サロン・ド・ムゲの時雨弁当 心ほどける、京の贅沢

サロン・ド・ムゲの時雨弁当 心ほどける、京の贅沢

現代の中の、静かな料亭時間

京都・東山区、八坂神社や高台寺を抜けた先にある「無碍山房 サロン・ド・ムゲ」。
その名の通り、型にはまらない美しさを感じられる場所です。

舗料亭「菊乃井」がてがけるこのサロンは、伝統の技と精神を受け継ぎながらも、日常の延長線上で楽しめる“ちょっと贅沢なカフェ”として2017年に開かれました。

建物は、モダンな要素を取り入れた数寄屋造り。静かな和の空間には、菊乃井主人・村田吉弘氏の美術品がさりげなく飾られ、窓の向こうには四季の移ろいを感じる庭園が広がります。

春には桜、秋には紅葉が訪れる人の時間を柔らかく包み、店内に満ちるのは、観光地の喧騒から切り離された、まるで異次元のような静けさ。

喫茶メニューの「できたて本わらび餅」や「濃い抹茶パフェ」も人気ですが、もっとも注目したいのは、昼限定・完全予約制の「時雨弁当」。

料亭の味をもっと自由に、そして気軽に楽しんでほしいという想いが詰まったこの弁当は、多くの人を惹きつけています。

季節を味わう、無碍山房サロンドムゲの懐石仕立て『時雨弁当』

時雨弁当 5,500円

一折に詰まった、料亭の誇りと四季の香り

「時雨弁当」は、月替わりで構成される懐石スタイルのお弁当。
提供時間は11:30〜13:00の限られた時間帯のみ。事前予約が必須で、このひとときを楽しみに、時間をつくって足を運ぶ人も少なくありません。

お弁当には、先付、煮物椀、そして8〜10品の美しく盛り付けられた小鉢が並びます。

春には桜寿司や筍の炊き合わせ、秋には松茸仕立ての吸い物や菊菜の胡麻和えなど、旬の素材を丁寧に調理した逸品が並びます。それぞれの料理に合わせて器も選ばれており、京焼や漆器などの工芸美も味わいの一部として楽しめます。

なかでも目を引くのは、「しぐれ飯」。鯛の刺身にとろろ、そして胡麻だれをあわせ、上から炊きたてご飯をそっとかけていただく贅沢な一杯。これがまた、弁当という枠を超えて、ひとつの完成された料理として満足感を与えてくれます。

料理全体のバランスは見事で、肉料理と魚料理、温かいものと冷たいもの、やわらかいものと歯ごたえのあるものが絶妙に配置されているのも、さすがの料亭仕込み。

特に和牛ローストビーフや蟹あんかけ胡麻豆腐など、手間のかかった料理が「贅沢なのにほっとする」と感じる人も多いようです。

京都で過ごす、美意識と静寂のランチ

観光地から少し足をのばし、喧騒を離れて訪れるこの場所には、“時間を味わう”という贅沢があります。
静かな庭園を眺めながら、美しく整えられた弁当と向き合う時間は、旅の中でひときわ印象深く心に残るはず。

高台寺近くでゆっくりするならぜひ「無碍山房 サロン・ド・ムゲ」で、お腹も心も満たされるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

店名

無碍山房 サロン・ド・ムゲ

営業時間

11:30-13:00 , 喫茶:11:30-17:00

住所

京都市東山区下河原町通高台寺北門前鷲尾町524

アクセス

京阪 祇園四条駅 徒歩15分

定休日

火曜日(年末年始休み有り・祝日の場合は翌日)

電話番号

075-561-0015

公式サイト

https://kikunoi.jp/restaurant/muge.html