
京都国立博物館の見どころ 歴史と美術を巡る名品の世界
目次
京都国立博物館とは?
京都国立博物館は、京都駅からバスで10分ほどの距離にある東山七条の博物館です。貴重な名品を多数揃える、日本国内でもとても大きな博物館です。1897年(明治30年)に帝国京都博物館として開館して以来、京都の文化財の保存・収集・研究してきました。また一般人に対しても展示やワークショップなどをしており、博物館では京都や日本の歴史文化を学べます。
博物館の建築そのものも重要文化財に指定されている京都国立博物館。毎年企画される特別展や広大な庭園など、見どころはたくさんあります。
京都国立博物館の魅力の一つは、歴史的・美術的に貴重な文化財を数多く所蔵していることです。その数は、周辺の古社寺から寄託されたものも含めて、約15,000件以上。なかには俵屋宗達作の『風神雷神図屏風』や神護寺の『伝源頼朝像』、俵屋宗達が描いた絵に本阿弥光悦が書いた『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』など、学校の教科書で目にしたこともある名品も。京都国立博物館では、こうした貴重な名品をあつかった素敵な展示が毎年企画されているのです。
ちなみに、所蔵されている名品は、公式サイトの「館蔵品データベース」から検索できます。絵画、書跡、彫刻、陶磁など10のジャンルや時代別に調べれるので、ぜひ一度覗いてみてください。
重要文化財指定の明治古都館
表門(西門)から美しくそびえる赤レンガの建築は、本館に当たる明治古都館です。これは赤坂離宮や東京国立博物館を手がけたことで知られる明治期の建築家片山東熊によるもの。フレンチ・ルネサンス様式を取り入れたレンガ造りのこの建物は、明治の建築文化を伝えるものとして、重要文化財に指定されています。
残念ながら現在は免震工事のため館内に入場できませんが、明治古都館の美しい姿を目にするだけでも、一度訪れる価値があります。
展示が行われる平成知新館
平成知新館は、2014年に竣工された新しい建物です。特別展、常設展どちらも主にこの建物で開催されています。東京国立博物館や九州国立博物館と連携して、多くの人が訪れる特別展示会が開かれるほか、京都国立博物館の所蔵品を一定期間展示する「名品ギャラリー」も楽しめます。
特別展ではスポンサーによって大々的にプロモーションされた、なかなか目にする機会のない非常に貴重で有名な展示が行われます。開催期間中は観光客や修学旅行生で混雑するので注意しましょう。毎年企画されるものなので、公式サイトでどのような展示が予定されているかチェックしてみると良いかもしれません。
特別展も是非観覧をおすすめしたいのですが、特別展と比べて人気の少ない常設展の「名品ギャラリー」も大変魅力があるということを忘れてはいけません。「名品ギャラリー」の展示物は、歴史や美術の研究者からすれば、特別展のどの展示物にも全く引けをとらないほど貴重なものばかり。特別展より格安で入場でき、比較的混雑していないため、自分のペースでじっくり名品たちと向き合えます。「名品ギャラリー」は1か月から1か月半のペースで定期的に展示替えが行われるため、展示スケジュールに合わせて訪れれば、たくさんの名品を知ることができます。
美しい庭園
京都国立博物館の広々とした庭園は、「噴水エリア」「西の庭」「東の庭」の3つに分かれています。敷地内には野外展示もあるので、散歩しながら各エリアをゆっくり観覧するのがおすすめです。
噴水エリア
庭園エリアにある野外展示は、ほとんどが歴史的遺構によるものです。古くからあるお寺の石仏や、石橋の柱などが展示されています。なかにはかつての博物館の敷地内や周辺地域の遺構なども。京都の歴史を尊重する博物館の姿勢が伺えます。
『馬町十三重石塔』や『方広寺石垣』など歴史的な遺構がある噴水エリアで一番目を引くのが、A・ロダンの代表的な彫刻『考える人』です。これは世界中に数多くある『考える人』の像のなかでも早い時期に鋳造されたものであるといわれています。
噴水エリアの隣にある「西の庭」では、古い石仏や礎石が展示されています。これらの礎石や石橋の柱は貴重な遺構ですが見過ごされがちなので、ぜひじっくりとご覧ください。
明治古都館の裏にある「東の庭」には、西の庭同様に歴史的に貴重な石像が野外展示されています。
また奥にたたずむ茶室「堪庵」では内部を観覧することも可能です。
京都国立博物館ならではのイベントもオススメ
京都国立博物館で行われているのは、研究や展示ばかりではありません。博物館の研究員や大学教授から展覧会や展示品についての講座を直接受講できる「土曜講座」など、京都国立博物館ならではの特別イベントも開催されています。是非お楽しみください。
京都国立博物館 情報
名称 |
京都国立博物館 |
住所 |
京都府京都市東山区茶屋町527 |
開館時間 |
9:00~17:30(入館は17:00まで) *金曜日のみ 9:00~20:00(入館は19:30まで) |
観覧料 |
一般:1,800円 大学生:1,200円 高校生:700円 *時期により変動あり |
休館日 |
月曜日 *月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館 *その他不定休あり |
アクセス |
市バス 博物館三十三間堂前下車 徒歩すぐ 京阪電車 七条駅より徒歩7分 |
HP |
https://www.kyohaku.go.jp/jp/ |