
菊池容斎『前賢故実』巻第五
菅原道真ゆかりの神社仏閣を巡るコース
菅原道真は、平安時代の優れた学者であり政治家でしたが、政争に巻き込まれて大宰府に左遷さた人物です。その死後、京都では天変地異が相次ぎ、恐れた人々が道真の祟りを鎮めるために天神として祀るようになりました。
菅原道真が太宰府へ左遷されるまでに過ごした京都は、邸宅跡など道真ゆかりの多くのスポットが存在する場所です。今回は、京都市内で菅原道真ゆかりの神社仏閣を巡るコースをご紹介します。
目次
北野天満宮
北野天満宮は、菅原道真を祭神として祀る、全国の天満宮の総本社です。道真の怨霊を鎮めるために創建された神社ですが、今では「北野の天神さん」と地元の人から親しまれ、また学問の神様として受験生をはじめ多くの参拝客が訪れます。
境内には、道真公が愛したとされる梅の木が数多く植えられており、梅の名所としても有名です。
菅原院天満宮神社
菅原院天満宮神社は、道真の祖父や父が居住していたとされる、菅原家の邸宅跡に建てられた神社です。諸説ありますが、菅原道真生誕の地とも伝わっています。
境内には、道真の産湯に使われたとされる「初湯の井戸」が今でも湧き続け、飲用に汲むことが可能です。学問成就のほか、病気平癒にもご利益があるそうですよ。
水火天満宮
水火天満宮は、京都の水害と火災を鎮めるために建てられた神社です。後醍醐天皇の命により、道真の師であった尊意僧正によって建立されました。境内には、鴨川の氾濫の際に道真の霊が降り立ったとされる「登天石」を祀っています。
多くの天満宮では学問の神様として道真を祀っていますが、水火天満宮は水難除けや火難除けをご利益としているのが特徴です。また、境内にはしだれ桜があり、隠れた桜の名所ともなっています。
菅大臣神社
菅大臣神社は、菅原道真の邸宅跡や、「菅家廊下」と呼ばれた菅原家の学問所があった辺りに建立されている神社です。すぐそばには、道真の父が祀られている北菅大臣神社もあります。
道真が太宰府へ左遷される際に、「東風吹かば…」と有名な歌を詠んだのもこの地でした。境内では、道真を慕って花びらが京から追いかけたとされる「飛梅」を見ることができます。
文子天満宮
文子天満宮は、天神信仰の起源といわれている神社です。菅原道真の乳母であり巫女でもあった多治比文子が、お告げを受けて小さな祠を建て、道真を祀ったのが始まりとされています。
また、道真が太宰府へ発つ前、文子の元を訪れて腰掛けたとされる「腰掛石」も境内の見どころです。こぢんまりとした神社ですが、静かで穏やかな雰囲気があり、とくに女性から密かな人気を集めています。
曼殊院門跡
曼殊院門跡は、北野天満宮とゆかりの深い寺院です。北野天満宮の創建時、曼殊院の住職をしていた是算が菅原家の出身であったことから、北野天満宮の管理を行う別当職が代々曼殊院の住職に割り当てられてきました。
また、曼殊院門跡のそばにも、道真を祀る天満宮があります。比叡山のふもとにあり、周囲は紅葉も美しい場所なのでぜひ訪れてみてください。