人力車で京都を伝える。えびす屋・金谷さんが語る俥夫の仕事と魅力
京都・嵐山で、人力車を走らせながら街の魅力を伝える「えびす屋」。今回は、約18年にわたって人力車の仕事に携わる金谷さんに、旅人との出会いや好きな京都の風景、俥夫という仕事について伺いました。

大学時代にアルバイトとしてえびす屋に入り、卒業後もそのまま勤務。アルバイト時代を含めると、約18年にわたって人力車の仕事に携わっています。

台湾や韓国をはじめ、さまざまな国や地域から観光客が訪れています。
案内では英語を使うことが多いなか、ちょっとしたコミュニケーションも大切にしています。
国内からも、近畿圏をはじめ全国各地から多くの人が訪れます。
一人ひとりとの距離を縮めながら京都の魅力を伝えることも、俥夫の大切な役割です。

金谷さんにも、今も忘れられない親子との出会いがありました。
ある日、余命を告げられたお母さんと8歳の娘さんから、これが最後の旅行になるかもしれないという事情が添えられた予約が入りました。
当日、金谷さんは人力車が安全に走行できているかを見守る役割を担当。竹林近くの野宮神社前で、親子を乗せた人力車が通るのを見守っていました。
その姿を見て、思わず涙があふれたといいます。
この経験を通して、金谷さんが改めて感じたのが、一人ひとりの背景まで想像することの大切さでした。
歴史を詳しく聞きたい人、会話を楽しみたい人、静かに景色を眺めたい人。相手の様子を見ながら案内を変えることも、金谷さんが大切にしていることです。
えびす屋では、人力車の引き方や道、写真撮影のポイントなどの実技に加え、京都の歴史も学びます。
俥夫としてデビューするまでの研修期間は約2か月。実技や歴史のほか、料金計算など、実際の案内に必要なことを身につけていきます。
ただ、研修を終えれば勉強も終わり、というわけではありません。実際にお客様を案内すると、さまざまな質問を受けたり、その場に合わせた対応が求められたりします。
金谷さんも、実際の仕事が始まってから学ぶことが多いと話します。街を走り、お客様と接する一つひとつの経験が、俥夫としての新たな学びにつながっています。

さらに、『平家物語』に登場する高倉天皇と小督局にまつわる物語も。時代を越えたさまざまな物語が残る、歴史好きならじっくり巡りたくなる場所です。
11月頃に期間限定で公開されることがありますが、公開されるかどうかはその年によって異なるそう。「タイミングよく公開されていたらラッキー」と金谷さん。紅葉の季節に訪れる際は、事前に公開状況を確認しておきたい場所です。
観光客でにぎわう定番スポットとはまた違い、落ち着いて京都の時間を楽しめるのが魅力。
有名な場所を巡るだけでなく、ときには少し足を延ばしてみる。京都を日々見つめている金谷さんだからこそ知る、京都の楽しみ方です。

現在は俥夫としての案内に加え、予約管理や配車、乗り降りのサポートなど、現場全体を支える仕事にも携わっています。
長くこの仕事を続けてきた今も、京都について学び、お客様にどう伝えるかを考え続けている金谷さん。
京都が好き、人と話すことが好き、そして京都の魅力を誰かに伝えたい。そんな思いを仕事にできるのも、俥夫ならではの魅力です。
人力車を見かけたら、京都を案内する俥夫の仕事にも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。

嵐山で育ち、人力車の世界へ
――金谷さんは、もともと嵐山のご出身なんですか?
「嵐山の近くの嵯峨で育ちました。人力車は子どもの頃から身近な存在でしたね」
実は、えびす屋が始まったのもここ嵐山。1992年に創業し、現在は京都だけでなく、奈良や小樽、浅草、鎌倉など全国各地で人力車を走らせています。「嵐山の近くの嵯峨で育ちました。人力車は子どもの頃から身近な存在でしたね」
――そこから、どのようなきっかけで俥夫になったのでしょうか?
「もともと歴史が好きで、しゃべることも好きでした。バスケットボールをしていたので体力もあって、『人力車に向いているんじゃない?』と言われたのがきっかけです」
当時していた遺跡発掘のアルバイト先でのひと言を受け、大学時代にえびす屋で俥夫のアルバイトを始めました。「もともと歴史が好きで、しゃべることも好きでした。バスケットボールをしていたので体力もあって、『人力車に向いているんじゃない?』と言われたのがきっかけです」
大学時代にアルバイトとしてえびす屋に入り、卒業後もそのまま勤務。アルバイト時代を含めると、約18年にわたって人力車の仕事に携わっています。

国内外から訪れる観光客との出会い
近年、金谷さんが特に感じているのが海外から訪れる人の増加です。時期によっては、利用者の半数以上を海外からの旅行者が占めることもあるそう。台湾や韓国をはじめ、さまざまな国や地域から観光客が訪れています。
案内では英語を使うことが多いなか、ちょっとしたコミュニケーションも大切にしています。
「写真を撮るときの『1、2、3』や、『こんにちは』『ありがとう』をその方の国の言葉で伝えると、すごく喜んでもらえるんです」
国内からも、近畿圏をはじめ全国各地から多くの人が訪れます。
一人ひとりとの距離を縮めながら京都の魅力を伝えることも、俥夫の大切な役割です。

忘れられない、旅人との出会い
京都のさまざまな魅力を伝える一方で、人力車の仕事では、お客様との出会いそのものが心に残ることもあります。金谷さんにも、今も忘れられない親子との出会いがありました。
ある日、余命を告げられたお母さんと8歳の娘さんから、これが最後の旅行になるかもしれないという事情が添えられた予約が入りました。
当日、金谷さんは人力車が安全に走行できているかを見守る役割を担当。竹林近くの野宮神社前で、親子を乗せた人力車が通るのを見守っていました。
「娘さんが身を乗り出すくらい楽しそうにして、ずっと質問していたんです。お母さんも楽しそうでした」
その姿を見て、思わず涙があふれたといいます。
この経験を通して、金谷さんが改めて感じたのが、一人ひとりの背景まで想像することの大切さでした。
歴史を詳しく聞きたい人、会話を楽しみたい人、静かに景色を眺めたい人。相手の様子を見ながら案内を変えることも、金谷さんが大切にしていることです。
「お客様がどういう思いでここに来られているのか。そこまで考えることが大切なんだと、改めて感じました」
人力車で過ごす時間は同じでも、そこに込められた思いは一人ひとり異なります。その日、その場所で出会った人に向き合うことも、俥夫という仕事の大切な一面です。俥夫の仕事と、デビューまでの研修
一人ひとりに合わせて京都を案内するためには、体力だけでなく、街についての知識やコミュニケーション力も欠かせません。えびす屋では、人力車の引き方や道、写真撮影のポイントなどの実技に加え、京都の歴史も学びます。
俥夫としてデビューするまでの研修期間は約2か月。実技や歴史のほか、料金計算など、実際の案内に必要なことを身につけていきます。
ただ、研修を終えれば勉強も終わり、というわけではありません。実際にお客様を案内すると、さまざまな質問を受けたり、その場に合わせた対応が求められたりします。
金谷さんも、実際の仕事が始まってから学ぶことが多いと話します。街を走り、お客様と接する一つひとつの経験が、俥夫としての新たな学びにつながっています。

金谷さんがおすすめする、3つの京都
長く京都を案内してきた金谷さんに、京都の好きな場所について聞いてみました。有名な観光地とは少し違う、金谷さんならではの3つのおすすめスポットを紹介します。歴史の奥深さに惹かれる「清閑寺」
「僕自身が一番衝撃を受けたお寺が、清閑寺です」
清閑寺には、西郷隆盛と月照上人にまつわる歴史や、洋画家・黒田清輝とのゆかりが残されています。さらに、『平家物語』に登場する高倉天皇と小督局にまつわる物語も。時代を越えたさまざまな物語が残る、歴史好きならじっくり巡りたくなる場所です。
紅葉の季節に訪れたい「直指庵」
紅葉を見るなら「一番おすすめ」と金谷さんが教えてくれたのが、嵐山・嵯峨野エリアにある「直指庵」です。11月頃に期間限定で公開されることがありますが、公開されるかどうかはその年によって異なるそう。「タイミングよく公開されていたらラッキー」と金谷さん。紅葉の季節に訪れる際は、事前に公開状況を確認しておきたい場所です。
静かな時間を楽しめる「等持院」
もうひとつ教えてもらったのが、立命館大学の近くにある「等持院」です。観光客でにぎわう定番スポットとはまた違い、落ち着いて京都の時間を楽しめるのが魅力。
有名な場所を巡るだけでなく、ときには少し足を延ばしてみる。京都を日々見つめている金谷さんだからこそ知る、京都の楽しみ方です。

京都と旅人をつなぐ、これからも
約18年にわたり人力車の仕事に携わってきた金谷さん。これから叶えたい目標についても伺いました。「日本の歴史や物語を、海外の方にも同じくらいの解像度で伝えられるようになりたいです」
有名な場所を案内するだけではなく、そこにどんな人がいて、どんな物語が残っているのかまで伝える。現在は俥夫としての案内に加え、予約管理や配車、乗り降りのサポートなど、現場全体を支える仕事にも携わっています。
長くこの仕事を続けてきた今も、京都について学び、お客様にどう伝えるかを考え続けている金谷さん。
京都が好き、人と話すことが好き、そして京都の魅力を誰かに伝えたい。そんな思いを仕事にできるのも、俥夫ならではの魅力です。
人力車を見かけたら、京都を案内する俥夫の仕事にも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。
店名 |
えびす屋 渡月橋北詰 人力車乗り場 |
営業時間 |
9:30 ~ 最終受付は季節により変動。詳細はお問い合わせください。 |
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住所 |
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町1−5 |
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アクセス |
阪急嵐山線 嵐山駅下車 徒歩8分 |
定休日 |
年中無休 |
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電話番号 |
075-864-4444 |
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公式サイト |
https://www.ebisuya.com/ |






