グルメ和菓子「柏屋光貞」 伝統と季節を味わう京都の老舗和菓子店

「柏屋光貞」 伝統と季節を味わう京都の老舗和菓子店

京都・東山区にある「柏屋光貞(かしわやみつさだ)」は、1806年創業の老舗和菓子店。200年以上にわたって、京都の伝統と四季を大切にした和菓子を作り続けています。特に、季節限定の特別な和菓子は多くの人に愛され、京都ならではの文化を感じられる逸品として人気を集めています。

 

歴史ある和菓子店が守る伝統の味

柏屋光貞は、代々受け継がれる職人技と京都の風土に根ざした菓子作りが続けられ、その伝統を守っています。お店の和菓子は、京都の季節や文化と深く結びついており、節分や祇園祭といった伝統行事とともに特別な味わいを作り出しています。

 

節分限定の縁起菓子「法螺貝餅」

節分の時期にだけ販売される「法螺貝餅」は、山伏が吹く法螺貝の形を模した和菓子。外側は薄い焼き皮で包まれ、中には白味噌餡と細く刻まれた牛蒡が入っています。白味噌のまろやかな甘さと、牛蒡のほのかな香ばしさが絶妙なバランスを生み出し、甘じょっぱい味わいが楽しめます。

また、法螺貝は古くから戦国武将の陣笛として使われたり、修験道の修行で吹かれたりと、厄除けや吉兆を呼ぶ象徴として知られています。そのため、法螺貝餅も節分の厄払いの縁起菓子として、多くの人がこの時期に求める特別な一品となっています。

法螺貝餅

祇園祭でしか味わえない「行者餅」

祇園祭の宵山(7月16日)限定で販売される「行者餅」は、無病息災を願う霊菓として知られています。鉄板で焼いた薄い生地の中には、白味噌餡と求肥が包まれ、仕上げにほんのり香る山椒の風味がアクセントになっています。

この行者餅は、修験者が身につける麻の法衣「篠懸(すずかけ)」を模した形状をしており、古くから信仰と結びついたお菓子として京都の人々に愛されてきました。毎年この時期になると、行列ができるほど人気が高く、手に入れた人だけが味わえる特別な和菓子です。

 

 

新感覚の和菓子「おおきに」の誕生

また、柏屋光貞の伝統を守りつつ、新しい挑戦として生まれたのが「おおきに」。寒天をベースにした半生菓子で、サイコロ状にカットされた可愛らしい見た目が特徴です。外は砂糖でコーティングされ、シャリっとした歯触りの後に、やわらかく優しい甘さが広がります。

味は、白(プレーン)、ピンク(梅)、緑(柚子)、茶色(黒糖)の4種類。カラフルな色合いは京都の四季を表現しており、見た目も華やかで贈り物にもぴったりです。冷やして食べるとシャーベットのような食感になり、夏にぴったりの涼やかな味わいが楽しめます。

おおきに

 

「おおきに」に込められた想いと開発の背景

「おおきに」は、関西弁で「ありがとう」を意味する言葉。この名前には「貴く大いなる人」という意味の「大貴仁」という漢字が当てられており、感謝の気持ちを込めた和菓子として誕生しました。贈る人も、贈られる人も、温かい気持ちになれるお菓子です。

開発のきっかけとなったのは、9代目店主が夏の名物「京氷室(きょうひむろ)」をもっと気軽に楽しめる形にしたいと考えたこと。そこに10代目が新たな技法を取り入れ、11代目がコンセプトを固めることで現在の形が完成しました。寒天をベースに、砂糖と水を加えて熱いうちに空気を含ませる「すり蜜琥珀」の技法を応用し、まるで和菓子と洋菓子を融合させたような新食感が実現しました。

3種詰め合わせ(おおきに、音羽山、そら豆)セット

 

そら豆

音羽山

 

里女もなか

 

柏屋光貞は、京都の伝統と四季を大切にした和菓子を提供する老舗です。節分にしか味わえない「法螺貝餅」や、祇園祭の特別な「行者餅」など、その季節ならではの和菓子を通じて、京都の歴史と文化を感じることができます。京都を訪れる際には、ぜひこの老舗の味を体験してみてください。

 

店名

柏屋光貞

営業時間

10:00~売切れ次第

住所

京都市東山区安井毘沙門町33-2

アクセス

祇園四条駅から徒歩10分

定休日

日曜 祝日 

電話番号

075-561-2263