観光観光コース京都のヴォーリズ建築スポット巡り

京都のヴォーリズ建築スポット巡り

ウィリアム・メレル・ヴォーリズは、明治から昭和にかけて日本で活躍したアメリカ人建築家です。ヴォーリズは建築設計だけでなく、実業家や教育者、伝道者など幅広い分野で貢献しました。

日本各地に数多くの建築を残しており、温かみのある西洋建築のデザインは、今も多くの人々を魅了し続けています。今回は京都市内に点在する、ヴォーリズ建築を巡るコースをご紹介します。

 

ヴォーリズ唯一の商業建築・東華菜館

東華菜館は、四条大橋のたもとにある北京料理店です。大正15年竣工当時は西洋料理店で、ヴォーリズ唯一のレストラン建築として知られています。

建物は外観も内装もほぼ当時のままで、食事を楽しみながらヴォーリズ建築の魅力を堪能できる貴重な場所です。日本最古の手動式エレベーターも名物となっています。

 

 

最古のヴォーリズ教会建築・京都御幸町教会

ヴォーリズは多くの教会建築を手掛け、京都にもヴォーリズ作とされる教会が複数存在します。なかでも大正3年に竣工した京都御幸町教会は、ヴォーリズによる日本最古の教会建築といわれています。

教会内は日曜日の礼拝時に見学が可能です。あくまで礼拝中のため、そっと静かに拝観しましょう。

 

 

 

チューダー様式を取り入れた大丸ヴィラ

大丸ヴィラは、地下鉄丸太町駅のそばにあるヴォーリズ建築です。大丸の初代社長である下村正太郎氏の邸宅として、昭和7年に建てられました。設計には下村氏の希望により、イギリスのチューダー様式を採用したことから、「中道軒」と名付けられています。

豪華で美しい建物の内部は通常非公開ですが、2024年の京都モダン建築祭では珍しく特別公開が行われました。今後も機会があればぜひ拝観したいものですね。

 

 

 

ヴォーリズ初期の建築・京都大学YMCA会館

京都大学YMCA会館は、ヴォーリズが建築を手掛けた初期の作品で、現存する最古の大学YMCA会館としても知られています。京都府立医科大学YMCA橘井寮とともに大正3年に着工され、国の登録有形文化財に指定されています。

2003年に改修工事が行われ、建築当初のレンガ色の外観が復活しました。建物は現在も京都に住む学生たちに利用されています。

 

 

 

ヴォーリズが多くの建築を手掛けた同志社大学

同志社大学 啓明館

 

同志社大学には、ヴォーリズ設計の建築が計4棟あります。アーモスト館・新島遺品庫・啓明館・致遠館です。ヴォーリズは同志社で建築家としてだけでなく、理事や評議員として経営に携わりました。また音楽家として手掛けたカレッジソングは、今も学生に歌い継がれているそうです。

各建築物は現在も大学の一部として使用され、その美しい外観を眺めることができます。

 

旧シャイブリー邸のバザールカフェ

同志社大学の近くには、宣教師のシャイブリー氏が暮らしていたヴォーリズ建築の建物があります。大正8年の建築で、外観はリノベーションされた部分が多いものの、内部は元の設計を残しているようです。

現在は「バザールカフェ」として営業し、多国籍料理を味わいながらヴォーリズ建築を楽しめるほか、敷地内でさまざまなイベントも行われています。

 

 

 

ドラマ撮影にも使われた駒井家住宅

駒井家住宅は、北白川にあるヴォーリズ建築です。動物遺伝学で知られる京大名誉教授・駒井卓氏の邸宅で、昭和2年に建てられました。1階のリビングは、NHKの朝ドラの撮影に使われたことでも知られています。

当時流行のスパニッシュ様式を取り入れながらも、外観は周囲との調和を図り、内装も駒井家の暮らしに合わせた工夫が行き届いているなど、ヴォーリズの温かな配慮を感じられる建築です。

 

 

ヴォーリズ事務所設計の洋館カフェGOSPEL

ゴスペルは、哲学の道にほど近い洋館カフェです。元々は個人の住居で、カフェ「GPSPEL」のある2階部分は来客時のサロンとして使用されていました。

この洋館が建てられたのはヴォーリズの死後、昭和57年のこと。ヴォーリズが興しその意志を継ぐ、一粒社ヴォーリズ建築事務所によって設計されています。GOSPELでランチやカフェタイムを楽しみながら、ヴォーリズが目指した心地よく洗練された空間をぜひ堪能してください。