京都の夏に涼を運ぶ銘菓「したたり」|亀廣永の伝統と上品な甘みを味わう

京都の夏に涼を運ぶ銘菓「したたり」|亀廣永の伝統と上品な甘みを味わう

京都・中京区に店舗を構える「亀廣永(かめひろなが)」は、1936年創業の老舗和菓子店です。元は江戸時代から続く名店「亀末廣」からの暖簾分けにより誕生し、伝統を継ぎながらも独自の銘菓を創出しています。その代表格が、祇園祭の菊水鉾に献上される和菓子「したたり」です。

「したたり」という名前は、祇園祭にゆかりのある名水「菊水の井」に由来しています。菊の露がぽたりと滴る様子にちなみ、「したたり」と名づけられました。目にも涼やかな琥珀色と、口の中で“とろり”と溶けるような独特の食感が、多くの人々を魅了しています。

京都観光の思い出に、伝統の味を

観光の合間に立ち寄ることができる立地にある亀廣永の店舗は、どこか懐かしさと品の良さを感じさせてくれます。和菓子作りへの誠実さや、祇園祭への敬意が込められた「したたり」は、京都観光の思い出として手にしたくなる一品です。

お茶請けとしてはもちろん、冷やして食べれば夏の涼を感じるデザートとしても最適。京都ならではの贅沢な甘味を、どうぞじっくりと味わってみてください。

琥珀色に輝く和菓子「したたり」

亀廣永 したたり

したたり 1,300円

「したたり」の主な素材は、沖縄産の黒砂糖、徳島・阿波産の和三盆、寒天、水飴です。これらを丁寧に煮詰め、ゆっくりと冷やし固めることで、まるで宝石のように透き通った琥珀色に仕上がります。黒砂糖の深みと和三盆のやわらかい甘みが、上品な味わいを生み出し、ひとくち含めば静かにほどけていくような幸福感が広がります。

寒天を用いた棹物のため、食感はとてもなめらか。ひんやりとした口あたりと共に、ほどよい弾力と控えめな甘さが楽しめ、特に暑い季節には格別の美味しさです。夏の京都を感じさせてくれるお菓子として、多くの人に親しまれています。

祇園祭とともに歩む菓子の歴史

「したたり」は、約50年ほど前、祇園祭の菊水鉾の再興をきっかけに考案されました。菊水鉾は、中国の故事「菊慈童」に由来する鉾で、不老長寿の象徴として尊ばれています。その神聖な井戸に見立てて作られた「したたり」は、祭の文化や精神を和菓子という形で表現した、まさに“食べる伝統文化”です。

現在も、祇園祭の時期には献上菓子として登場し、その由緒を大切に守りながら、多くの人に京都の夏を感じさせてくれます。

四季を通じて楽しめる上質な和菓子

「したたり」は、通年で販売されている商品です。冷蔵保存が基本となり、賞味期限はおよそ10日間。見た目の美しさや日持ちの良さから、贈り物としても人気が高く、手土産やご挨拶の品にもぴったりです。

箱を開けると、透き通った琥珀色の菓子が並び、その凛とした美しさに思わず見惚れてしまいます。ひとつ、またひとつと、味わうたびに心が和らぐ、そんな繊細な魅力が「したたり」には詰まっています。

店名

亀廣永

営業時間

9:00 – 18:00

住所

京都市中京区高倉通蛸薬師上ル和久屋町359

アクセス

地下鉄 烏丸御池駅から徒歩8分

定休日

日曜日・祝日

電話番号

075-221-5965

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