
大極殿本舗 夏の風物詩「ミルクミント」の誘惑
堺町六角の「大極殿本舗」は、1885年の創業以来、和菓子の本流を守り続けてきた老舗です。
カステラや琥珀糖、四季の上生菓子など、どの品にも職人技と素材への誠実さが息づいており、時代ごとの技術革新を積極的に取り入れ、京菓子の進化をリードしてきた存在でもあるのです。
明治、大正、昭和、平成、そして令和と、5つの時代を跨いで積み重ねた信頼は、京都人のみならず観光客からも厚く支持されてきました。特に「春庭良(カステラ)」や「花背」は定番として根強い人気を誇り、さらに季節ごとの限定和菓子では、見た目と味わいに驚きと余韻を添えてくれます。
本店と六角には、京町家の空間美を活かした喫茶室「栖園」が併設されており、風情ある坪庭を眺めながら、旬の甘味を楽しむことができます。古き良き京都と洗練された菓子文化の融合が、ここには確かに息づいています。
夏の風物詩「ミルクミント」
ミルクミント 1,100円
大極殿本舗が夏限定で提供するかき氷が「ミルクミント」。
名前を聞いた時点で、なんとなく涼しい風が吹いてきそうですが、その期待を裏切らない完成度。エメラルドグリーンの透明感と、ふわりと広がるミントの香りが、まずは視覚と嗅覚に爽やかな刺激を与えてくれます。
氷は粉雪のように繊細で、口に含んだ瞬間すっと溶けていきます。そこに合わせるのが、ミントゼリーとミントシロップ。単調な清涼感ではなく、ゼリーの食感やシロップの強弱によって味にリズムが生まれ、飽きのこない構成です。
白玉と別添えの練乳を加えるとミントの清涼感と練乳のやさしさのバランスが絶妙で、自分の好みで“追い練乳”できる楽しさも魅力のひとつです。ミントがあまり得意でない方でも試しやすい味設計になっているのもポイントです。
「涼しさ」を仕立てる老舗の手腕
提供は例年6月から9月ごろまで。気温や素材の都合で提供終了が早まることもあるため、気になる方は早めの訪問がおすすめです。
季節の移ろいを味わいに変える老舗のひと匙は、単なる甘味ではなく、京都の夏の記憶を連れてきてくれるようです。
店名 | 大極殿本舗 六角店 (栖園) |
営業時間 | 10:00 - 17:00 |
住所 |
京都市中京区六角通高倉東入ル南側堀之上町120 |
アクセス |
阪急 烏丸駅 徒歩5分 |
定休日 | 水曜日、不定休 |
電話番号 |
075-221-3311 |
公式サイト |
https://www.instagram.com/daigokuden.seien/ |