観光・旅行・宿泊事業者が活用できる主な補助金について徹底解説!
目次
この記事では、全国の観光・旅行・宿泊事業者が活用できる国や自治体の主な補助金について詳しく説明します。
ポイントは次の3点です。
- 観光業の現状と課題
- 観光・旅行・宿泊事業者が活用できる主な補助金(国管轄)
- 観光・旅行・宿泊事業者が活用できる主な補助金(自治体管轄)
観光業の現状と課題
国は観光業を地域を活性化させる切り札と位置づけていますが、観光業界ではDXの必要性が認識されておらず、特に少規模事業者は省力化や顧客データの活用などが遅れています。
例えば、観光地で個別に施設が改修されても、他の老朽施設や廃屋が残っていれば、地域全体の景観が悪化するので、観光客の誘致は進みません。
個別の施設への対応だけでなく、「面的活性化」に向けた取り組みとして、国は2022年から老朽施設の改修や廃屋撤去に取り組んでいます。
一方、インバウンドの旅行者は急速に拡大しています。
訪日外国人旅行者は、SNSなどで観光地をチェックしてから宿泊施設を選ぶ傾向が強い状況です。
業界が抱える課題
コロナ禍を経験した現在、インバウンドを中心とする旅行需要が急速に回復している一方、人手不足が深刻化しています。人件費抑制のため、企業も人員削減や採用の抑制を実施しましたが、将来的な不安などから、現在でも適切な人員確保が行われていないのが大きな課題です。
参照:日本銀行資料「地域活性化ワークショップ第6回・観光産業の活性化に向けた地域金融機関の取り組み(観光業の現状と課題)」
観光・旅行・宿泊事業者が活用できる主な補助金・助成金
観光・旅行・宿泊事業者が活用可能な主な補助金と助成金のうち、国(国土交通省・観光庁)が管轄する主な支援施策を取り上げて解説します。
地域のコンテンツの連携促進(ロングストーリー造成)事業
アフターコロナと急速な円安によってインバウンド需要が回復している中、訪日外国人が各地域へ長期滞在し、消費を増加させるよう支援するものです。
対象経費と補助上限額は下表のとおりです。
対象経費 |
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補助上限額 | 2,000万円/件 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「地域のコンテンツの連携促進(ロングストーリー造成)事業」 公式サイト
海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致競争力向上事業
海外からのミーティング・インセンティブ旅行を増加させるため、国(観光庁)が各種イベントやモデルコース、文化・体験コンテンツなどを募集し、その際に必要となる経費の一部を補助するものです。
対象経費と補助上限額は下表のとおりです。
対象経費 |
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補助上限額 | 500万円/件 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致競争力向上事業の公募を開始します」 公式サイト
地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業
観光地経営のマスタープランとなる地域計画の構築や、それによって実施される宿泊・観光施設の改修、また廃屋の撤去などを支援するものです。
対象経費と補助率・上限額は下表のとおりです。
対象経費(項目) |
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補助率・補助上限額 | 補助率:1/2 補助上限額:2,000万円~1億円 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」 公式サイト
災害・急病等危機管理対応事業
訪日外国人旅行者が安心して滞在できるように、観光施設などの衛生環境を改善し、災害時の避難所機能を強化します。
また、多言語による対応や、病院・診療所などでの訪日外国人患者受け入れ機能を強化するために必要な経費の一部を補助するものです。
対象経費と補助率は下表のとおりです。
対象経費(右記項目を強化するもの) |
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補助率 | 面的整備事業:1/2以内 拠点機能強化事業:1/3以内 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「インバウンド受入環境整備高度化事業の公募を開始します」 公式サイト
インバウンド受入環境整備高度化事業
外国人旅行者が訪れた地域での活動を推進し、消費拡大を図るため、ICTなどを活用した各観光地での受け入れ環境整備を支援するものです。
対象経費と補助率は下表のとおりです。
対象経費 |
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補助率 | 上記1:1/2以内 上記2:1/3以内 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「インバウンド受入環境整備高度化事業」 公式サイト
インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業
観光事業者が外国人観光客の消費を増やすために地域の観光資源を活かしたり、新しい販売ルートを開拓するときに受けることができる補助金です。
対象経費と補助率・補助上限額は下表のとおりです。
対象経費 |
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補助率・補助上限額 | 補助率:400万円まで定額(10/10) *400万円を超える部分は1/2 補助上限額:1,250万円 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:観光庁「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」 公式サイト
ものづくり補助金
過去記事「中小企業が活用できる補助金とは?主な補助金・助成金を徹底解説!!」をご参照ください。
各自治体における支援施策(東京都の事例)
国が管轄する施策以外にも、各自治体で多くの支援事業があります。
東京都でも多数の支援施策を実施していますが、代表的なものを1つ挙げます。
観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業
都内の観光事業者が、観光資源として活用できる施設や技術に関して取り組む際に、クラウドファンディングによる資金調達を支援するものです。
対象経費と補助率・補助上限額は下表のとおりです。
対象経費 | 取扱CF事業者(株式会社MotionGallery)*に支払う手数料 |
補助率・補助上限額 | 補助率:2/3 補助上限額:100万円 |
詳細は下記サイトをご参照ください。
参照:東京都産業労働局「観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業」 公式サイト
まとめ
全国の観光・旅行・宿泊事業者が活用できる主な補助金を取り上げ、詳しく解説しました。
コロナ禍が収束し、円安が進行する状況下で、インバウンド需要の受け皿としても期待されるのが観光・旅行・宿泊事業者です。
当該事業者では、自社に適した支援策があれば是非ご活用ください。
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