
松屋常盤の「味噌松風」350年の時を超えて京都の老舗が贈る伝統菓子
京都の伝統と美意識がぎゅっと詰まったお土産
京都の歴史とともに受け継がれてきた「本物」の味や技。そのなかでも、特別な意味と格式を持つお菓子が「味噌松風(みそまつかぜ)」です。
創業350年以上を誇る老舗「松屋常盤」がつくるこの焼き菓子は、京都の伝統と美意識がぎゅっと詰まった逸品。贈る側にも、受け取る側にも深い余韻をもたらしてくれます。
御所御用達の証し、白い麻暖簾
松屋常盤は、承応年間(1652~1655年)に創業し、京都御所や大徳寺の御用を務めてきた老舗です。
店の正面には、御所御用の店にのみ許された「白い麻暖簾」が掲げられており、その存在自体がひとつの格式を物語っています。
格式ある歴史を持つ「味噌松風」
味噌松風 900円
能楽「松風」にちなんだ名と由来
お菓子の名前の由来は、能の演目「松風」にちなんでいるとされていますが、松屋常盤の「味噌松風」の起源は、大徳寺の江月和尚から伝授されたことに始まります。以降、代々受け継がれてきたこの和菓子は、明治天皇の成婚25周年祝典や昭和天皇の御所訪問時にも献上されたほど。
また、亀屋陸奥の松風、松屋藤兵衛の松風とともに「京都三大松風」のひとつに数えられ、伝統の味を守り続ける姿勢は、多くの人に支持されています。時代が変わっても、変わらぬ味を提供し続けることの大切さを感じさせてくれる和菓子です。
シンプルながら奥深い、伝統の製法
西京味噌(白味噌)、小麦粉、砂糖を主原料とし、表面に黒ごまをあしらって香ばしく焼き上げた和菓子です。卵やバターを一切使用しないため、しっとりとした質感でありながら、口に含むとどこかもっちりとした食感。カステラや蒸しパンにも似ていますが、より密度が高のが特徴です。
見た目は素朴で、ひと口ごとに広がる味噌の香りと、ほんのりとした甘さが心地よく、この味わいのバランスこそが「味噌松風」の真骨頂。
抹茶との相性なので茶席の主菓子としても重宝され、和の精神を感じさせる、控えめで深い味わいは、現代の感覚にもそっと寄り添ってくれます。
京都らしい特別な手土産に
味噌松風は、御所のすぐ南にある松屋常盤の店頭で販売されています。大サイズは予約制、小サイズは数量限定で当日販売があります。贈答用にもぴったりな木箱入りや、個包装タイプも用意されています。
また、保存料などを使っていないため、賞味期限はわずか3日間。だからこそ、焼きたてのしっとりとしたおいしさを楽しめる、特別感のある和菓子となっています。
見た目の華やかさよりも、本物の味を求めたいという方には、まさにぴったりのおみやげ。誰かに贈るのも、自分へのご褒美にするのもおすすめです。京都の旅を、ほんのり味噌の香りが広がる「味噌松風」とともに締めくくってみてはいかがでしょうか。
店名 | 松屋常盤 |
営業時間 | 9:30 – 15:00 |
住所 |
京都市中京区堺町通丸太町下ル橘町83 |
アクセス |
地下鉄 丸太町駅 徒歩約5分 |
定休日 | 不定休 |
電話番号 |
075-231-2884 |