菓子屋のな 物語や情景を感じられる独創的な和菓子
菓子屋のな アントニオとララ

菓子屋のな 物語や情景を感じられる独創的な和菓子

堀川五条の路地にある新感覚の和菓子店「菓子屋のな」は、名主川千恵さんと、元イタリア料理シェフの夫である野崎高行さんが営み、伝統的な和菓子の技法をベースに、洋菓子やパンの要素を取り入れた独創的な商品で注目を集めています。

名主川千恵さんは、京都の老舗和菓子店で修行を積んだ後、「菓子屋のな」を開業。和菓子作りには、文学や音楽、自然から得たインスピレーションが反映されており、商品名に短歌や俳句、文学作品からの引用を取り入れて、和菓子を通じて物語や情景を感じられるよう工夫されています。

また、夫の野崎高行さんは元イタリア料理のシェフであり、その経験を活かして洋菓子やパンの要素を取り入れた商品開発を行っています。二人のコラボレーションにより、和と洋が調和した独自のスタイルが生まれています。

菓子屋のな1

菓子屋のな2

菓子屋のな3

菓子屋のな 文学を味わう「アントニオとララ」

アントニオとララ

アントニオとララ 940円

「アントニオとララ」は、菓子屋のなの代表作とも言える創作和菓子。モチーフは、森鴎外が翻訳したアンデルセンの小説『即興詩人』で、詩人アントニオと盲目の少女ララ、それぞれの人生を甘味と香りで表現した和菓子。

アントニオは、ラム酒の効いた焦がしキャラメルあんの中心にはラムレーズンが一粒隠されていて、複雑でほろ苦い味わいが印象的。ララは、マンゴーやキウイを使用したトロピカルなあんで、明るく切ない少女の情熱を甘酸っぱさで再現されているそう。
ローズマリーやエディブルフラワーが添えられており、視覚・嗅覚・味覚で“読んで・感じる和菓子”です。


 "明治期の文豪・森鷗外が九年の年月をかけて翻訳した
 アンデルセン作『即興詩人』のオマージュとして作られました。
 物語では、イタリアの美しい景色とアントニオの人生が、
 美しく、奥ゆかしい文語体(雅文体)で綴られています。

 即興で詩を詠む才に恵まれた主人公アントニオと
 盲目の美しき乙女ララ。

 淡く儚い、そして情熱的なアントニオとララの運命を、
 ひとすじのあんに玉にしました。

 アントニオは、翻弄される人生の苦みを、
 濃厚なキャラメルあんに。
 アントニオとの出会いにより、
 劇的に変わっていくララの情熱的な人生を、
 甘酸っぱいトロピカルあんにしました。

 「幸あらん夜をこそ祈れ、アントニオよ」
  即興詩人 より"
 
 ※しおり紙より

菓子屋のな 定番「あんバターチャバタ」

あんバターチャバタ

あんバターチャバタ 380円

アントニオとララとともに「菓子屋のな」の定番商品が「あんバターチャバタ」。イタリア発祥のハード系パン「チャバタ」を使った、まさに和菓子と洋菓子のいいとこ取りのスイーツ。地元ファンはもちろん観光客の間でも話題の逸品です。

素材と食感にこだわった構成美

イタリア発祥のハード系パン“チャバタ”を焼き上げ、外はパリッと、内側はもっちりの生地に、のな特製のなめらかな「こし餡」、風味豊かなバター、食感のアクセントになる「くるみ」、そしてふわりと香る「ラムレーズン」。

甘みと塩気、コクと酸味、パリッとした皮とやわらかな餡。それぞれが主張しすぎず、まるでひとつのハーモニーのように調和しているのがこの商品の魅力です。「あんバターは好きだけど重すぎる…」という人にこそ食べてほしい、驚くほど軽やかな仕上がりです。

季節限定フレーバー

苺あんポーネチャバタ
苺あんポーネチャバタ 580円

連日売り切れになることが多いこの商品は、通年販売されている定番のあんバターチャバタに加えて、季節ごとに限定フレーバーも登場。春には「苺あんポーネチャバタ」、夏には「アメリカンチェリーあんチャバタ」など、季節ごとに変化するフレーバーを追いかける常連ファンも多く、一年を通じて新しい発見があるのもこのスイーツの醍醐味です。

菓子屋のなの「水無月」


抹茶とレモンの水無月、杏とジャスミンの水無月

京都の夏の風物詩といえば「水無月」。古くから半年の厄を祓うお菓子ですが、「菓子屋のな」が手がける2種の水無月が見た目も味も涼やか。

「抹茶とレモンの水無月」は、老舗の八十八良葉舎さんの焙煎抹茶を使い、香り高くほろ苦い生地に、レモンの爽やかな酸味が軽やかに重なります。

「杏とジャスミンの水無月」は、長野県産の杏を丁寧にコンポートにし、ジャスミンティー香る外郎(ういろう)生地の上に、かのこ豆とともにたっぷりトッピング。ふんわりと甘い香りと、杏の酸味が絶妙に溶け合い、ひと口ごとに初夏の風を感じられます。

上生菓子や季節の羊羹も充実


苺さくら餅

季節ごとに登場する創作和菓子も魅力的で、春には苺を使った「春まろげ」、秋には無花果と赤ワインを練り込んだ羊羹「一熟ぶどう」など、旬のフルーツやハーブを活かした商品が並びます。

白稲荷餅/黒稲荷餅は、2025年の初午である2月5,6日限定販売された和菓子。全国の稲荷神社で豊作、商売繁盛、家内安全などを祈願する初午に稲荷神の使いとされるキツネ面のお菓子。白稲荷餅は、白味噌実山椒あん。黒稲荷餅は黒糖ドライフルーツあん。

見た目の美しさだけでなく、季節感と新しく深みのある味わいに、訪れるたびに新しい発見があります。

すべて手作りの数量限定で販売されており、早い時間に売り切れることもあります。Instagramのダイレクトメッセージを通じて事前予約も可なので、確実に購入したい場合は、予約をおすすめします。

「菓子屋のな」は、和菓子の伝統を守りつつも、新しいスタイルを提案することで、和菓子文化の可能性を広げています。「アントニオとララ」「あんバターチャバタ」のほかにも、その季節ごとに斬新な味わいをぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

白稲荷餅/黒稲荷餅

白稲荷餅/黒稲荷餅

店名

菓子屋 のな

営業時間

12:00 – 18:00

住所

京都市下京区篠屋町75

アクセス

地下鉄 五条駅 徒歩10分

定休日

日曜日、月曜日、不定休

公式サイト

https://www.instagram.com/nonawagashi/
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