
画像:狩野光信筆、1598年、高台寺蔵
豊臣秀吉ゆかりのスポットを巡るコース(東山エリア)
豊臣秀吉は、農民から天下人へと駆け上がった、日本の歴史上屈指の人物です。天下統一を果たした秀吉が拠点とした京都には、秀吉ゆかりのスポットが数多く点在しています。今回はそのなかでも、秀吉とその妻ねねにゆかりの深い東山エリアで、秀吉にまつわるスポットを巡るコースをご紹介します。
目次
豊臣秀吉を祀る豊国神社
豊国神社は、豊臣秀吉を祀る神社です。徳川幕府によって一時廃絶されたものの、明治時代に秀吉の功績が再び評価されることとなり、復興して現在に至ります。
境内には秀吉の像があるほか、国宝三唐門の一つに数えられている荘厳な唐門も見どころです。宝物館では重要文化財の「豊国祭礼図屏風」や、刀剣ファン必見の「名物骨喰藤四郎」など、秀吉にゆかりのある貴重な品々を鑑賞できます。
豊臣秀吉が眠る豊国廟
豊国廟は、豊臣秀吉が眠る場所です。秀吉の遺言により、京都の街を見渡せる阿弥陀ヶ峰山頂に築かれました。豊臣家の滅亡とともに荒廃していましたが、明治30年、秀吉の300年忌において立派な五輪の石塔が建立されています。
廟の辺りからは京都市内を一望でき、隠れた絶景スポットでもあります。麓から500段以上という長い石段を登りますが、歴史好きや秀吉のファンなら一度は訪れたい場所です。
豊臣秀吉の子・鶴松にまつわる智積院
智積院は、元々は和歌山県にある寺院の塔頭でしたが、豊臣秀吉との対立によって全焼したという歴史があります。豊臣家の滅亡後、徳川家康から智積院の住職・玄宥に与えられたのが現在の土地で、そこには幼くして亡くなった秀吉の息子・鶴松を弔うために建立された、祥雲寺がありました。
智積院はこの祥雲寺を吸収合併する形で再興され、秀吉との因縁を感じるような経緯を辿った寺院です。
近隣には観光スポットとして多くの人が訪れる三十三間堂がありますが、智積院は静かで落ち着いた雰囲気のなかで参拝できます。ツツジやサツキが美しい庭園も見どころですよ。
豊臣秀吉を弔う寺・高台寺
高台寺は、八坂神社や清水寺といった京都でも有数の観光スポットが並ぶエリアにあります。北政所ねねが秀吉の菩提を弔うために建立した寺院で、豊臣家滅亡により廃止された豊国廟や豊国神社に代わり、秀吉をここで祀りました。
境内には伏見城から移築された建築があるほか、随所にねねが秀吉の面影を感じながら過ごすための工夫が凝らされています。紅葉の時期や、ライトアップされる夜間拝観はとくに美しく、多くの観光客で賑わう場所です。
秀吉の北政所ねねが過ごした圓徳院
圓徳院は、高台寺の塔頭であり、ねねが晩年を過ごした場所です。高台寺と同様に、ねねと秀吉にとって思い出深い伏見城の一部を移築した建物や、美しい庭園を拝観できます。
境内には秀吉の念持仏とされる三面大黒天が祀られているほか、高台寺の所蔵品などを鑑賞できる「高台寺掌美術館」もあり、見どころが豊富です。高台寺の向かいにあるため、ぜひセットで拝観しましょう。
高台寺の門前・ねねの道
高台寺の門前にある道は、元々は高台寺道という名前でしたが、ねねが晩年このあたりで過ごしたことにちなんで「ねねの道」と名付けられました。北は円山公園、南は清水寺へと続く石畳の美しい道で、周辺には京都らしい風情のある建物が立ち並んでいます。
ねねの道を歩きながら、秀吉とねねが築いた歴史に、ぜひ思いを馳せてください。