囲気で、気軽に入れるのも魅力です。
cafe ゆるり
cafe ゆるりは、JR奈良線稲荷駅の裏にあるカフェです。伏見稲荷大社の参道から少し外れるため、隠れ家的な雰囲気が魅力です。長屋作りの民家を使用した店内では、庭園を眺めながら美味しいコーヒーを飲めるほか、カレーや軽食、ケーキもいただけます。時間によっては店主の飼い猫に会えることもあるのだとか。参拝を終えてゆったりランチやティータイムを楽しみたい方は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
伏見稲荷大社 情報
名称 |
伏見稲荷大社 |
住所 |
京都市伏見区深草薮之内町68番地 |
拝観時間 |
参拝時間:24時間参拝可能 ご祈祷の受付時間:8:30~16:00 |
拝観料金 |
無料 |
アクセス |
JR奈良線 稲荷駅よりすぐ |
HP |
https://inari.jp/ |