神護寺の見どころ 京都・高雄で巡る歴史と祈りの地
京都・高雄の「神護寺」は、空海や最澄が修行した地としても知られ、仏教文化の発展において重要な役割を果たしてきましたが、紅葉の名所として知られ、歴史深い建築と美しい紅葉が人気です。本記事では、そんな神護寺の見どころをご紹介します。
目次
神護寺の歴史
神護寺は、平安時代に創建された由緒あるお寺です。その起源は奈良時代末期、宝亀11年(780年)に和気清麻呂公が「和気氏寺」として建立したことにさかのぼります。その後、嵯峨天皇が勅願寺としたことで「神護国祐(じんごこくゆう)寺」と呼ばれるようになり、やがて「神護寺」と略されました。
平安時代初期には、最澄や空海といった日本仏教界の巨匠がこの地で修行を行い、神護寺は仏教の発展に大きく貢献しました。特に、空海は嵯峨天皇の庇護を受け、密教の根本道場としてこの寺を整備したため、神護寺は密教の重要な拠点として知られています。
鎌倉時代には、幕府の支援を受けて繁栄を極めましたが、応仁の乱(1467-1477)の戦火で多くの建物が焼失しました。その後、江戸時代に再建され、現在のような姿が整えられました。
神護寺は山寺のため、ふもとの清滝川にかかる高尾橋そばから始まる急登の参道を登っていきます。
高尾橋のそばの茶屋の屋根も苔されていて風情があります。
楼門までの途中にもお茶屋があるので、お参りの後にゆっくり風情を楽しめます。
神護寺の見どころ
楼門
参道を進むとまず出迎えてくれるのが「楼門」です。1623年に再建されたこの門は、両脇に四天王の像が安置され、どっしりとしたたたずまいが印象的です。この門をくぐると、一気に神護寺の静かな雰囲気に包まれます。
金堂
神護寺の中心となる建物が「金堂」です。本尊の薬師如来立像は国宝に指定されており、その力強い表情と存在感は圧巻です。この仏像は平安時代初期のもので、細部に至るまで職人の技術が感じられます。こちらも急登な階段を登った先にあります。
五大堂
境内の中でも重要な建物の一つで、密教の教えに基づく五大明王を祀っています。五大明王とは、不動明王を中心に、降三世明王、大威徳明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王の五尊を指し、それぞれが仏法を守護し、人々を導く役割を担っています。
五大堂は、元々「真言宗の修行道場」として重要な位置付けを持っていました。現在の建物は、再建を繰り返しながらも密教美術の粋を感じさせる空間として、多くの参拝者の目を引きます。
毘沙門堂
「毘沙門堂」には毘沙門天(びしゃもんてん)が祀られています。毘沙門天は仏教の四天王の一尊であり、北方を守護し、福徳や勝利をもたらす神として広く崇められています。この堂は、戦乱や困難な時代において、勝負運や厄除けを願う多くの人々が訪れたといわれており、特に武士や戦国大名からの信仰が厚く、戦いに勝利を祈るために訪れたという記録も残っています。
宝蔵
神護寺
名称 |
神護寺 |
住所 |
京都市右京区梅ケ畑高雄町5 |
拝観時間 |
9:00~16:00 |
拝観料金 |
一般 1,000円 小学生 500円 ※団体割引あり |
アクセス |
京都市バス8号系統およびJRバス「高雄・京北線」 高雄バス停より徒歩20分 |
HP |
http://www.jingoji.or.jp/ |