美術館「えき」KYOTO|展覧会「青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto」現代アーティスト・青山悟の初期作品から新作、子どもたちとの共同制作
青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto

《Foundscape (2018年 東京の夕暮れ)》 2024年 ポリエステルに刺繍 (ポリエステル糸) 個人蔵 撮影:宮島径 ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

美術館「えき」KYOTO|展覧会「青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto」現代アーティスト・青山悟の初期作品から新作、子どもたちとの共同制作

京都駅直結の美術館「えき」KYOTOで、展覧会「青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto」が2026年6月27日(土)から7月26日(日)まで開催されます。

古い工業用ミシンを使った刺繍作品で国内外から高い評価を受けている現代美術家・青山悟氏。本展では、初期作品から最新作までを一堂に紹介するとともに、京都の子どもたちと制作したワークショップ作品も展示されます。作品の美しさを楽しむだけでなく、その背景にあるメッセージにも触れられる展覧会です。

工業用ミシンで描く、現代社会へのメッセージ

青山悟氏は1973年に東京で生まれました。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジでテキスタイルアートを学び、その後、シカゴ美術館付属美術大学大学院で美術学修士号を取得しています。

青山氏の大きな特徴は、古い工業用ミシンを使って作品を制作していることです。一般的に刺繍は手芸や家庭的なイメージを持たれがちですが、青山氏はその技法を現代アートへと発展させてきました。

作品で取り上げるテーマは幅広く、刺繍やミシンにまつわるジェンダーの問題、現代社会における労働のあり方、資本主義の仕組みなど、多くの人に関わる社会課題を扱っています。

近年は新型コロナウイルスのパンデミックや世界各地で続く戦争や紛争、それによって生じる社会の分断などにも目を向けています。重いテーマを扱いながらも、作品にはユーモアや皮肉が織り込まれており、鑑賞者がさまざまな視点から考えられるよう工夫されています。

刺繍という技法に対するイメージと、作品が投げかける社会的なテーマとのギャップも、青山氏の作品の魅力のひとつです。

初期作品から新作まで、青山悟の表現をたどる

本展では、青山氏の初期作品から新作までを織り交ぜて展示しています。

遠くから見ると写真や絵画のように見える作品も、近づくと無数の糸によって構成されていることに気づきます。一針一針積み重ねられた繊細な表現からは、刺繍ならではの質感や立体感が感じられます。

一方で、その美しい表現の背後には社会への問いかけが込められています。作品を見ながら「なぜこのモチーフが選ばれたのか」「何を伝えようとしているのか」を考えることで、鑑賞の楽しみがさらに広がるでしょう。

身近な技法である刺繍が現代アートとしてどのように展開されているのかを知ることができる点も、本展の見どころです。

《東京の朝》 2005年 ポリエステルに刺繍(コットン、ポリエステル糸) 中尾浩治氏蔵 撮影:宮島径 ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

《N 氏の吸い殻》 2023年 ポリエステルに刺繍(ポリエステル糸) 作家蔵 撮影:宮島径 ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

《Found Flyer(青山悟 刺繍少年フォーエバー)》 2023年 ポリエステルに刺繍(ポリエステル糸) 作家蔵 撮影:宮島径 ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery
 
《Just a Piece of Fabric》 2022年 ポリエステルに刺繍(ポリエステル糸、蓄光糸)/ジェラルミンケース(モニター、LED、アルミニウムなど) 作家蔵 撮影:宮島径 ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

子どもたちが生み出した「モンスター」にも注目

会場では、青山氏と子どもたちによる共同制作作品も展示されます。青山氏はこれまで各地でワークショップ活動を行っており、子どもたちと一緒に作品を制作する機会を大切にしてきました。

今回新作として紹介されるのは、2026年4月に京都国際フランス学園で実施されたワークショップ「身近なモンスター」から生まれた作品です。子どもたちは、自分たちの日常生活の中で感じていることや気になっていることをもとに、それぞれ独自のモンスターを考えました。

テーマとなった「モンスター」は、必ずしも怖い存在ではありません。身の回りのルールや常識、苦手なもの、不安に感じることなど、子どもたちが日々感じているさまざまな感情が形になっています。大人とは異なる視点で生み出された作品には、子どもたちならではの発想や価値観が表れています。

作品の背景を深く知るギャラリートーク

会期中には、青山悟氏本人によるギャラリートークを開催。各回約45分予定で作品について解説します。

作品制作の背景やテーマについて直接話を聞ける貴重な機会です。展示を見るだけでは気づかなかった視点や新たな発見に触れられます。

【日時】7月5日(日)19日(日)14:00〜/20日(日・祝)10:30〜
【事前申込】不要(当日美術館入館券必要)※混雑状況によっては入館制限が行われる場合あり
    

夜の美術館で楽しむ特別なトークイベント

閉館後の美術館を利用した特別イベント「ナイトミュージアム」も開催されます。通常の展示鑑賞とは異なり、着席形式で青山氏のトークを聞くことができる特別企画です。

展示作品についての解説はもちろん、制作に対する考え方や制作過程などについても話を聞ける予定となっています。

閉館後の静かな美術館で作品と向き合える機会は多くありません。青山氏の作品世界をより深く知りたい方にとって見逃せないイベントです。

【日時】7月19日(日)20:00〜21:00(美術館入口付近にて 19:45 から受付開始)
【参加費】1,500円(会期中に1回使用できる入館券とポストカード付き)
【参加券】ローソンチケットにて販売中※定員になり次第販売終了

アートを通して社会や未来について考える時間を

「青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto」は、刺繍という技法の魅力と現代社会への問いかけの両方を体験できる展覧会です。作品の細やかな表現を楽しみながら、その背景ついて考える時間を持つことができます。

また、子どもたちとの共同制作作品からは、未来を担う世代がどのような視点で社会を見ているのかを知ることができます。

現代アートに触れたい方はもちろん、社会や未来について考えるきっかけを探している方も、美術館「えき」KYOTOで開催される本展に足を運んでみてはいかがでしょうか。

展覧会名

青山悟 刺繍少年フォーエバー in Kyoto

会期

2026年6月27日(土)~7月26日(日)

館名

美術館「えき」KYOTO

開館時間

10:00-19:30(入館締切:閉館30分前)

住所

京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
ジェイアール京都伊勢丹7階隣接

アクセス

烏丸線 京都駅 下車すぐ

休館日

会期中無休

電話番号

075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)

入場料

一般1,100円/高・大学生900円/小・中学生500円

公式サイト

https://www.mistore.jp/store/kyoto/museum.html
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