冬だけの贈り物、香りとふっくら食感に酔いしれる「高砂饅頭」|本家玉壽軒の伝統と誇り

冬だけの贈り物、香りとふっくら食感に酔いしれる「高砂饅頭」|本家玉壽軒の伝統と誇り

京都の冬に、毎年そっと訪れる楽しみがあります。それが、1865年創業の老舗和菓子店「本家玉壽軒」が手がける冬季限定のお饅頭、「高砂饅頭(たかさごまんじゅう)」です。ふかふかとした皮、蒸したてに立ち上る麹の香り、そしてみずみずしいこしあんの上品な甘さ。その一つひとつに、150年以上受け継がれてきた職人の技と誇りが宿っています。

本家玉壽軒と京都の文化の深いつながり

本家玉壽軒は、元々西陣織の織屋として始まりましたが、やがて和菓子作りに専念するようになり、現在に至ります。皇室や公家、寺院、茶道の世界など、京都の伝統文化と深い関わりを持つ名店として知られ、特に禅宗の本山御用達としても名高い存在です。

季節ごとに発表される上生菓子や、名物「紫野(むらさきの)」など、どれも京都ならではの気品と風格を感じさせてくれます。その中でも、高砂饅頭は「冬の風物詩」として多くの人に親しまれてきました。

本家玉壽軒

高砂饅頭

本家玉壽軒 高砂饅頭

高砂饅頭 420円

高砂饅頭の最大の魅力は、その生地に使われる「酒の麹(こうじ)」です。仕込みには一週間以上かかり、寒さが増す11月下旬から3月までの間だけ作られる、まさに冬ならではの逸品。砂糖を使わずに発酵させた生地は、蒸し上がることでふわりと香り立ち、まるで酒蔵の空気をまとったような芳醇な香気を放ちます。

蒸し立てをほおばると、皮はふんわり、そして中のこしあんがとろけるように舌の上で広がります。口にした瞬間、素材そのものの滋味と職人の技の妙に思わずうっとりしてしまう、そんな和菓子です。

高砂饅頭は、その製法の丁寧さと仕上がりの繊細さゆえ、製造数に限りがあります。特に蒸したての美味しさを味わうには、予約をして指定時間に受け取るのがおすすめです。時間が経つと生地が固くなってしまうため、できたてを味わうのが最良。まさに一期一会のお菓子です。

京都のお土産に、高砂饅頭を

観光の思い出や、大切な人への贈り物に、本家玉壽軒の高砂饅頭はいかがでしょうか。見た目は素朴ながら、口にすれば五感を満たしてくれる、奥深い魅力が詰まった和菓子です。冬の京都でしか出会えない限定の味わい。旅の途中でふと立ち寄って、そのぬくもりを感じてみてください。

店名

本家玉壽軒

営業時間

8:30 – 17:00

住所

京都市上京区今出川通大宮東入元伊佐町262

アクセス

今出川駅から徒歩10分

定休日

水曜日

電話番号

075-441-0319

search

ページ最上部へ戻る