龍谷ミュージアム 秋季特別展「仏教と夢」―夢が語る仏の世界―
京都・西本願寺の向かいにある龍谷ミュージアムでは、秋季特別展「仏教と夢」が開催されています。
展覧会のテーマは、誰もが見る「夢」。しかし仏教の世界では、その夢は睡眠中の幻想ではなく、仏や聖者と心を通わせる特別な体験として大切にされてきました。
展示は、釈尊の母・摩耶夫人が見たとされる「托胎霊夢(たくたいれいむ)」の物語から始まります。白い象が天から舞い降り、摩耶夫人の体内に入る夢――それが釈尊誕生の前兆とされる逸話です。この夢で、摩耶夫人はまもなく釈尊が生まれることを知ります。こうした瞬間から、仏教と夢との関係は長い歴史を重ねてきました。

仏伝浮彫「托胎霊夢」 スワートまたはディール 1〜2世紀
会場では、「夢と霊験譚」「仏教経典に説かれる夢」「高僧たちが見た夢」「夢がきっかけとなった儀礼」「夢と聖地」といった多彩な切り口で、夢がどのように信仰や祈りと結びついてきたのかを紹介しています。古代インドから中国、日本へと伝わる中で、夢が果たしてきた役割をたどることができます。

ナーガ上のヴィシュヌ インド 19世紀 東京国立博物館所蔵 Image: TNM Image Archives
今回の特別展「仏教と夢」でも、夢にまつわる経典の写本や、夢を題材にした絵巻、儀礼に使われた法具などが登場します。高僧・玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が天竺への旅の途中で見た“夢”や、日本の修行僧が見た“夢”など、心の中の物語をのぞき見るような展示です。

重要文化財 阿難七夢経(部分) 平安時代後期(12世紀) 愛知・七寺所蔵 画像提供:国際仏教学大学院大学 日本古写経研究所
夢は形のないものですが、そこに映るのは願いであり、恐れであり、信じる力。展示を見進めるうちに、私たちが日々見る夢も、どこかで仏教の世界とつながっているような気持ちになります。
11月15日(土)には、「101講義室」で学芸員が展覧会の見どころを解説するスペシャルトークが開催されます。聴講は無料で、事前申込不要。ただし、当日の観覧券が必要で、各回先着50名までの参加となっています。
博物館の落ち着いた雰囲気の中、専門家の解説に耳を傾けるひととき。展示室の見学とあわせて聴くことで、作品の世界がより深く広がります。
また、専門家によるトークセッションも予定されており、展示だけでは知ることのできない“夢の読み解き方”を深めることができます。静かな午後に、仏教が語る“夢”の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

唐僧取経図冊 上冊のうち 元時代(14世紀) 画像提供:京都国立博物館所蔵 ※頁替えあり
展覧会のテーマは、誰もが見る「夢」。しかし仏教の世界では、その夢は睡眠中の幻想ではなく、仏や聖者と心を通わせる特別な体験として大切にされてきました。
展示は、釈尊の母・摩耶夫人が見たとされる「托胎霊夢(たくたいれいむ)」の物語から始まります。白い象が天から舞い降り、摩耶夫人の体内に入る夢――それが釈尊誕生の前兆とされる逸話です。この夢で、摩耶夫人はまもなく釈尊が生まれることを知ります。こうした瞬間から、仏教と夢との関係は長い歴史を重ねてきました。

仏伝浮彫「托胎霊夢」 スワートまたはディール 1〜2世紀
会場では、「夢と霊験譚」「仏教経典に説かれる夢」「高僧たちが見た夢」「夢がきっかけとなった儀礼」「夢と聖地」といった多彩な切り口で、夢がどのように信仰や祈りと結びついてきたのかを紹介しています。古代インドから中国、日本へと伝わる中で、夢が果たしてきた役割をたどることができます。

ナーガ上のヴィシュヌ インド 19世紀 東京国立博物館所蔵 Image: TNM Image Archives
目に見えない“心の景色”を展示するミュージアム
龍谷ミュージアムは、仏教の誕生から現代までを分かりやすく紹介する仏教総合博物館です。建物は現代的でありながら、館内に足を踏み入れると静かな祈りの空気が流れています。展示室では、経典、絵画、彫刻、考古資料などがバランスよく並び、専門知識がなくても「仏教ってこういうものなんだ」と感じられる構成になっています。今回の特別展「仏教と夢」でも、夢にまつわる経典の写本や、夢を題材にした絵巻、儀礼に使われた法具などが登場します。高僧・玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が天竺への旅の途中で見た“夢”や、日本の修行僧が見た“夢”など、心の中の物語をのぞき見るような展示です。

重要文化財 阿難七夢経(部分) 平安時代後期(12世紀) 愛知・七寺所蔵 画像提供:国際仏教学大学院大学 日本古写経研究所
夢は形のないものですが、そこに映るのは願いであり、恐れであり、信じる力。展示を見進めるうちに、私たちが日々見る夢も、どこかで仏教の世界とつながっているような気持ちになります。
展覧会をより深く楽しむ関連イベント
会期中には、展覧会と連動したイベントも開催されます。11月15日(土)には、「101講義室」で学芸員が展覧会の見どころを解説するスペシャルトークが開催されます。聴講は無料で、事前申込不要。ただし、当日の観覧券が必要で、各回先着50名までの参加となっています。
博物館の落ち着いた雰囲気の中、専門家の解説に耳を傾けるひととき。展示室の見学とあわせて聴くことで、作品の世界がより深く広がります。
また、専門家によるトークセッションも予定されており、展示だけでは知ることのできない“夢の読み解き方”を深めることができます。静かな午後に、仏教が語る“夢”の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

唐僧取経図冊 上冊のうち 元時代(14世紀) 画像提供:京都国立博物館所蔵 ※頁替えあり
展覧会名 |
仏教と夢 |
会期 |
9月20日(土)〜11月24日(月・祝) |
館名 | 龍谷ミュージアム |
開館時間 | 10:00 -17:00 ※最終入館受付は16:30まで |
住所 |
京都市下京区堀川通正面下る(西本願寺前) |
アクセス |
JR・近鉄・地下鉄 烏丸線「京都」駅から徒歩約12分 |
休館日 | 月曜日(ただし、10月13日(月)、11月3日(月)、11月24日(月)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火) |
電話番号 |
075-351-2500 |
入場料 | 一般1,600円/高大生900円/小中生500円/小学生未満無料 |
公式サイト |
https://museum.ryukoku.ac.jp/ |






