祇園 いづ萬の「はもそうめん」老舗の夏の風物詩
いづ萬はもそうめん

祇園 いづ萬の「はもそうめん」老舗の夏の風物詩

京都祇園の新橋通りにある「いづ萬」は、1844年創業のかまぼこ専門店です。
店先のガラス越しのショーケースには、焼きたての天ぷらや魚餅が整然と並び、ほのかに立ち上る香ばしい匂いが鼻をくすぐります。

店名の「いづ萬」は、出雲出身の創業者・萬助に由来するもので、かつて海から遠かった京都で、萬助自ら目利きで選んだ魚を仕入れ、日々丁寧にすり身を練り上げていたそう。その技は五代目となった今も受け継がれています。

店頭では、「舞妓のかんざし」を模した「東山魚餅」がひときわ目を引きます。竹串に刺さった丸いかまぼこは、炭火で炙られ、焼き目がついた表面はカリッと香ばしく、中はふんわりと柔らか。蒸さずに焼くという独自の製法によって、素材の風味と歯ごたえが引き立ちます。

いづ萬

いづ萬の店頭ショーケース

夏の風物詩「はもそうめん」

今回紹介したいのは、いづ萬の「はもそうめん」。東山魚餅とはまた違う表情を見せる、夏だけの特別な逸品です。

職人が一本一本手作業で搾り出すこの“そうめん”は、活きた鱧のすり身を用いてそうめん状に成型したかまぼこ。白と抹茶色の二色に分かれた姿は、まるで手延べ素麺のような美しさです。

食べ方はシンプルに冷水で締め、出汁やわさび醤油でいただくのが定番。ひと口すすれば、口の中に鱧のふわりとした香りと旨味が広がり、噛むごとに“シコシコ”とした心地よい弾力が感じられます。

添加物も防腐剤も使わず、仕上げはすべて手作業でつくられるそうめん。大量生産では決して出せない、手の温もりが感じられます。店頭では持ち帰りのほか、保冷パック入りでのお土産にも対応してくれるそうで、遠方から訪れた観光客にも喜ばれているとのこと。

いづ萬の「はもそうめん」は、暑い京都の夏に、涼やかな風を届けてくれる食の贈り物。五感で味わいたい京都の“涼味”のひとつです。※販売時期は9月中旬ごろまで。

店名

いづ萬

営業時間

9:00 - 18:00

住所

京都市東山区新橋通大和大路東入3丁目林下町432

アクセス

京阪 祇園四条駅 徒歩8分

定休日

日・祝日

電話番号

075-561-0983

search

ページ最上部へ戻る