京都工芸繊維大学美術工芸資料館「ポスターで見るアール・デコ誕生とその後」展〜資料館で出会う100年前のデザインの輝き〜

京都工芸繊維大学美術工芸資料館「ポスターで見るアール・デコ誕生とその後」展〜資料館で出会う100年前のデザインの輝き〜

ポスターで見るアール・デコ誕生とその後

京都市左京区・松ヶ崎にある京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、2025年11月10日(月)から12月20日(土)まで、「ポスターで見るアール・デコ誕生とその後」展が開催されます。

今からちょうど100年前、1925年のパリで開催された「現代国際産業装飾美術博覧会」をきっかけに生まれたアール・デコ様式。幾何学的な構成美と装飾の豊かさを兼ね備えたこのデザインは、当時の人々を魅了し、グラフィック・建築・工芸といった多彩な分野へと広がっていきました。

本展では、ポスターという媒体を通して、その魅力と変遷をたどります。会場に並ぶのは、博覧会当時の貴重なポスターから、黄金期を支えた著名デザイナーの作品、日本での展開を示すグラフィックまで。アール・デコがどのように誕生し、広がり、再評価されてきたのかを体感できる内容です。

展示は三章構成で、まずはアール・デコ誕生の背景を紹介する「現代国際産業装飾美術博覧会とアール・デコの誕生」からスタートします。

続く「ポスターに見るアール・デコ・スタイルの展開」では、A. M. カッサンドル《ノルマンディ号》やレイモン・サヴィニャックらの洗練されたデザインが登場。線のリズム、色彩のコントラスト、タイポグラフィの構成――どれもが、産業と芸術が融合した時代の息吹を伝えます。

最終章「日本への伝播 アール・デコと単化デザイン」では、日本人デザイナーによるポスターが紹介されます。杉浦非水《東京地下鉄道株式会社》や橋本徹郎《華北交通株式會社》など、モダンと和の美意識が交わる作品は、アール・デコが日本文化にどう息づいたかを物語ります。


作者不詳《新製 両切タバコ つばさ》1937年 オフセット 京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵


シャルル・ジェスマール《ミスタンゲット/ムーラン・ルージュ》1926年 カラ―リトグラフ 京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵


橋本徹郎《華北交通株式會社》1930年代 オフセット 京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵


エミール=アントワーヌ・ブールデル《現代国際産業装飾美術博覧会1925年》1925年 カラ―リトグラフ 京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵

静かな知のミュージアムで、デザインの原点に触れる

会場となる京都工芸繊維大学美術工芸資料館は、日本のデザイン教育の拠点として知られる施設です。大学の研究資源として集められた膨大な資料を一般公開しており、工芸・デザイン・建築など、さまざまな分野の資料を所蔵・展示しています。

さらに、ミュージアムショップでは展覧会オリジナルグッズや、所蔵資料をモチーフにした文具なども販売。デザインファンにはたまらないラインナップです。お気に入りの一品を手に取れば、展覧会の余韻を持ち帰ることができます。

静かな学び舎の中で、100年前のデザイナーたちの息づかいに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

展覧会名

ポスターで見るアール・デコ誕生とその後

会期

2025年11月10日(月)~12月20日(土)

館名

京都工芸繊維大学美術工芸資料館 2階

開館時間

10:00-17:00(入館は16:30まで)

住所

京都市左京区松ヶ崎橋上町

アクセス

烏丸線「松ヶ崎」駅下車、徒歩8分

電話番号

075-724-7924

入場料

一般200円/大学生150円/高校生以下無料

公式サイト

https://www.museum.kit.ac.jp/
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