京都の夏の涼菓  亀屋則克の「浜土産」

京都の夏の涼菓  亀屋則克の「浜土産」

堺町三条に店を構える「亀屋則克」は、1916年に創業した老舗和菓子店です。
もともと京都三大亀屋のひとつであった「亀屋良則」から暖簾分けされ、現在は三代目と四代目が店を支え、伝統を守りながらも、時代に寄り添う新しい京菓子づくりにも挑んでいます。

この店の特徴は、今では珍しくなった「座売り」形式。木のカウンターを挟んでお客様と向かい合いながら、和菓子の説明やご相談を丁寧に行う販売スタイルは、まさに京都らしい時間が流れる空間です。

亀屋則克

亀屋則克2

真夏の京都に“海の記憶”を届ける「浜土産(はまづと)」

亀屋則克の浜土産 (はまづと)

浜土産 (はまづと) 10個セット 5,500円

そんな亀屋則克で、毎年5月から9月にかけて登場する夏限定の逸品が「浜土産(はまづと)」です。
初代が大正期に考案したこの和菓子は、京都にいながら“海辺の土産”を思わせるような情景を表現した、趣たっぷりの涼菓です。

蛤の貝殻を模した器。その白くなめらかな貝殻は、檜葉(ひば)を添えた磯馴籠(そなれかご)に収められています。
蓋を開けると、涼やかな琥珀色の寒天が目を引き、見るからに清らかな印象を与えてくれます。

一粒の浜納豆が生む、“甘じょっぱい”感動

浜土産の中には、大徳寺納豆をベースにした味噌風味の浜納豆が一粒、ちょこんと封じ込められています。
一見不思議な組み合わせですが、寒天のやさしい甘みと浜納豆の塩気・発酵の香りが絶妙に調和し、ぷるんとした食感でひとくちごとに奥行きのある味わいが広がります。

貝殻のなめらかな面に爪を入れて開き、そのまま殻ですくって食べるという伝統的なスタイルも粋で楽しい体験です。

贈る側の心が伝わる、夏の風情ある手土産

浜土産は、お中元や暑中見舞いなど、夏のごあいさつにぴったり。見た目の美しさに加えて、冷やしても型くずれせず、常温で日持ちもするため、遠方への贈答にも安心です。婚礼の引菓子としても利用されるなど、格式ある和菓子として親しまれてきました。

お店では1個(500円)から買えるほか、5個・10個・15個入りの籠詰めが用意されており、用途に応じて選ぶことができます。オンラインショップや電話注文で全国発送にも対応しているので、夏の京都を感じる贈り物を、遠方の方にも届けることができます。

京菓子に込められた涼の知恵と遊び心

海の記憶を想わせる“浜土産”は、単なる甘味を超えた、物語のある和菓子です。暑い京都の夏を少しでも心地よく過ごせるようにと願った初代の想像力と、それを今に伝える職人の技。亀屋則克が守り続けてきた誠実さと遊び心が、ぎゅっと詰まっています。

目で涼を感じ、口にすれば涼風が吹くような「浜土産」。京都の夏を旅するなら、ぜひ一度手にとってみてください。

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亀屋則克の浜土産 (はまづと) 4

亀屋則克の浜土産 (はまづと) 5

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