
天龍寺 嵐山を彩る世界遺産
目次
臨済宗天龍寺派の大本山「天龍寺」
天龍寺は臨済宗天龍寺派の大本山で、古都京都の文化財として世界文化遺産にも認定されているお寺です。天龍寺は足利尊氏が後醍醐天皇の冥福を祈るために1339年に創建されました。もともとは後嵯峨上皇が造営した亀山殿があった跡地で、天龍寺が建てられる前には禅寺の檀林寺がありました。亀山上皇も仮の御所を営んでいたほどの重要な土地だったのです。
檀林寺が廃絶した後、後嵯峨上皇が御所を造営。尊氏の弟、直義が夢窓疎石(むそうそせき)と相談し、元(中国)との貿易を再開して資金を調達したことから、天龍寺の建設が進められました。この貿易船は「天龍寺船」として有名です。天龍寺はその後、室町時代を通じて栄え、臨済宗の禅寺として五山の中でも第一位を誇りました。
天龍寺の波乱に満ちた歴史
天龍寺は度重なる火災や戦乱による被害を乗り越えてきました。創建されてから大きな火災に見舞われた回数は、およそ8回にも及びます。特に1467年の応仁の乱では、寺院全体が焼失。その後、豊臣秀吉の寄進を受けて復興が進みました。しかし、幕末の蛤御門の変で再び兵火により焼失。その後も住持たちの尽力により、現在のような姿にまで復興を遂げました。
明治時代には臨済宗天龍寺派の大本山としての地位を確立し、嵐山や亀山全山を含む広大な境内地がありましたが、上地令によってその大部分が国に収められ、現在はその一部しか残っていません。それでも、天龍寺はその美しい庭園と禅寺としての威厳を保ち続け、国内外から多くの観光客が訪れる名所として今も存在感を放っています。
天龍寺の見どころ
法堂の「雲龍図」
天龍寺を訪れた際ぜひ見ていただきたいのが、法堂(はっとう)の天井に描かれた「雲龍図」です。雲龍図は天龍寺の開山夢窓疎石650年遠忌(おんき)を記念して、日本画家・加山又造によって描かれました。龍は円の中を勢いよく飛び回る姿を描かれ、どの角度から見ても龍がこちらを睨んでいるように見える「八方睨みの龍」として有名です。360度いろんな角度からこの迫力を体感するのは、訪れた人だけの特権。ぜひ、法堂に足を運んでみてください。
魅惑の「曹源池庭園」
天龍寺のもう一つの大きな見どころが、夢窓疎石が作庭した「曹源池庭園」です。嵐山や亀山の自然を取り込んだ借景式庭園で、庭園全体がまるで一枚の絵画のように広がります。曹源池庭園は日本で初めて史跡・特別名勝に指定された場所でもあります。春には桜が咲き乱れ、夏には緑が生い茂り、秋には紅葉が燃えるように美しく、冬には雪が庭全体を白く染めます。
庫裏の「達磨図」
天龍寺の「庫裏(くり)」も見逃せないスポットです。庫裏は、台所兼寺務所としての機能を持つ建物で、その正面に掲げられている「達磨図」は、平田精耕老大師によって描かれた作品です。一度見たら忘れられない、そんな強い表情の達磨は天龍寺を代表する画作としても知られています。
天龍寺
店名 |
天龍寺 |
営業時間 |
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
住所 |
8:30〜17:00 |
アクセス |
庭園(曹源池・百花苑):高校生以上500円、小・中学生300円 諸堂(大方丈・書院・多宝殿):庭園の参拝料に100円追加 法堂「雲龍図」の特別公開:別途500円 *土・日曜・祝日および春夏秋の特別公開期間のみ |
電話番号 |
京福 嵐山駅から徒歩1分 |
公式サイト |
https://www.tenryuji.com/ |