細見美術館で出会う「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器」
細見美術館

細見美術館で出会う「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器」

細見美術館では、2025年10月25日から「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器」展が開催されます。

フランスの宮廷文化を象徴するセーヴル磁器は、18世紀のポンパドゥール侯爵夫人やマリー=アントワネットなど、時代を彩った妃たちに愛されてきました。今回の展覧会では、ルイ15世からナポレオン時代にかけて制作された約140件の名品が一堂に会します。

艶やかな釉薬、精緻な金彩、そして繊細な色彩が織りなす磁器の美しさ――その一つひとつが、宮廷の華やかな時間を今に伝えます。


《藍地金彩七宝飾カメオ文カップ&ソーサー》 1784年 個人蔵


《青地色絵金彩花果文カップ&ソーサー》 1792年 町田市立博物館蔵(河原勝洋コレクション)

セーヴル磁器が紡ぐ「王妃の美意識」

セーヴル磁器は、ただの陶磁器ではありません。
それは、王妃たちの美意識を映し出す「芸術の結晶」でした。
たとえば《瑠璃地色絵金彩鳥図ティーサーヴィス》に見られる深い瑠璃色は、宮廷の格式と静謐を象徴する色として特別に調合されたもの。鳥や花を描いた繊細な絵付けには、当時の絵画技術と職人の誇りが息づいています。

これらの磁器は王侯貴族のための特注品であり、注文主の意向や趣味までもが意匠に反映されていました。まさに「オーダーメイド」という名の通り、世界にひとつだけの美が生まれたのです。


《瑠璃地色絵金彩鳥図ティーサーヴィス》 1754-59年 個人蔵


《色絵金彩花文台付皿》 1758年 Masa 's Collection


美の空間、細見美術館

この展覧会の舞台となる細見美術館は、京都の伝統と現代建築が響き合う美の空間です。建築家・大江匡(おおえ ただす)氏による設計で、京町家の意匠をモダンに取り入れた佇まいが印象的。館内に一歩足を踏み入れると、木の温もりと静謐な光が包み込み、まるで茶室のような落ち着きに心が和みます。

館内の落ち着いた雰囲気の中で、フランス宮廷を彩ったセーブル磁器の華麗な作品をゆったりとご覧いただけます。



「セーブル フランス宮廷の磁器」展は2026年2月1日まで開催中。セーヴル磁器に映し出されたのは、王妃たちの美意識と生き方。そしてそれを受けとめる細見美術館は、過去と未来をつなぐ「美の架け橋」として、静かに輝き続けています。

秋の京都で、優雅な芸術と文化の出会いを体験してみてはいかがでしょうか。

展覧会名

妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器

会期

2025年10月25日(土) 〜 2026年2月1日(日)

館名

細見美術館

開館時間

10:00-17:00

住所

京都市左京区岡崎最勝寺町6-3

アクセス

地下鉄東西線「東山駅」下車徒歩10分、市バス「東山二条・岡崎公園口」下車徒歩3分

休館日

毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)  年末年始(2025年12月22日(月)〜2026年1月5日(月))

電話番号

075-752-5555

入場料

一般2,000円/学生1,500円

公式サイト

https://www.emuseum.or.jp/exhibition/ex091/index.html
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