
静けさに包まれた精進料理の名店「泉仙」
京都・嵐山、JR嵯峨嵐山駅から徒歩20分ほど、またはトロッコ嵐山駅から徒歩15分。嵯峨野の風景を進むとある老舗「泉仙(いずせん)」は、精進料理の伝統を今に伝える名店。
特に「鉄鉢料理」と呼ばれるスタイルが印象的です。
これは、修行僧が托鉢の際に用いる「鉄鉢」を模した器に、彩り豊かな料理を盛り込んだもので、食事そのものがまるで仏教の世界観を映し出しているかのような佇まい。
胡麻豆腐や煮物、炊き合わせなど、季節ごとの素材をふんだんに取り入れた料理が丁寧に仕立てられています。
泉仙が大切にしているのは、「喜心」「老心」「大心」という三つの心。
これは、すべての食材に対する感謝の気持ち、年長者のような落ち着きと知恵、そして大きな愛情を持って料理に向き合うという理念で、料理の隅々にまでその思いが宿っています。
四季を味わう「華」コース
「華(はな)」コース 3,300円
泉仙の数あるランチメニューの中でも、観光客にも人気なのが「華(はな)」コース(3300円)。
季節ごとの旬の食材を生かした、彩りも心にも優しいコース仕立てとなっています。
このコースでは、精進料理ならではの滋味深い味わいを軸にしつつ、しっとりとした胡麻豆腐に始まり、揚げたての野菜天ぷら、やさしい出汁が染み込んだ煮物、そして季節の前菜など、品数も豊富。動物性の食材を一切使用していないとは思えないほど、食べ応えがありながら、体の中から静かに満たされていく感覚が味わえます。
料理の盛り付けにも、京都らしい奥ゆかしさと華やかさが漂います。料理皿の上に浮かぶのは、四季折々の彩り。紅葉や新緑を模した飾り切り、器選びの美しさまでもが、食事を芸術のような体験へと引き上げてくれます。
店内は畳敷きの落ち着いた空間で、嵐山の自然が窓越しに感じられる配置になっており、心身ともにリセットできる特別な時間が流れています。
静けさの中に漂うお香の香り、優しい接客もまた、泉仙の魅力を支える大切な要素。
観光の合間に、少し歩いてでも立ち寄りたい、そんな一軒です。
店名 |
泉仙 嵯峨野店 |
営業時間 |
11:00-16:00 |
住所 |
京都市右京区嵯峨鳥居本六反町11 |
アクセス |
JR 嵯峨嵐山駅 徒歩20分 |
定休日 |
火曜日(祝日は営業) |
電話番号 |
075-881-7016 |
公式サイト |
https://kyoto-izusen.com/html2/restrant_sagano.html |