
菓子屋のな 物語や情景を感じられる独創的な和菓子
堀川五条ちかくの路地に2020年5月にオープンした新感覚の和菓子店「菓子屋のな」。
店主の名主川千恵さんと、元イタリア料理シェフの夫である野崎高行さんが営むこのお店は、伝統的な和菓子の技法をベースにしながらも、洋菓子やパンの要素を取り入れた独創的な商品で注目を集めています。
名主川千恵さんは、京都の老舗和菓子店で修行を積んだ後、「菓子屋のな」を開業。和菓子作りには、文学や音楽、自然から得たインスピレーションが反映されており、商品名に短歌や俳句、文学作品からの引用を取り入れて、和菓子を通じて物語や情景を感じられるよう工夫されています。
また、夫の野崎高行さんは元イタリア料理のシェフであり、その経験を活かして洋菓子やパンの要素を取り入れた商品開発を行っています。二人のコラボレーションにより、和と洋が調和した独自のスタイルが生まれています
アントニオとララ
「菓子屋のな」の代表作の一つが、「アントニオとララ」。
この商品は、森鴎外が翻訳したアンデルセンの小説『即興詩人』に登場するキャラクターをモチーフにした和菓子で、二種類の餡玉で構成されています。
一つは焦がしキャラメル餡で、主人公アントニオの苦悩や人生のほろ苦さを表現。もう一つはマンゴートロピカル餡で、盲目の少女ララの情熱や希望を表現しています。さらに、ハーブの香りが添えられ、味覚だけでなく嗅覚でも楽しめる一品です。
アントニオとララ 940円
あんバターチャバタ
もう一つの人気商品が「あんバターチャバタ」です。
イタリアのハード系パン「チャバタ」に、特製のこしあん、バター、くるみ、ラムレーズンをはさんだ商品で、パンの香ばしさとあんこの上品な甘さ、バターの塩味が絶妙に調和し、深みのある味わいとなっています。
また、季節ごとに限定バリエーションもあり、どれも完成度が高くて毎回感動もの。
あんバターチャバタ380円
苺あんポーネチャバタ 580円
上生菓子や季節の羊羹も充実
季節ごとに登場する創作和菓子も魅力的で、春には苺を使った「春まろげ」、秋には無花果と赤ワインを練り込んだ羊羹「一熟ぶどう」など、旬のフルーツやハーブを活かした商品が並びます。
見た目の美しさだけでなく、季節感と新しく深みのある味わいに、訪れるたびに新しい発見があります。
苺さくら餅
白稲荷餅/黒稲荷餅
2025年の初午である2月5,6日限定販売された和菓子。全国の稲荷神社で豊作、商売繁盛、家内安全などを祈願する初午に稲荷神の使いとされるキツネ面のお菓子。白稲荷餅は、白味噌実山椒あん。黒稲荷餅は黒糖ドライフルーツあん。
すべて手作りの数量限定で販売されており、早い時間に売り切れることもあります。Instagramのダイレクトメッセージを通じて事前予約も可なので、確実に購入したい場合は、予約をおすすめします。
「菓子屋のな」は、和菓子の伝統を守りつつも、新しいスタイルを提案することで、和菓子文化の可能性を広げています。「アントニオとララ」「あんバターチャバタ」のほかにも、その季節ごとに斬新な味わいをぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
店名 |
菓子屋 のな |
営業時間 |
12:00 – 18:00 |
住所 |
京都市下京区篠屋町75 |
アクセス |
五条駅徒歩15分 |
定休日 |
月・日曜日 |
公式サイト |
https://www.instagram.com/nonawagashi/ |