【宇治市源氏物語ミュージアム】企画展「源氏物語と工芸」で出会う、物語が形になる瞬間
宇治市源氏物語ミュージアム

【宇治市源氏物語ミュージアム】企画展「源氏物語と工芸」で出会う、物語が形になる瞬間

京都府宇治市にある宇治市源氏物語ミュージアムは、平安時代を代表する文学作品『源氏物語』の世界を、展示や映像を通して体験できる施設です。

企画展として開催されている「源氏物語と工芸」では、物語から着想を得た現代の工芸作品を通して、『源氏物語』が今も表現の源であり続けていることを伝えています。

寝殿造りをイメージした建築と、来館者を迎える空間構成

ミュージアムの外観は、エントランスを中央に据え、左右に展示空間が広がる構造で、平安時代の貴族の住まいである寝殿造りを意識して設計されています。

来館者の年代は幅広く、ご年配の方から、長期休暇中の学生、さらに海外からの来館者まで、多様な人が訪れています。

物語の流れを体感できる有料展示エリアと無料コーナー

エントランスから向かって右側には、有料の展示ゾーンが設けられています。

平安の間

実物大の牛車が展示され、当時の貴族の移動手段を間近に見ることができます。


宇治の間

平安の間から「架け橋」を渡った先にある「宇治の間」では、物語最後の十帖である「宇治十帖」をテーマに、展示室全体を使って、音声と照明を組み合わせた演出が展開されています。「平安の間」から「宇治の間」へ向かう通路は、橋を渡るような構成になっており、物語の時代や世代が移り変わる感覚を自然に意識できる流れです。

 

映像展示

宇治の間に入場口がある「映像展示」では、約20分のオリジナル映像作品が上映され、『源氏物語』の世界観を映像で整理しながら理解できます。


図書室や喫茶も充実した、無料ゾーンの楽しみ

エントランス向かって左側には、図書室や講座室、喫茶「雲上茶寮」などが集まっています。図書室には『源氏物語』や平安時代の歴史・文化などに関する資料が揃い、展示で興味を持った内容をさらに深めることができます。

喫茶では、宇治ならではの抹茶や煎茶、ほうじ茶といった日本茶が用意されており、関連商品として「宇治十帖」に登場する人物名を冠したお茶も販売されています。展示とあわせて楽しんでいただけます。

現代工芸で表現される「源氏物語」の世界

企画展「源氏物語と工芸」では、『源氏物語』を題材に制作された着物や帯、陶磁器、漆工など、29件35点の作品が紹介されています。宇治十帖の一編「浮舟」をテーマにした訪問着や、藤袴を意匠に取り入れた重箱など、物語の場面や人物を工芸として表現した作品が並びます。
宇治十帖訪問着(浮舟、宇治市源氏物語ミュージアム蔵)

担当の坪内さんは、「物語を知っている方なら、作品を見て場面を思い浮かべ、作家と対話するような感覚を持ってもらえる」と話します。一方で、まだ物語を読んだことがない方にとっても、「これはどんな場面なのだろう」と関心を持つきっかけになる展示です。

初めての人にも開かれた楽しみ方

坪内さんは、来館者に向けて「古典に対する先入観を持たずに来てほしい」と語ります。学生時代に難しく感じた『源氏物語』も、大人になってから触れることで、登場人物の感情や人間関係に共感できる部分が見えてくることがあります。

また、平等院や宇治上神社など、宇治の歴史ある場所を歩いたあとにミュージアムを訪れることで、「宇治十帖」の舞台となった土地と物語を重ねて感じることができます。

物語を身近に感じるための入り口として

『源氏物語』全体は長編ですが、「宇治十帖」は比較的独立した構成で、読み始めやすい部分として知られています。展示をきっかけに、そこから物語に触れてみるのも一つの方法です。

宇治市源氏物語ミュージアムは、物語を知っている人も、これから知ろうとする人も、それぞれの距離感で楽しめる場所です。企画展「源氏物語と工芸」で、古典文学『源氏物語』を現代の表現として味わい、今の自分とつながる身近な物語として楽しんでみませんか。
展覧会名 源氏物語と工芸
会期 2025年12月17日(水)~2026年2月15日(日)
館名 宇治市源氏物語ミュージアム 企画展示室
開館時間 9:00-17:00(入館は16:30まで)
住所 宇治市宇治東内45‐26
アクセス 京阪「宇治駅」から徒歩約8分
休館日 月曜日(祝日の場合はその翌日)
電話番号 0774‐39‐9300
観覧料 大人600円/小人300円
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