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事業再構築補助金とは?これまでの募集経緯と制度の概要を徹底解説!

多くの中小企業は先行き不透明な社会で、厳しい経営環境に直面しています。

 

不況の波が押し寄せる中、中小企業や小規模事業者を支援するための補助金として広く活用されているのが、経済産業省および中小企業庁が主管する事業再構築補助金です。

 

この記事では、事業再構築補助金の募集経緯や制度の概要、補助金・補助額などについて詳しく解説します。

 

ポイントは以下の3点です。

 

・事業再構築補助金の概要

・過去の募集経緯

・類型別の補助率、補助上限額など

 

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、新たな分野への大胆な事業再構築に挑戦している中小企業等を支援することを目的とした補助金です。

 

新型コロナウイルス感染拡大による影響や、原油高を発端とする様々な物価高騰などによって社会環境が激変する状況下で、ひっ迫する中小企業の事業を国が応援する制度でもあります。

 

事業再構築補助金は補助額の規模も非常に大きく、メリットも多いことから、多くの事業者が活用している制度です。発足以来継続的に公募が実施されており、利用する企業は増えていくでしょう。

 

参照:事業再構築補助金

これまでの募集経緯

事業再構築補助金は、2021年1月の通常国会で成立した令和2年度第3次補正予算の中で決定された「中小企業等事業再構築促進事業」を指します。

 

2021年3月から第1回公募が開始され、現在では第12回公募受付(令和5年8月31日)まで継続実施されています。

 

これまで数々の改定を重ねていますが、主な改訂履歴について下記に解説します。

 

第1回(令和3年3月26日~4月21日:4回改定)

 

公募期間中に合計4回改訂がありましたが、開始後間もないこともあり、表現の修正や追記がほとんどで、制度上大きな変更点はありませんでした。

 

第2回(令和3年5月20日)

 

「申請前の直近6ヶ月」から「2020年10月の連続する6ヶ月」へと変更されました。

 

第3回(令和3年7月30日)

 

新たに「最低賃金枠」が設定されました。また、通常枠の補助上限額が最大60,000,000円から80,000,000円まで引き上げられました。

その他にも、売上高10%要件の対象期間について「2020年10月以降から2020年4月以降に拡大」されるなど、第2回に比べて多くの変更箇所がありました。

 

第4回(令和3年10月28日、同11月20日)

 

事前着手申請がメールから「jGrants」へと変更されました。加点項目の追加も行われています。

 

第5回(令和4年1月20日、同2月8日)

 

新事業売上高10%要件が緩和され、付加価値額の15%以上でも認められました。

補助対象経費も改訂され「賃借料」が対象経費として認められています。

 

第6回(令和3年3月28日、同5月9日)

 

「緊急事態宣言特別枠」と「卒業枠・グローバルV字回復枠」が廃止され、新たに「回復・再生応援枠」と「グリーン成長枠」が創設されました。

また「売上高10%減少要件」が緩和されています。

 

第7回(令和4年7月1日)

 

「緊急対策枠(原油価格・物価高騰等緊急対策枠)」が追加されました。

 

第8回(令和4年10月3日)

 

最低賃金枠の要件が見直されました。

 

第9回(令和5年2月14日)

 

改定なし

 

第10回(令和5年3月30日~同6月26日)

 

類型に大きな変更がありました。主な内容は下記のとおりです。

 

・「物価高騰対策・回復再生応援枠」を創設

・「産業構造転換枠」を創設

・「サプライチェーン強靱化枠」を創設

・「成長枠」を創設

・グリーン成長枠について、研究開発等の要件を緩和した類型「エントリー」を創設

・成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対する上乗せ支援として「卒業促進枠」を創設

・成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せ支援として「大規模賃金引上促進枠」を創設

 

第11回(令和5年8月10日~同9月20日)

 

「最低賃金要件」の見直しなどがありました。

 

過去の改定に関する詳細は下記をご参照ください。

 

参照:事業再構築補助金の改定履歴 公式サイト

 

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金は6つの類型(申請枠)に分かれています。

以下に事業目的と要件、また全体スキームと、類型ごとの補助額・補助率、補助対象経費について解説します。

 

事業目的とは、まさに事業者がこの支援制度を活用する際に目指すべき方向性やゴールを示すものであり、その目的を達成するために求められる要件(必須条件)が補助金受給において大きなポイントとなります。

 

参照:事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)

 

事業目的・対象

 

事業再構築補助金の主な目的と対象は次のとおりです。

 

目的:ポストコロナ・ウィズコロナにおける変化に激しい経済社会に柔軟に対応するため、中小企業が行う事業再構築を支援することで日本経済の構造転換を促す

 

対象:全国の中小企業・中堅企業・個人事業主・企業組合等

 

申請に必須な要件

 

1. 事業計画について「認定経営革新等支援機関」の確認を受けること

 

応募する事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けることが必要です。

 

なお、補助金額が30,000,000円を超える案件の場合は別途金融機関の確認も必要です。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は金融機関のみで問題ありません。

 

2. 付加価値額(*)を向上させること

 

補助事業終了後の3年~5年で付加価値額の年率平均(**)を3~5%以上増加させること、または従業員一人当たり付加価値額を年率平均3~5%以上増加させることが必要です。

 

(*)企業の生産活動によって新たに生み出された価値

(**)申請枠ごとに異なります。

 

申請が可能な枠一覧

事業再構築補助金における支援条件をまとめたものが下表となります。

類型ごとに対象事業者と補助上限額、補助率が整理されていますのでご参照ください。

出展:事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業) 公式サイト 

 

補助額・補助率

続いて、類型ごとの趣旨と補助額・補助率は下表に示すとおりです。

 

成長枠:(対象)成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者

 

成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を支援します。

 

従業員規模

補助上限額

補助率

20人以下

20,000,000円

中小企業:1/2(大規模な賃上げを行う場合は2/3)


中堅企業:1/3(大規模な賃上げを行う場合は1/2)

21~50人

40,000,000円

51~100人

50,000,000円

101人以上

70,000,000円

 

グリーン成長枠:(対象)研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者

 

グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を支援します。従来同枠で求められていた条件を緩和し、新たに「エントリー枠」として、参入が容易となるような条件を設定しました。

 

グリーン成長枠(エントリー)

 

従業員規模

補助上限額

補助率

中小企業

20人以下

40,000,000円

中小企業:1/2(大規模な賃上げを行う場合は2/3)


中堅企業:1/3(大規模な賃上げを行う場合は1/2)

21~50人

60,000,000円

51人以上

80,000,000円

中堅企業

1億円

 

グリーン成長枠(スタンダード)

 

従業員規模

補助上限額

補助率

中小企業

1億円

中小企業:1/2(大規模な賃上げを行う場合は2/3)


中堅企業:1/3(大規模な賃上げを行う場合は1/2)

中堅企業

1.5億円

 

卒業促進枠:(対象)事業再構築補助金を活用し、中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業するよう事業転換を行う事業者

 

成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助金額を上乗せして支援します。(大規模賃金引上促進枠との併用はできません。)

 

従業員規模

補助金額

補助率

成長枠・グリーン成長枠に準じる

中小企業:1/2

中堅企業:1/3

 

大規模賃金引上げ促進枠:(対象)成長枠やグリーン成長枠で申請した事業者の内、大幅な賃上げを目指す事業者

 

成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通じて大規模な賃上げに取り組む事業者に対し、補助金額を上乗せして支援します。(卒業促進枠との併用はできません。)

 

従業員規模

補助金額

補助率

30,000,000円

中小企業:1/2

中堅企業:1/3

 

産業構造転換枠:(対象)国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者

 

長く続いたデフレ経済化で縮小した国内産業を支援するため、対象経費に廃業費用を追加するなど、重点的な支援策を実施します。

 

従業員規模

補助上限額

補助率

20人以下

20,000,000円

中小企業:2/3

中堅企業:1/2

21~50人

40,000,000円

51~100人

50,000,000円

101人以上

70,000,000円

 

サプライチェーン強靱化枠:(対象)海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者

 

海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化(*)および地域産業の活性化に取り組む事業者上限額を最大を対象として「サプライチェーン強靱化枠」を新設し、補助5億円まで引き上げて支援します。

 

(*)サプライチェーンとは「製品の原材料や部品の調達から販売に至るまでの一連の流れ」を指します。

製品やサービスを安定的に供給するためには、サプライチェーンを強化(=強靭化)する必要性があるのです。

 

補助上限額

補助率

5億円

※建物費を含まない場合は3億円

中小企業:1/2

中堅企業:1/3

 

最低賃金枠:(対象)最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な事業者

 

最低賃金の引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等を対象とした「最低賃金枠」を設け、補助率を引き上げます。

 

「最低賃金枠」は、加点措置を行い、物価高騰対策・回復再生応援枠に比べて採択率において優遇されます。

 

従業員規模

補助上限額

補助率

5人以下

5,000,000円

中小企業:3/4

中堅企業:2/3

6~20人

40,000,000円

21人以上

15,000,000円

 

物価高騰対策・回復再生応援枠:(対象)業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者、原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者

 

コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者に対する支援を継続します(第9回公募までの、回復・再生応援枠と緊急対策枠を統合)。

 

従業員規模

補助上限額

補助率

20人以下

10,000,000円

中小企業:2/3(従業員数5人以下の場合4,000,000円、従業員数6~20人の場合6,000,000円、従業員数21~50人の場合は8,000,000円、従業員数51人以上の場合は12,000,000円までは3/4)


中堅企業:1/2(従業員数5人以下の場合4,000,000円、従業員数6~20人の場合6,000,000円、従業員数21~50人の場合は8,000,000円、従業員数51人以上の場合は12,000,000円までは2/3)

21~50人

15,000,000円

51~100人

20,000,000円

101人以上

30,000,000円

 

補助対象経費

事業再構築補助金における補助対象経費(*)は次のとおりです。

なお、事業拡大につながる事業資産への相応規模の投資が対象となります。

 

(*) 補助対象経費とは、事業に必要な経費のうち、何が補助金申請の対象となっているかを明示した情報を指します。

 

補助対象経費(サプライチェーン強靱化枠以外)

 

補助対象経費の例

 

・建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)

・機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費

・技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費

・外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 

・広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)

・研修費(教育訓練費、講座受講等)

 

補助対象外経費の例

 

・補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費

・不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費

・フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費 等

 

補助対象経費(サプライチェーン強靱化枠)

 

補助対象経費の例

 

・建物費(建物の建築・改修)

・機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入等)

 

補助対象外の経費の例

 

・補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費

・不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入

・フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費

*サプライチェーン強靱化枠では、建物の撤去費、賃貸物件等の原状回復に要する費用、貸し工場・貸店舗等の一時移転費、クラウドサービス利用費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費は補助対象外

まとめ

事業再構築補助金の募集経緯や制度の概要、補助金・補助額などについて解説しました。

 

多くの中小企業や小規模事業者に活用されており、今後もその役割が大いに期待されるのが事業再構築補助金です。

 

この記事を読んで、自社に適用可能だと思われる事業者は是非お役立てください。

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