ビジネスメールで好感度アップ!基本の書き方とシーン別の例文を紹介
ビジネスメールの正しい書き方・送り方を身につけることは、社会人にとって必要不可欠と言えます。
その理由は、送信したメールによって、相手に与える印象や今後の関係が変わるおそれがあるからです。
メールの送り方を間違えると、情報漏洩などのトラブルが起こることもあります。ビジネスメールでは「何を書くか」だけではなく、「マナーやルールを守っているか」を考えることも重要です。
目次
ビジネスメールの基本の書き方6選
ビジネスメールには、一般的な構成や書き方があります。特に、取引先や上司、顧客にメールを送る場合、ビジネスメールにふさわしい書き方を意識することが重要です。
次の基本的な6つのポイントを押さえることで、ルールやマナーに即したメールを書くことができます。
1.件名は用件が伝わるように具体的に書く
件名はメールの内容や緊急性が伝わるように、具体的に書きます。1日に多数のメールを受信する方は、緊急性のないメールをすぐに開封しなかったり、迷惑メールと勘違いして削除したりすることもあります。
「お礼」「お詫び」「お知らせ」だけでは、具体的な内容が伝わりません。何に対するお礼やお詫びなのかを件名に書きましょう。
- 新規契約の御礼/〇〇〇株式会社 自分の名前
- 納期遅延のお詫び(〇〇〇株式会社 自分の名前)
- ご挨拶/△△様よりご紹介いただいた〇〇と申します
件名を書く際に【 】を活用することで、相手の目に留まりやすくなります。
- 【お中元の御礼】〇〇〇株式会社 自分の名前
- 【お詫び】配送遅延につきまして
- 【返信不要】新商品発売のご案内
- 【ご挨拶】〇〇〇株式会社 △△部 自分の名前
必ずしも件名に社名や名前を入れる必要はありません。ただし、初めてメールを送る相手に対しては、社名と名前を入れたほうがよいでしょう。
2.宛名は会社名・部署名・名前・敬称の順に
メールの本文には、まず宛名を書きます。会社名、部署名、相手の名前、肩書、敬称の順に書きましょう。社名や部署名は正式名称を書き、名前も可能であればフルネームで書いたほうが丁寧です。(株)(有)も省略せず、株式会社/有限会社と書きます。
敬称は、相手の名前に付ける場合は「様」、個人名を書かず会社や部署全体に宛てたメールには「御中」を付けます。「〇〇株式会社 御中 △△△様」は誤った使い方です。個人名を書く場合は社名に敬称を付けず、「〇〇株式会社 △△△様」と書きます。
社内宛のメールの場合、部署名、相手の名前、敬称を書きます。名前に付ける敬称は「様」が基本ですが、同僚や後輩に送る場合は「さん」でもよいでしょう。
3.書き出しは挨拶をして名乗る
宛名に続いて、挨拶をして自分の名前を書きます。社外宛に送る場合、社名と部署名を書いてから名乗ります。社内宛のメールでは、同じ部署内であれば名前のみ、違う部署宛の場合は所属部署と名前を書きましょう。
取引先などの社外宛のメールでは、次のように書きます。
- 平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社 ▲▲▲課の△△△と申します。 - いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社 ▲▲▲課の△△△でございます。 - 初めてご連絡いたします。
〇〇株式会社 ▲▲▲課の△△△と申します。
初めて連絡する相手には、「初めてご連絡いたします」「〇〇様よりご紹介いただきご連絡いたしました」など、初メールであることがわかるように挨拶したほうがよいでしょう。
4.本文は要件から書く
メールの本文は、要件(結論)、詳細(説明)の順に書きます。件名同様、最初の一文でメールの要件が伝わるようにしましょう。
読みやすくするために、適度に改行を入れます。段落と段落のあいだを一行空けたり、箇条書きを使ったりするのも効果的です。読みやすさ、見やすさも考慮して本文を書きましょう。
5.内容に合った結びの言葉を入れる
メールや手紙は挨拶で始まり、挨拶で結ぶのが基本です。よく使われる結びの言葉は、次のとおりです。
- 何卒よろしくお願い申し上げます。
- 引き続きよろしくお願いいたします。
- ご確認の程よろしくお願いいたします。
- ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
お礼やお詫びのメールでは、結びで改めて感謝や謝罪の気持ちを伝えます。
- 温かいご厚意に、重ねてお礼申し上げます。
- この度の件につきまして、謹んでお詫び申し上げます。
- この度は多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
確認や返信をお願いしたいときは、次のような結びの言葉を入れます。
- ご査収の程よろしくお願いいたします。
- ご検討の程よろしくお願いいたします。
- ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、ご返信いただけますと幸いです。
季節に合わせた結びの言葉を入れることで、相手への気遣いを示すことができます。
- 厳しい暑さが続いています。くれぐれもご自愛ください。
- 厳寒の折、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
メールの要件や相手に合わせて、結びの言葉を選びましょう。
6.必ず署名を入れる
メールの最後に、自分の情報を書きます。名刺に記載している内容を書くとよいでしょう。
- 会社名
- 部署名
- 名前
- 郵便番号と住所
- 電話番号/FAX番号
- メールアドレス
- 会社ホームページのURL
メールの署名に名刺と同様の内容を記載することで、名刺交換をしていない相手にも自分の情報を伝えることができます。
ビジネスメールを送る際の注意点
ビジネスメールでは、思わぬミスやトラブルが起きることがあります。原因の多くが、送信前の確認不足やメール機能に対する理解不足です。
特に、CcとBccの使い分けや添付ファイルの送信には注意が必要です。
To、Cc、Bccを使い分ける
メールの宛先には、To、Cc、Bccの3種類があります。目的によって使い分けが必要です。
Toには、メールを読んで返信や対応をしてほしい方のアドレスを入れます。複数人のアドレスを設定することも可能です。Ccは、メール内容の把握のみを求めるときに使用します。
例えば、Toに▲▲さん、Ccに★★さんのアドレスが設定されていた場合、▲▲さんが返信や対応をし、★★さんはメール内容の情報共有のみをします。
Bccは、他のアドレスを隠してメールを送るときに使います。To、Cc、BCCのそれぞれにアドレスを設定した場合、ToとCcの方にはBccの方のアドレスが表示されません。Bccでメールを受け取った方には、ToとCcに設定されたアドレスが表示されます。Bccは、ToやCcの方には内緒でBccの方と情報共有したり、Bccの方のアドレスを知られないようにしたりするために使われます。
Bccでは、次のようなトラブルが起こりやすいため、注意しましょう。
- Bccでメールを受け取った方が、ToやCcの方に返信してしまった
- Bccにアドレスを入れたつもりが、Ccに入れて送信してしまった
添付ファイルの取り扱いに注意する
添付ファイルの付け忘れや添付資料の付け間違いに気をつけるほか、ファイルのサイズにも注意が必要です。大容量のファイルを送ると、受信に時間がかかったり、送信自体ができなかったりすることがあります。
相手の受信環境を考慮し、添付ファイルは2MBを超えないようにするのが一般的です。大容量ファイルの送り方には、次の方法があります。
- ファイルを数回に分けて送る
- ファイル転送サービスやクラウドストレージを利用する
- ファイルを圧縮する
- 画像の場合、解像度を下げる
メールを送る相手に添付方法を相談するのも方法の1つです。
メールを使いまわさない
過去に送信したメールを利用することで、メール作成の時間を短縮できます。しかし、宛先や名前を変え忘れたり、不要な文章を消し忘れたりすることもあるため、注意が必要です。
メールの使いまわしはせず、事前にテンプレート(ひな形)をつくり、必要に応じて使うようにしましょう。
ビジネスメールを返信する際の注意点
返信メールには、件名の頭に「Re:」が入ります。件名の内容を変更する必要はありません。
複数人がメールを受信している場合、「送信者のみに返信」または「全員に返信」を選択します。「全員に返信」を選ぶと、送信者とCcに入っている宛先にも返信が送られます。
転送する場合、件名に「Fw:」や「Fwd:」が入ります。転送は、メールの内容を第三者に送るときに使うのが一般的です。メールを受信していない方とメールの内容を共有したいときに使います。
【シーン別】ビジネスメールで使える例文
お礼のビジネスメール
社内外に対してお礼のメールを送るシーンがあります。
感謝の気持ちだけでは形式的なメールになりやすいため、一言感想を添えるとよいでしょう。
件名:【打ち合わせの御礼】〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲
宛名:株式会社△△△ 企画部 ●●●●● 様
挨拶:平素より大変お世話になっております。
名乗り:〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲でございます。
要件:
昨日はご多忙のところ貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
新企画の始動に向けて、具体的な方向性が見えてきたと感じております。
ご提示いただいたご意見について、社内でしっかりと検討いたします。結びの挨拶:
引き続きご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
初めての相手に送るビジネスメール
担当者の変更や初めて取引をする際など、ビジネスでは初めてメールを送るシーンがあります。
登録していないアドレスや知らない方からのメールは、読む前に迷惑メールに振り分けられたり、警戒して本文を読んでもらえないこともあります。
初めてメールを送る際、件名や本文の最初に自己紹介をし、用件を明確に書きましょう。
件名:【担当者変更のご挨拶】〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲
宛名:株式会社△△△ 企画部 ●●●●● 様
挨拶:初めてご連絡いたします。
名乗り:〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲と申します。
要件:
この度、前任の□□□に代わりまして、御社を担当させていただくことになりました。
□□□からは、御社のプロジェクトについて引き継ぎを受けており、今後は私が窓口として対応させていただきます。結びの挨拶:
ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
日程調整を依頼する際のビジネスメール
日程調整をお願いするメールでは、返信を促す言葉や相手の都合を考慮する言葉を入れるとよいでしょう。
確実に返信してもらうために、返信の期限を記載するのも有効的です。
件名:【日程調整のお願い】〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲
宛名:株式会社△△△ 企画部 ●●●●● 様
挨拶:平素より大変お世話になっております。
名乗り:〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲でございます。
要件:
この度、新プロジェクトに関してお打ち合わせをお願いしたく、ご連絡いたしました。
つきましては、以下の日程の中からご都合の良い日時をお知らせいただけますでしょうか。・〇月〇日(〇)
・〇月〇日(〇)ご都合がつかない場合は、他のご希望の日程をお知らせいただければ調整いたします。
結びの挨拶:
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
資料を添付する際のビジネスメール
メールにファイルを添付する場合、件名と本文に何を添付しているのかを記載します。
ファイルを確認後に返信やアクションがほしい場合は、その旨も添えましょう。
件名:【企画案の送付】〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲
宛名:株式会社△△△ 企画部 ●●●●● 様
挨拶:平素より大変お世話になっております。
名乗り:〇〇〇株式会社 ▲▲▲▲でございます。
要件:
□□の企画案をお送りいたします。添付ファイルをご覧ください。
資料内容についてご不明点やご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。
また、資料に関するご意見やご指摘があれば、ぜひお聞かせください。結びの挨拶:
よろしくお願い申し上げます。
ビジネスメールの基本スキルを身につけよう
ビジネスメールには、一般的な構成やマナーがあります。
まずは、正しい送り方・書き方を理解することが大切です。
どんなにビジネスメールに慣れていても、誤送や添付ファイルの付け忘れなどのミスが発生するおそれがあります。
誤送や情報漏洩などのミスを起こさないよう、メールを送る前に見直す習慣を身につけましょう。
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