
歴史の息づく街道茶屋、山ばな平八茶屋へ
京都・左京区、叡山電鉄「修学院駅」から徒歩わずか5分。
若狭街道(鯖街道)沿いにある「山ばな平八茶屋」は、時代を超えて旅人を迎え続ける老舗茶屋です。
その創業はなんと安土桃山時代、1576年。440年以上の歴史を誇り、江戸時代には小浜藩の脇本陣、新選組や多くの文人墨客が立ち寄った記録も残ります。
門をくぐれば、そこはまるで時代を旅したかのような別世界。
築400年以上の「騎牛門」は山口県の禅寺から移築されたもので、その風格に思わず足を止めてしまいます。
主屋は京都市の景観重要建造物に指定されており、内部には刀傷が今も残る過去を物語る存在です。
約600坪の庭園は、季節ごとの表情を見せながら訪れる人々を静かに包み込みます。
訪問者には、夏目漱石、北大路魯山人、頼山陽といった偉人たちの名も。まさに文化人が愛した空間が今も大切に守られています。
心和む 麦飯とろろ膳
麦飯とろろ膳 4,400円
心と身体を癒す「麦飯とろろ膳」
そんな由緒ある料亭で味わいたいのが、名物「麦飯とろろ膳」。
これは創業当初から続く伝統料理で、素朴ながらも深い味わいに、思わず心がほっと緩みます。
主役のとろろは、粘りと旨味に優れた丹波産つくね芋を使用。丁寧にすりおろされたとろろは、昆布と鰹の出汁と合わさり、口当たりはなめらかで奥行きのある風味。
これを、岡山県産・朝日米と押し麦を絶妙な比率で炊き上げた温かい麦飯にたっぷりとかけていただきます。
さらに膳には、季節の取肴や焚合、香の物、水物といった副菜が添えられ、見た目も味も大満足。自然と一体になった庭園を眺めながらの食事は、まさに非日常の癒しそのものです。
料理に込められたのは、21代目当主・園部晋吾氏の「文化をつなぐ」という強い想い。伝統を守りながら、現代の知見も取り入れる姿勢は、多くの人の共感を呼んでいます。
京都でしか出会えない、心と身体を整えるひととき。静かに自分と向き合い、五感で味わう「麦飯とろろ膳」。
旅の合間に、歴史と自然のなかで過ごす贅沢な時間を、ぜひ体験してみてください。
店名 |
山ばな平八茶屋 |
営業時間 |
11:30-15:00 , 17:00-21:30 |
住所 |
京都市左京区山端川岸町8-1 |
アクセス |
叡山電鉄 修学院駅 徒歩5分 |
定休日 |
水曜日 |
電話番号 |
075-781-5008 |
公式サイト |
https://www.heihachi.co.jp/ |