「光の幻想列車」嵯峨野トロッコ列車沿線のライトアップ&イルミネーション｜光に包まれる夜の旅路

京都の秋の夜。山あいに沈む夕暮れを追いかけるように、嵯峨野トロッコ列車が静かに走り出します。その名も「光の幻想列車」。

嵯峨野観光鉄道が実施する期間限定のライトアップイベントです。秋の紅葉と冬のイルミネーションが、夜の保津川渓谷を幻想的に彩ります。

山と川が織りなす光の風景

列車は、嵯峨・嵐山から亀岡へと続く自然豊かな渓谷をゆっくりと進みます。窓を開ければ、澄んだ空気の中に川のせせらぎが響き、紅葉の葉音がかすかに揺れる――まさに秋の京都らしい情景。



沿線を彩る約1,000台もの照明が、赤や金、橙の光で木々や岩肌を照らし出します。まるで山全体が輝きをまとったように浮かび上がり、思わず息をのむほど幻想的な光景が広がります。

照明の配置は、沿線を熟知した嵯峨野観光鉄道の社員によるもの。年々進化する演出が魅力で、同じ道を走っても、毎年違った表情を見せてくれます。



自然と人工の光が織りなすその風景は、京都の夜を彩る新たな“夜景美”として、多くの人を魅了しています。

嵯峨野トロッコ列車がもつレトロな温もり

「光の幻想列車」のもう一つの見どころは、列車そのものの存在感です。木のベンチや金属のリベットが残る客車は、どこか懐かしい昭和の面影を残しています。

機関車が走り出すと、カタコトと響くレール音が心地よく、光の中を進むその姿は、まるで物語の一場面のよう。夜空を背景に、列車の窓からこぼれる灯りが流れ、紅葉の森を温かく照らします。

列車が保津峡駅を過ぎると、最も幻想的な区間が始まります。朝日トンネル付近では、対岸の紅葉が川面に映り込み、上下対称の“逆さ紅葉”が現れます。

鉄橋を渡る瞬間、列車の光が紅葉を照らし、水面に揺らぐその影がまるで絵画のように広がります。山の静けさと光のゆらぎが生み出すその一瞬は、まさに「幻想列車」の名にふさわしい情景です。

期間限定で運行される“臨時列車”も

この幻想的な夜を、より多くの人に楽しんでもらうため、期間中は臨時列車も運行されます。

10月25日(土)から12月14日(日)までは「嵯峨野81号」「嵯峨野82号」が、11月22日(土)から30日(日)、そして12月5日(金)～7日(日)には「嵯峨野91号」「嵯峨野92号」も追加運行。

夕暮れの嵐山を出発し、夜の亀岡へと向かう列車に乗れば、光に包まれる特別な時間が待っています。

乗車券は乗車日の1ヶ月前から公式サイトで予約可能です。
紅葉の見頃時期には混雑が予想されるため、事前予約がおすすめです。

開催期間	2025年10月25日(土)～12月29日(月) ※運休日(12月17日(水)を除く)
開催時間	16時30分～最終列車まで
住所	・トロッコ嵯峨駅(始発)　京都市右京区嵯峨天龍寺車道町 ・トロッコ亀岡駅(終点)　亀岡市篠町山本神田
電話番号	075-861-7444
乗車料	大人 (12歳以上)880円／子供 (6-11歳)440円
公式サイト	https://www.sagano-kanko.co.jp/