仁和寺の見どころ 歴史と庭園を巡るおすすめスポット
目次
真言宗御室派の総本山「仁和寺」
今回ご紹介するのは、真言宗御室派の総本山である「仁和寺」です。京都駅からバスで一本、アクセスも便利な格式高いお寺です。かつて御所としての役割を果たしたことがあるため、紫宸殿を思わせるような庭園があり、その美しい景観が特徴です。
仁和寺は京都市右京区にあり、888年に宇多天皇によって建立されました。寺の号は「大内山」と称されます。宇多天皇は、崩御した父・光孝天皇の遺志を継ぎこの寺を建てました。宇多天皇は後に出家し、僧房「御室」に住まいました。これが現在の「御室」という地名の由来となっています。
仁和寺は代々法親王に引き継がれ、格式高い門跡寺院として発展しました。広大な寺領と多数の子院があり、一時は非常に繁栄していましたが、応仁の乱や文明の乱で焼失。その後江戸時代初期に復興し、当時の皇居「清涼殿」を移築して金堂や御影堂が建てられました。
仁和寺には、多くの仏像や典籍、貴重な文書が保存されています。特に阿弥陀三尊像、孔雀明王像、宝相華蒔絵宝珠箱(ほうそうげまきえほうじゅばこ)、三十帖冊子、医心方(いしんぽう)は国宝に指定されています。また、御所跡は国の史跡としても認定されています。
仁和寺の見どころ
古くからあるお寺であることもあり、見どころはたくさんありますが、代表的なものをご紹介します。
①庭園
仁和寺の御所庭園は、江戸時代に造られた竹山林泉庭園に、近代京都を代表する庭師・七代目小川治兵衛が手を加えたものです。彼の作品は仁和寺のほか、平安神宮の神苑や山県有朋の別荘「無鄰菴」などでも見られます。
仁和寺はかつて御所としての役割も果たしていたため、南庭ではその名残を感じることができます。白砂が広がる庭には、左近の桜と右近の橘が植えられており、優雅な雰囲気です。北庭は池泉回遊式の庭園で、御室の景色を借景に、池越しに茶室「飛濤亭」や五重塔を望むことができます。江戸時代と明治時代の庭園技術が見事に融合しており、令和3年に国指定名勝に認定されました。
②金堂
境内の北側に位置する金堂は、仁和寺の本堂です。1613年に内裏の紫宸殿を移築して建てられました。堂内には阿弥陀三尊像や四天王像が安置されており、仁和寺の歴史的な栄華を感じさせます。
③観音堂
観音堂は重要文化財に指定されている建物で、屋根は日本建築を代表する「入母屋造(いりもやづくり)」です。本尊である千手観音像は普段は公開されていませんが、脇侍には降三世明王、不動明王、そして眷属である二十八部衆が安置されています。
④五重塔
五重塔は江戸時代初期の1644年に建てられました。塔の一階部分には大日如来の額が飾られており、柱や壁には桜花文様が美しく描かれています。
⑤御室会館
仁和寺には、一般の人も宿泊できる宿坊「御室会館」があります。館内のレストラン「和食処 梵」では、精進料理をはじめとする豊富なメニューが楽しめます。特に京都名物の湯葉をたっぷり使った「京 ゆば丼」は、人気のヘルシーメニューです。喫茶や甘味も充実しているので、観光の合間に一息つくのにぴったりの場所です。
仁和寺 情報
名称 |
仁和寺 |
住所 |
京都府京都市右京区御室大内33 |
拝観時間 |
3~11月:9:00~17:00 12~2月:9:00~16:30 |
拝観料金 |
▼仁和寺御所庭園 ▼霊宝館(期間限定) ▼御室花まつり 特別入山料 |
アクセス |
嵐電(京福電鉄) 御室仁和寺駅より徒歩6分 |
HP |
https://ninnaji.jp/ |