宮津市の今とこれから ―海と人がつながるまち ―
京都府北部、日本三景・天橋立を有するまち、宮津市。
古くから海上交通の要衝として栄えたこの地は、いま“海の京都”として、国内外の観光客を迎えています。

今回は、宮津市産業経済部 商工観光課の井ノ元様に、宮津市が目指す「訪れる人も地元の人も満足できる観光」の取り組みについて伺いました。
一方で、ここ数年は宮津駅周辺の市街地でもインバウンド客が増え、宿泊者数も着実に伸びているとのこと。まち全体としての観光の広がりを感じられる状況です。
「以前は天橋立だけを目当てに来て、そのまま帰られる方が多かったのですが、最近は市街地の散策や宿泊を楽しむ方も増えています。特に海外からのお客様が、まちの暮らしや文化に興味を持ってくださっているのがうれしいですね。」
天橋立を中心とした観光だけでなく、まち全体に滞在の輪が広がってきています。

近隣7市町からなる海の京都DMO(一般財団法人 京都府北部地域連携都市振興社)とも連携し、平日のインバウンド誘致にも注力。地域全体で「観光を生活の延長にする」取り組みが始まっています。
宿泊型観光を増やすことは、地元飲食店や商店の活性化にも直結します。海や山の自然資源を守りながら、人の往来が地域の力になる――それが宮津市の理想とする観光の形です。
また、天橋立周辺では、環境保全と観光を両立させる取り組みも進行中。松並木の保全活動や、エコツーリズムの導入など、未来を見据えた試みが少しずつ広がっています。
海と人、地域と世界。その架け橋として、宮津は新たな一歩を踏み出しています。

実際、バスツアーでは“立ち寄り型”の観光が主流で、地域経済への滞在効果が十分に及ばないこともあります。また、週末に観光客が集中し、平日の人出とのバランスも課題のひとつです。
「宿泊を増やすことが大事だと考えています。観光を“通過する”のではなく、“滞在して味わう”流れをつくることが、地域の豊かさにもつながります」。さらに、海外からの観光客が増える中で、英語や中国語などの多言語対応、文化的なマナーの共有も今後の重要なテーマだといいます。
「基本的にモラルを守ってくださる”地元をリスペクト”してくださるお客様がほとんどです。だからこそ、私たちもお迎えする体制をより整えていきたいと思っています。」
観光客の増加を「課題」としてではなく、観光事業は「まちづくりの一環」と捉える姿勢の宮津市は今、“見に行く場所”から“過ごす場所”へと変わろうとしています。
「宮津に来てよかった」と思える旅を、そして「観光がまちを支えている」と感じられる地域を。住む人も訪れる人も、共に笑顔になれる“海の京都・宮津”の今後に、期待が高まります。


古くから海上交通の要衝として栄えたこの地は、いま“海の京都”として、国内外の観光客を迎えています。

今回は、宮津市産業経済部 商工観光課の井ノ元様に、宮津市が目指す「訪れる人も地元の人も満足できる観光」の取り組みについて伺いました。
宮津市の今とこれから
年間およそ300万人を超える人々が訪れる宮津市。中でも天橋立は、全国から観光客が集まる名所として知られています。一方で、ここ数年は宮津駅周辺の市街地でもインバウンド客が増え、宿泊者数も着実に伸びているとのこと。まち全体としての観光の広がりを感じられる状況です。
「以前は天橋立だけを目当てに来て、そのまま帰られる方が多かったのですが、最近は市街地の散策や宿泊を楽しむ方も増えています。特に海外からのお客様が、まちの暮らしや文化に興味を持ってくださっているのがうれしいですね。」
天橋立を中心とした観光だけでなく、まち全体に滞在の輪が広がってきています。

サステナブル観光への取り組み
宮津市が現在力を入れているのが、サステナブル(持続可能な)観光の推進です。「観光客だけでなく、住民も共に満足できる観光地でありたい」と、観光地に暮らす人と訪れる人が、互いに心地よく過ごせる関係性を大切にしていると話します。近隣7市町からなる海の京都DMO(一般財団法人 京都府北部地域連携都市振興社)とも連携し、平日のインバウンド誘致にも注力。地域全体で「観光を生活の延長にする」取り組みが始まっています。
宿泊型観光を増やすことは、地元飲食店や商店の活性化にも直結します。海や山の自然資源を守りながら、人の往来が地域の力になる――それが宮津市の理想とする観光の形です。
また、天橋立周辺では、環境保全と観光を両立させる取り組みも進行中。松並木の保全活動や、エコツーリズムの導入など、未来を見据えた試みが少しずつ広がっています。
海と人、地域と世界。その架け橋として、宮津は新たな一歩を踏み出しています。

観光の課題と、次に見据える方向性
長年の課題は、天橋立周辺の観光スポットを短時間で巡って帰ってしまう方が多く、「日帰り観光」が中心になっていることです。実際、バスツアーでは“立ち寄り型”の観光が主流で、地域経済への滞在効果が十分に及ばないこともあります。また、週末に観光客が集中し、平日の人出とのバランスも課題のひとつです。
「宿泊を増やすことが大事だと考えています。観光を“通過する”のではなく、“滞在して味わう”流れをつくることが、地域の豊かさにもつながります」。さらに、海外からの観光客が増える中で、英語や中国語などの多言語対応、文化的なマナーの共有も今後の重要なテーマだといいます。
「基本的にモラルを守ってくださる”地元をリスペクト”してくださるお客様がほとんどです。だからこそ、私たちもお迎えする体制をより整えていきたいと思っています。」
観光客の増加を「課題」としてではなく、観光事業は「まちづくりの一環」と捉える姿勢の宮津市は今、“見に行く場所”から“過ごす場所”へと変わろうとしています。
「宮津に来てよかった」と思える旅を、そして「観光がまちを支えている」と感じられる地域を。住む人も訪れる人も、共に笑顔になれる“海の京都・宮津”の今後に、期待が高まります。








