
鍵善良房の園の賑いと菊寿糖
祇園の老舗が贈る、季節を感じる干菓子「園の賑い」
京都・祇園にある「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」は、江戸時代中期の享保年間に創業した和菓子の老舗。その歴史は300年以上にわたり、今も変わらず京都らしい美意識と職人の技を大切にしたお菓子を作り続けています。
数ある銘菓の中でも、「園の賑い(そののにぎわい)」と「菊寿糖(きくじゅとう)」は、見た目の美しさと繊細な味わいを兼ね備えた特別な干菓子。どちらも京都の四季や伝統文化を感じられる逸品で、贈り物や特別な日の一品として愛されています。
祇園祭の華やぎを映した「園の賑い」
「園の賑い」とは、かつて祇園祭で行われていた華やかな女人行列に由来。色とりどりの装いをまとった女性たちが練り歩く姿は、祭りの賑わいを象徴するものでした。
その華やかさを干菓子で表現したのが、この詰め合わせ。箱を開けると、色とりどりの花や風物詩をモチーフにした干菓子が美しく並び、まるで小さな京都の四季を閉じ込めたような世界が広がります。
見た目も味わいも繊細な干菓子たち
「園の賑い」には、落雁、琥珀糖、生砂糖、ゼリーなど、異なる味や食感の干菓子が詰め合わされています。
落雁は、米粉と砂糖を練って木型で押し固めた伝統的な干菓子。口の中でほろりとほどけ、ふんわりとした甘みが広がります。鍵善良房では精米したての米粉を使用し、風味の良さにもこだわっています。
琥珀糖は、寒天と砂糖を煮詰めて作られた、外はシャリっと、中はやわらかな独特の食感が魅力。夏は金魚や波紋、秋は紅葉など、季節ごとに違うデザインが楽しめます。
生砂糖は、薄く繊細な造形が特徴で、紅葉や桜、稲穂など、日本の四季を象徴するモチーフが形作られています。ゼリーは寒天と砂糖を使い、市松模様や花の形に仕立てられ、見た目にも華やか。
一つひとつが職人の手によって丁寧に作られ、詰められ方にもこだわりがあります。定番の干菓子を四隅に配置し、中央には季節ごとの特別なモチーフを置くことで、まるで一つの絵画のような仕上がりになっています。
園の賑い 1,650円〜
シンプルながら奥深い味わい「菊寿糖」
「菊寿糖」は、鍵善良房の伝統を象徴する干菓子のひとつ。極めてシンプルな材料で作られながら、職人の技術によって特別な味わいに仕上げられています。
原料は阿波和三盆糖と片栗粉だけ。練り上げ、菊の形に成形したのち、ゆっくりと乾燥させて仕上げます。口に入れるとほろりと崩れ、やさしい甘さが広がるのが特徴。余計なものを加えず、素材そのものの風味を活かした繊細な味わいです。
菊の花は「長寿」や「高貴さ」を象徴するため、古くから縁起の良いモチーフとして和菓子に用いられてきました。「菊寿糖」という名前にも、長寿と繁栄を願う意味が込められています。そのため、贈り物や茶席での菓子としても重宝されており、シンプルながら格式のある一品として愛されています。
菊寿糖(20個入) 1,500円
鍵善良房の歴史とともに味わう
鍵善良房は、江戸時代から続く祇園の老舗として、文人墨客や花街の女性たちに愛されてきました。代表銘菓の「くずきり」や「菊寿糖」と並び、「園の賑い」もまた、長い歴史と職人の技を今に伝える一品です。
京都の文化と美意識をぎゅっと詰め込んだこの干菓子を味わえば、きっと京都の奥深さを感じられるはず。大切な人への贈り物として、あるいは自分へのご褒美として、ぜひ手に取ってみてください。
店名 |
鍵善良房 四条本店 |
営業時間 |
9:30~18:00(喫茶:10:00~18:00) |
住所 |
京都市東山区祇園町北側264 |
アクセス |
京阪 祇園四条駅から徒歩3分 |
定休日 |
月曜日(祝日の場合翌日) |
電話番号 |
075-561-1818 |
公式サイト |
http://www.kagizen.co.jp/ |