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お礼状には何を書く?ビジネスシーンでのお礼状の書き方とマナーを解説【例文あり】

ビジネスシーンでは、商談や契約成立後、贈答品の受領時、冠婚葬祭に列席していただいた時など、多岐にわたる場面でお礼状を送ることが推奨されます。

口頭でのお礼に加え、書面での感謝を伝えることで、相手に対する誠意が伝わり、信頼関係の構築に繋がります。

お礼状は、気持ちを込めるだけでなく、適切な書き方やマナーに沿って書くことが重要です。

 

 

お礼状を書くシーンとは?

お礼状を送るシチュエーションは多岐にわたります。

ビジネスでは、次のようなシーンでお礼状を送ります。

  • 贈答品を受け取ったとき
  • 冠婚葬祭に列席いただいたとき
  • 来店や参加していただいた後
  • 商談や打ち合わせの後
  • 契約が成立した後
  • 上司や先輩が退職するとき

お礼状は、取引先や顧客に対してだけではなく、上司や先輩、同僚など、勤務先に対して送ることもあります。

例えば、結婚や出産の祝いをいただいたときや、お世話になった上司が退職するときなどです。

お礼状を送る相手やシーンに合わせてお礼状の内容を考えることが大切です。

 

お礼状を送るタイミング

お礼状は迅速に送るのがマナーです。まずは口頭でお礼を伝え、書面でのお礼状は3日以内を目安に送ります。

ただし、冠婚葬祭に関するお礼状は、結婚式の場合は挙式後1か月以内、葬儀の場合は四十九日を過ぎてから送るのが一般的です。

取引先や勤務先から祝儀や香典等を受け取った場合、機会があれば口頭でお礼を伝え、後日お礼状を送るとよいでしょう。

 

お礼状の構成と書く内容

お礼状は、「頭語」「前文」「主文」「末文」「結語」の順に書きます。

  1. 頭語:拝啓、謹啓などの書き出しの言葉
  2. 前文:時候の挨拶などの導入文
  3. 主文:本題であるお礼の気持ち
  4. 末文:結びの挨拶(今後の関係相手の健康や発展などを願う言葉)
  5. 結語:頭語と対になる言葉(拝啓/敬具、謹啓/謹白など)

最後に、日付と差出人の情報を書きます。

お礼状の構成は、一般的な手紙を書く際にも活用できます。手紙の基本的な構成として覚えておくとよいでしょう。

お礼状では、末文に「略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます」を入れるのが一般的です。

これは直接お会いしてお礼を述べるべきところを、書面で代用することへのお詫びと感謝の気持ちを表すための表現です。

 

お礼状は何に書くのがふさわしいのか

お礼状を送る場合、白地の便箋と封筒を使い、縦書きで書きます。

来店のお礼状を多数送るときや、毎年送るお中元のお礼などは、ハガキで送っても失礼にはなりません。

また、相手との関係性によっては、季節を感じる柄が入った便箋・ハガキを使い、横書きで書いてもマナー違反にはなりません。

初めてお礼状を送る取引先や目上の人に対しては、白地の便箋と封筒を使うとよいでしょう。

 

【シーン別】お礼状の書き方と注意点

お礼状は、相手との関係性やお礼状を送る理由によって内容を考えることが重要です。

お礼の気持ちとともにシーンに合った一言を添えることで、オリジナリティーのあるお礼状になります。

 

取引先に送るお礼状の書き方・例文

取引先には、商談や契約、新規取引の際などにお礼状を送ります。

感謝の気持ちとともに、今後の良好な関係を願う言葉を添えます。

自社のPRは控え、謙虚にお礼の気持ちを伝えることが大切です。

謹啓 初夏の候、貴社におかれましては一層ご隆盛のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

貴社の業務内容やご提案内容について詳しく伺うことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。ご提案いただいた内容を社内で慎重に検討させていただきます。

今後もご期待に沿えるよう取り組んでまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。

まずは略儀ながら書中をもってお礼申し上げます。

謹白

 

お中元やお歳暮のお礼状の書き方・例文

贈答品に対するお礼状では、相手の心遣いに対する感謝を伝えます。

毎年恒例のお中元やお歳暮であっても、毎回お礼の気持ちを伝えることが大切です。

季節に合わせて相手の健康を気遣う言葉も添えるとよいでしょう。

謹啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

平素は格別のご愛顧を賜り感謝申し上げます。

このたびは、お心のこもったお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございます。
貴社のご厚意に深く感謝申し上げます。

頂戴いたしました品は、社員一同で美味しくいただきました。

本年も格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

まずは略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます。

謹白

 

会食やパーティー等のお礼状の書き方・例文

自社が開催したパーティーに出席していただいた際や、会食に招待された際にお礼状を送ります。

当時の会話や感銘を受けた言葉などを添えることで、相手との関係性がより深まるでしょう。

謹啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

先日はご多忙のところ、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

〇〇様のご経験や知見をお聞きできたことは、私にとって大いに参考となりました。
趣味の釣りについてもお話でき、大変楽しいひとときでした。

またお目にかかれる日を楽しみにしております。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

暑さ厳しい折、どうかご自愛ください。


謹白

 

お客様へのお礼状の書き方・例文

イベントへの参加や契約のお礼をして、お客様に対してお礼状を送ることがあります。

感謝の気持ちとともに、信頼や安心を感じてもらえるような言葉を添えるとよいでしょう。

硬くなりすぎないように書くこともポイントです。

拝啓 この度は、弊社の商品をご購入いただき、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。


お送りいただいたご注文は、社員一同で心を込めて対応させていただきます。
商品のお届けまで、しばらくお待ちください。


皆様にご満足いただけるよう、これからも努力してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


寒さが一段と厳しくなってまいりました。お体に気をつけてお過ごしください。


敬具

 

メールでのお礼状の書き方

相手と普段からメールで季節の挨拶を送り合っている場合や、取り急ぎ感謝の気持ちを伝えたい場合は、メールでお礼状を送っても失礼にはなりません。

メールでお礼状を送る際には、件名に「〇〇のお礼」と書いてお礼状であることを示します。

手紙のお礼状で使う頭語と結語(拝啓/敬具など)は省略します。

件名:商談のお礼

〇〇株式会社

〇〇部 〇〇様


平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。


昨日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで、貴社のご提案内容を詳しく理解することができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。


特に、〇〇についてのご提案は非常に参考になり、今後のプロジェクトにおいて大変役立つと感じております。貴社のご協力により、プロジェクトがより一層成功に近づくものと確信しております。


今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

何かご不明な点や追加の情報が必要な際は、いつでもご連絡ください。


まずは、取り急ぎ御礼申し上げます。


〇〇株式会社

〇〇部

差出人の名前

メールアドレス

電話番号

 

お礼状が遅れた場合の対応

お礼状が遅れた場合には、お詫びの言葉を加えて誠意を込めて書くことが大切です。

ただし、過剰にお詫びする必要はありません。

お詫びの言葉は簡潔に書き、お礼の言葉をしっかり伝えることに重点を置くとよいでしょう。

まずは電話やメールでお礼の気持ちを伝え、後日お礼状を送るのも方法の1つです。

謹啓 


盛夏の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。


平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。


この度は、お心のこもったお品をいただき、誠にありがとうございました。本来なら早々にお礼を申し上げるべきところ、遅くなりまして誠に申し訳ございません。


皆様のご期待に添えますよう一層努力してまいりますので、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。


略儀ながら、お礼とお詫びを申し上げます。


謹白

 

シチュエーションに合ったお礼状の書き方を身につけよう

お礼状の書き方を覚えることで、ビジネスにおける信頼関係の構築やスムーズなコミュニケーションにつながります。

お礼状には一般的な型や例文があるため、初めての方でも比較的簡単に作成できるでしょう。

相手の地位や状況に応じた適切な言葉を選ぶことで、感謝と誠意が伝わるお礼状になります。

ビジネスマナーの1つとして、お礼状の書き方を覚えておきましょう。