
京都鉄道博物館の見どころ
行ったことがある人なら「京都駅から徒歩圏内にこんな面白い場所があったんだ!」と思うのが京都鉄道博物館。子どもと鉄道ファンだけではなく、大人同士やカップルで行っても楽しめるポイントが満載なんです。今回は、そんな京都鉄道博物館の観光スポットとしての魅力と、見どころやお土産情報、そしてチケットの購入方法などをご紹介します!
目次
京都鉄道博物館について
京都鉄道博物館のある場所は、もともと梅小路機関区の扇形車庫を利用して設立された梅小路蒸気機関車館がありました。この施設を拡張リニューアルして2016年にオープンしたのが、今の京都鉄道博物館です。
近隣には、梅小路公園や京都水族館もあり、1日中楽しむことができるエリアになっています。また、2019年に京都駅から1駅の「梅小路京都西駅」ができたことで、さらにアクセスしやすくなりました。
京都鉄道博物館の特徴は、展示車両数が国内最大級で、「トップナンバー」と呼ばれる製造第1号車が多いこと、そして、動く蒸気機関車がけん引する客車にも乗れることが魅力です。
京都鉄道博物館の見どころ・プロムナードのおすすめ展示
入館して、まず目に入るのが、プロムナードに並ぶ名列車。蒸気機関車から新幹線まで、世代を超えた名車たちが勢揃いしています。
C62形蒸気機関車26号機(日本最大級の旅客用蒸気機関車)
迫力満点の大型の蒸気機関車。C62形蒸気機関車26号機は東海道本線や、山陽本線などで活躍し、多くの人々の思い出を乗せて走りました。
全長約21メートルにもおよぶ巨大ボディと、大きな車輪が織りなす迫力は必見。黒光りする金属の質感や、運転台周辺のメカニカルな雰囲気に胸がときめきます。現代の電車とは違い石炭をくべて蒸気で走る仕組みを知ると、昔の鉄道マンの熱意や努力が感じられます。
クハ86形1号車(戦後初の長距離電車)
日本初の長大編成電車として知られている「80系電車」の先頭車両。クハ86形1号車の“ク”が制御車(運転台付きの客車)、”ハ”が普通車を意味しています。
ちょっとレトロなカラーリングや窓の形状に昭和の面影が残っています。特有の“湘南色”(オレンジ×緑)の車内には木製の座席が使われていた時期もあるなど、まさに戦後日本の熱量とともに走ってきた歴史を堪能できる一台です。
0系新幹線電車21形1号車(昭和レトロな最初の新幹線)
1964年の東海道新幹線開業時に投入された0系の大阪方先頭車で、世界的にも高速鉄道の先駆けといわれる存在です。時速210kmという壁を破った車両は「夢の超特急」とも呼ばれ、東京と大阪間をそれまでは6時間30分かかっていたところを約4時間に短縮しました。
丸みのあるフォルムが可愛らしく、レトロ感のあるデザインは、現代の新幹線にはない魅力がたっぷりです。
車内のシートピッチ(座席の間隔)や内装を実際に見ると「昔の新幹線ってこんなだったんだ!」と時代の進歩を実感できます。日本の高度経済成長を支えた頼もしい主役です。

ナシ20形24号車(食堂車)
かつての長距離列車には、車内で食事ができる「食堂車」が連結されていました。シェフが厨房で料理を作り、白いクロスがかかったテーブルで食事をするスタイルが憧れの的だったんです。今でも実際に車両の中でカフェメニューがいただけます。
また、そばにあるお弁当販売ブースでは駅弁が買えるので、駅弁文化もぜひチェックしてみてください。
※取材時のメニュー(1月中旬)
京都鉄道博物館の見どころ・本館1Fのおすすめ展示
500系新幹線電車521形1号車(当時世界最高速度の営業運転を実現した流線型新幹線)
1997年デビュー当時、最高速度300kmを誇り流線形の先頭部分が美しい新幹線として人気が高かった車両です。車内の座席配置やインテリアも独特。先頭車両の先のほうの座席は“鼻先”に近く、乗り物好きにはたまりません。
583系クハネ581形35号車(昼夜両用として活躍した特急電車)
「特急電車なのに寝台車」という画期的なスタイルが注目されました。昼は座席、夜は寝台へ変形させる構造がポイント。寝台部分がどう変形するかというギミックは面白いので、資料や実物展示を見てみると「こういう仕掛けなんだ!」と驚きがあります。
489系クハ489形1号車(ボンネット型フォルムの北陸の特急)
2010年まで運行し「雷鳥」「白山」などで活躍したボンネット型フォルムの特急列車。山岳路線の急勾配にも対応できる設計がされており、クリーム×赤のツートンカラーが印象的。上越線や信越線を経由して金沢・富山方面などにも走っていたため、北国の雪景色の中を力強く走るイメージが強い車両です。
※取材時(1月中旬)
230形蒸気機関車233号機(国産初の量産型蒸気機関車)
明治時代に製造され、国の重要文化財に指定されている蒸気機関車。今のSLと比べるとコンパクトですが、その分シンプルで可愛らしいデザイン。煙突やボイラーの形状に「古き良き蒸気機関車」の面影が色濃く残っています。
黎明期の日本鉄道史を支えた車両でもあり、この時代からすでに「国産化」を目指して頑張っていた技術者たちの思いを感じられます。
100系新幹線電車122形5003号車(2階建て車両や個室を備えた名車)
1985年から導入された100系新幹線電車。0系よりさらに進化したスピードと快適性を両立させ、2階建て車両を2両連結し、アコモデーションの改善を図って登場しました。塗装はクリームと青帯のシンプルなデザインですが、丸みをおびたフォルムに時代の流れを感じます。
※取材時は、山陽新幹線全線開業50周年ロゴマークを連結器カバーにラッピングして展示されてましたが、通常はラッピングはありません。
ディーゼル機関車DD51形765号機(頼もしき“赤い機関車”)
1962年に登場した国鉄のディーゼル機関車。赤い車体に白い帯が巻かれたイメージが強く、全国の非電化区間を中心に貨物から旅客まで幅広く活躍しました。ゴツゴツとした形状に「これぞディーゼル機関車!」という力強さを感じます。また、車両がかさ上げ展示されているため、車両を下から見ることができます。
電気機関車EF66形35号機(ブルートレインのけん引機としても活躍)
1968年に登場した電気機関車で、生鮮品などをはじめとした東海道・山陽本線へ高速貨物輸送に従事しました。正面から見ると前面が斜めにカットされていて、スピード感あふれるデザインにうっとりします。
EF66がけん引する寝台特急は多数あり、日本全国を駆け抜けました。電車ではなくあくまで“機関車+客車”という組み合わせが、今では少し懐かしいスタイルです。この車両もかさ上げ展示されているため、車両の下から見ることができます。
京都鉄道博物館の見どころ・本館2Fのおすすめ展示
ジオラマ
幅約30m、奥行き約10mもの広いスペースに実際の街並みや山・川なども再現した模型の世界。いろんな車両がミニサイズで走り回ります。リアルに作り込まれた駅や建物、季節感のあるジオラマ(桜や雪景色など)では、特定の時間帯になるとジオラマショーも上演。
動き回る列車を眺めていると、まるで自分も“神様の視点”で旅している気分を楽しめるコーナーなので、ぜひ立ち止まって見入ってしまいましょう。
運転シミュレータ
憧れの運転士を体験できる大人気コーナー
本物の運転台に近いレイアウトで、加速レバーやブレーキを操作しながらバーチャル映像の線路を走行する体験ができます。新幹線と在来線の2種類あり、リアルに運転士さんの気分を味わえるので、子どもから大人までみんな夢中になります。※体験には、事前に電子チケット購入が必要になります。
改札体験
駅でおなじみの自動券売機や自動改札機のしくみを実際にやって学べる展示。改札機が透明のケースになっているので、内部構造や、どのように切符を読み取っているのかがわかります。普段何気なく使っている機械でも多くの試行錯誤があったり知らないドラマが隠れているんです。
レストランとスカイテラス
旅気分を味わいながらお腹も満たせる!
本館2Fにあるレストランでは、窓側の席は列車を眺めながら食事ができます。窓の外に新幹線や在来線が見える席なら、まさに“動くレストラン”気分。メニューにも鉄道のイラストやモチーフがデザインされていたりするので、見た目もかわいい!
昼食時は混雑することもあるため、時間をずらして行くか、事前に休憩タイミングを決めておくのがおすすめ。
屋上スカイテラスから眺める京都の街並みと鉄道風景
本館屋上フロアには、線路や周辺景色を見渡せる展望スペース(スカイテラス)が設けられています。京都市街や梅小路エリアを見下ろす眺望は気持ちいい!タイミングがあえば、京都駅を発着する列車を一望できます。
京都鉄道博物館の見どころ・蒸気機関車と扇形車庫
SLファン必見の“絵になる”レトロ空間
半円形に配置された蒸気機関車の車庫。中央には転車台(ターンテーブル)があり、機関車の進行方向を変え、効率よく作業を行うために使われます。
一斉に並ぶSLの姿は圧巻!それぞれに形や大きさが微妙に違うので、ぐるっと見比べるのも楽しい。写真映えもバッチリ。タイミングが合えば、実際に転車台が回転する様子が見られることも。SLの息づかい(蒸気や音)を間近で感じると、テンション上がります!
C62形のトップナンバー「C62 1」
「C62形」は「シロクニ」という愛称で親しまれている蒸気機関車です。C621は1948年に誕生した車両で、日本の旅客用蒸気機関車のトップナンバーの特別感はファン必見!
同じC62形でも号機によって微妙に仕様が違ったり、活躍した地域が違ったりするのが面白いところ。C62形は特急“はと”、“つばめ”などをけん引して高速運転を実現した実績を持った名車です。
体験乗車できる蒸気機関車「SLスチーム号」
本物の蒸気機関車がけん引する客車に乗車することができます。往復1kmを走る間、蒸気機関車での旅気分を味わうことができます。※別途チケット購入要
提供:京都鉄道博物館
京都鉄道博物館の見どころ・旧二条駅舎のミュージアムショップ
歴史を感じる木造駅舎
旧二条駅舎は1904年(明治37年)に建てられた木造駅舎で、現役時代は日本最古級の木造駅舎といわれていました。博物館内に移築・復元され、中はミュージアムショップになっています。洋風建築の細かな装飾や、天井の高さ、窓枠のデザインなど、明治時代の趣きをそのまま感じられる点が魅力。鉄道だけでなく建築や歴史に興味がある方にとってもたまらないスポット。
京都鉄道博物館のおすすめお土産
ここでは、京都鉄道博物館 お土産に関する情報をお届け。鉄道ファンはもちろん、鉄道に詳しくない人も「ちょっと欲しいかも…」と思えるアイテムが盛りだくさんです。
1. 鉄道模型グッズ
実際の車両をモデルにした精巧なミニチュア。プラレールの限定品などもあるので、コレクター心を刺激します。大人向けの本格的なNゲージやHOゲージも揃っているので、インテリアとして飾ってもかっこいい!
2. キーホルダー・ストラップ
やはり定番人気!手頃な価格で、バッグや鍵につけやすい。特定の車両をモチーフにしたキーホルダーは、種類が豊富。お気に入りの車両をゲットする楽しみがあるので、ぜひ探してみてください。
3. 文房具やステーショナリーグッズ
実用的で、普段使いしやすいアイテムが多い。車両デザインをあしらったノートやクリアファイル、ステッカーなど、気軽に友人や家族へのお土産にもおすすめ。
4. お菓子・スイーツ系お土産
電車のイラストが描かれたパッケージのお菓子は、京都土産としても一味違った印象に。車両の形をしたクッキーやチョコレートなど、見た目もかわいいものが多いので、女性同士でも話題になります。
ほかにも鉄道と歴史を学べる幅広い展示
歴史を感じながら、時代を超えた鉄道に触れられる
車両のほかにも「鉄道と文化」がどのように発展してきたのかを学ぶことができる屋内展示が充実しているから、天気を気にせず楽しめるのもポイントです。
京都鉄道博物館のチケット情報と購入方法
京都鉄道博物館のチケット料金をまとめてご紹介します。料金や購入方法をあらかじめ把握しておけば、スムーズに入館できます。
1. 入館料金
一般 |
1,500円 |
大学生・高校生 |
1,300円 |
中学生・小学生 |
500円 |
幼児(3歳以上) |
200円 |
※上記は2025年2月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。団体割引、障害者手帳をお持ちの方の割引もあります。
2. 購入方法
●窓口で当日券を購入
京都鉄道博物館のエントランスで直接チケットを買う方法。急に思い立って行くときは、この方法でOK。
●オンラインで事前に前売り券を購入
公式サイトからオンラインチケットを購入できます。混雑を避けたい方やスマートに入場したい場合は事前購入がおすすめです。
●セブンイレブンで購入
全国のマルチコピー機設置のセブン-イレブンで販売しています。
今回ご紹介した京都鉄道博物館 の見どころは全体ほんの一部。実際は、もっとたくさんの車両や資料展示があり、それぞれが日本の鉄道の歴史を語っています。チケットの購入方法やお土産選びのポイントを押さえておけば、当日もスムーズに楽しめるはず!
京都といえば神社仏閣と思う方も多いかもしれませんが、明治維新後の鉄道文化も面白いんです。京都旅行で、ぜひ足を運んで、実際の迫力を体で感じてみてください!
京都鉄道博物館 情報
店名 |
京都鉄道博物館 |
営業時間 |
10:00~17:00 ※入館は16:30まで |
住所 |
京都市下京区観喜寺町 |
アクセス |
嵯峨野線「梅小路京都西駅」から徒歩2分 JR「京都駅」中央口より西へ徒歩約20分 |
定休日 |
毎週水曜日・年末年始(12/30〜1/1)ほか不定休あり ※祝日、春休み、夏休みなどは開館 |
公式サイト |
https://www.kyotorailwaymuseum.jp/ |