平野神社の見どころ 江戸時代から続く桜の名所
目次
歴史と起源
平野神社は北区平野宮本町にある神社です。一説には、平安遷都の時期に平城京からこの地に移されたとても古い神社であると言われています。創建当初は現在の京都御所とほぼ同じ広さを持つ広大な境内を誇っていましたが、時代の変遷とともに現在の規模へと縮小されています。
主祭神とご利益
平野神社の主祭神は今木皇大神であり、桓武天皇の母・高野新笠の祖神として祀られました。また、久度大神、古開大神、比売大神を合わせて四座の神々を祀っています。今木皇大神は源気新生、活力生成の神として崇敬され、久度大神は竈の神として家庭の安泰を守る神、古開大神は邪気を払い平安をもたらす神、比売大神は生産力の神として信仰されています。これらの神々は総合運や全体運、諸願成就などのご利益を授けるとして、多くの参拝者に崇められています。
平野神社の特徴的な建築
本殿は比翼春日造(平野造)という他に例のない形式でとても有名です。本殿は4棟から成り、それぞれが一体となる形式で建てられており、重要文化財に指定されています。現在の建物は寛永年間に再建されたもので、宮中神としての地位を反映しています。
また、拝殿は徳川秀忠の娘に当たる東福門院が寄進したもので、釘を用いない接木の工法で建てられたことから、接木の拝殿といわれています。
御神徳と宮中との繋がり
平野神社は、平安時代において宮中との深い関わりを持っていました。『延喜式』によると、天皇の食膳に使われる「平野御竈(ひらのみかまど)」があり、健康や吉祥を司る重要な役割を果たしていました。また、平野神社は「皇大御神」と称され、特別な存在として崇敬されてきました。この神社が宮中外に存在しながらも、宮中神としての地位を保っていたことは、その歴史と格式の高さを物語っています。
出典:京都フリー写真素材
桜の名所としての平野神社
平野神社には、境内に60種400本もの桜があると言われ、京都でも有数の桜の名所と呼ばれています。なかでも美しいと言われているのは「平野の夜桜」。なんと江戸時代からこの夜桜は愛されてきました。古くから庶民に愛されてきた桜の風景を楽しむことができます。
また、平野の桜にちなんだ有名なお祭りとして、平野神社桜祭があります。社伝によれば、桜祭は花山天皇が手植えした桜にちなんで、985年から桜祭が行われています。午前中に神事を行い、午後1時から神幸行列が行われます。触れ太鼓、赤鬼、青鬼、稚児、織姫、武者、朝廷の官吏、元禄時代の服装の者など250名もの行列が、平野神社から4キロほど練り歩きます。
嵐電桜のトンネル
平野神社に行くまでの経路に、あまり知られていない桜の名所があります。その名は「嵐電(らんでん) 桜のトンネル」。京都駅からは少し遠回りの道のりになってしまいますが、とても美しい、一見の価値がある花見スポットです。嵐電の正式名称は「京福電気鉄道嵐山線」といい、帷子ノ辻駅を中心点に、四条大宮・嵐山・北野白梅町をつなぎます。中心街・観光地・住宅地をつなぐ1両編成の電車は地元の人々に長く愛されてきました。
「桜のトンネル」は帷子ノ辻駅から北野白梅町駅をつなぐ北野線の鳴滝駅~宇多野駅間にあります。路線の両側に生い茂る桜はまさに「桜のトンネル」。通過する際にアナウンスがあるので見逃すことはまずないでしょう。平野神社の最寄りにあたる北野白梅町駅は、この北野線の終着駅にあたります。平野神社へ行く前に、レトロな電車に乗って桜に囲まれる特別な体験をしてみたい方にはオススメのスポットです。
平野神社 情報
名称 | 平野神社 |
住所 | 京都府京都市北区平野宮本町1 |
拝観時間 | 6:00〜17:00 *時期により変動あり |
拝観料金 |
通常拝観:無料 |
アクセス | 市バス 衣笠校前 下車、徒歩3分 |
HP | https://www.hiranojinja.com/ |